【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 5.竜に呑まれし水の街】 大崎アイル/Tam-U オーバーラップ文庫

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最強の古竜から――故郷(マッカレン)を護れ!

太陽の国にて「蛇の教団」の陰謀を阻止した高月マコト。
水の国崩壊の神託を受け、水の街へ帰還したマコトは、懐かしき面々と再会する。
不吉な神託とは程遠い、慣れ親しんだ街での平和な時間。しかし、“崩壊"が始まる。
ついに魔の森にて大規模な魔物の集団暴走が発生してしまい、水の街は一気に戦場と化す。
さらに予期せぬ「幻の古竜」の襲来により、仲間たちは為す術なく倒れていく――。
危機に直面したマコトは形成逆転の裏技をノアから告げられるのだが……?
「マコト……あなたの命を私に捧げなさい」
クラスメイト最弱がマイナー女神と最強へ至る異世界攻略ファンタジー、第5巻!


フリアエさん、もっと気難しくてパーティー入りしても距離置こうとするのかと思ったら、案外とすぐにルーシーとすーさんと打ち解けたのね。ルーシーたちが積極的、というか相手が月の巫女とかあんまり考えずに素で突っ込んでいったから、というのもあるのだけれど、拒絶せずに誘われたら普通に一緒に買い物に行ったりもしているし。
こうしてみるとフリアエさん、ただの寂しがり屋という側面が見えてくる。まあ月の巫女なんて生まれで迫害され忌避される一方、信者からは変に崇められてなかなか親身になってくれる相手もいなかったようですし、多少仲良くなっても迫害を受ける身の上としてそれを理不尽に失う事も多かった。
仲良くなっても相手を名前で呼ばず、マコトの事も私の騎士、ルーシーたちの事も魔法使いさん、戦士さん、なんて風に呼ぶのもいざという時少しでも自分の心を守るために一線を引いているらしいですし。桜井くんだけが、殺しても死にそうにないから、という事で名前で読んでそれだけ心も寄せていた、ということみたいで、そりゃ彼女みたいな境遇だったら唯一味方してくれた桜井くんに好意を抱きますわなあ。
これがヤンデレ気質だったりすると、そこから執着に走ってしまうのですがフリアエはそのへんサッパリとした性格のようで、ある種の吊り橋効果という認識も自分で持っていたのでしょう。マコトとルーシー、さーさんの三人が彼女の味方になってくれたことで余裕が持てたというのもあるでしょうし。あれはノエル姫への対抗意識みたいのもあったんじゃなかろうか。
それで急にマコトの方にベタベタしだす、なんて事もないフリアエのさっぱりした、でも情の厚いところのあるキャラは結構好みです。名前で呼ばないことで線を引いてると言いつつ、魔法使いさん、戦士さんという呼び方にはあれはあれで情愛が籠もってて、フリアエさんルーシーたちの事だいぶ好きでしょう、というのが伝わってきますし。

さて、桜井くんやふじやんくん、それにコチラで親しくなった冒険者のジャンと言った友人たちが結婚していくのを目の当たりにして、そろそろ自分も責任を取る時期に来ているんじゃないか、と思い出すマコトである。でも責任と言ってもちゃんとした恋人らしい事もルーシーたちと出来てないんですよね。お互い青信号なのに、どうしてか肝心な時にお邪魔が入ってしまうパターン。いや神様邪魔してないよね、それどころかノア様とエイル様興味津々で生放送かぶりつきじゃないですか。ってか、エイル様水の女神なんでマコトとは関係ないはずなのに普通にずっとノアと一緒に覗き見してらっしゃるな、あの人。一応、マコトが水の国の勇者になったからか?
というかこの水の女神、邪神ノア様よりも奔放というか自由人というか緩くないだろうかw
まあその緩さというか適当さが、堅物な水の巫女のソフィア王女をけしかけてなかなか距離を詰められない彼女を強引に婚約者に仕立て上げる後押しになったと思えば、あれはあれで良い所も多いんだろうけど。
しかしマコちゃん、ずっと女神たちに覗き見されててルーシーたちといい雰囲気になり場合によっちゃあベッドイン、なんて状況になっているのも出歯亀されているのをちゃんと気づいていながら、もう平然と気にしなくなっているあたり、明鏡止水スキルが行き着く所に行き着いちゃってるんじゃないだろうかw 

今回は精霊使いというマコトの戦い方のアンバランスさ、というか使い勝手の悪さが伝わってくる展開でもありました。自由に思う通りにいつも使いたい魔法を使えるわけじゃないし、威力も思い通りにままならない。相性やら土地効果なんかがハマったら尋常じゃない規模の術を使える一方で、精霊さんたちの気分次第の所もあるし相性の悪い土地柄だったりすると、ほんと魔法使い見習い程度の力しか出せなくなってしまう、という不自由さ。
それを補う意味でも、ヒロインたちとの同調というのは思いの外重要な鍵となってきた感がある。単体でも強力なユニットとして動けるヒロインたちだけれど、余計にマコトと一緒の場所で戦う理由が出来てきたな、と。マコトの場合、ずっとその精霊使いとしての能力をフルに出せたら単身でどこまでもイケちゃう、なんでも出来る、という所がありましたし。

今回書き下ろしで商業の国にまで出張ってましたけれど、今度は女神さまたちの依頼もあって木の国に行くことに。この調子で世界中めぐることになるんだろうか。それはそれで楽しそう。