【終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか?】 年中麦茶太郎/にもし GA文庫

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境界領域ブルーフォレスト公爵領。
『人』と『魔』と『神』とが混在する、地上で最も危険で、熱気ある街。
十五歳にしてブルーフォレスト公爵領の現公爵を務める少年リヤンは、
最愛の『妻』レイと共に神々が気まぐれで起こす世界崩壊に今日も立ち向かっていた。

そんなある日、リヤンは戦場で保護した少女をワケあって家族に迎えることにしたのだが――
「パパって呼んでも――いいの」?
少女の名はアマデウス。人間の形をした厄災『終焉の神竜』という剣呑極まる存在だ。
しかし、子供を熱望していたリヤンたち夫婦にとっては、目の中に入れても痛くない愛娘に他ならない!
つまり、溺愛・不可避ッッッ!!!!
「あああ、娘の可愛さが致死量に達した!!」

家族も世界も守るため、天才魔法士――最強かっこいいパパになる!
ほっこり可愛く最強無敵な『父・娘』ファンタジー、ここに開幕!


かーーわーーいーーいなあもう!!
いやもうホントにカワイイぞ、この娘。なにこれもうどうしよう、可愛いかわいいカワイイ可愛い!!
リヤンとレイの若夫婦が出会った途端に悶死してしまったのもこれは無理ないです。だってホントに可愛いもの。素直でイイ子で元気よくて好奇心いっぱいでパパとママが大好きでとても可愛らしい満面の笑顔で笑ってくれて。そこにいるだけで、ほっこりですよ。パパママだけじゃなく、この娘と触れ合った人みんなが自然と笑顔になる可愛らしさ。
もう幸せの具現化なんじゃないだろうか。
そんな突然現れた少女アマデウスを預かることになったリヤンとレイは将来を近いあったカップル。実質的な夫婦であり、生涯を共にすることを願い合う連れ合いだ。
彼らが暮らす境界領域ブルーフォレスト公爵領は、神々が遊技場と定めた世界の最前線。神の玩具たちが降って湧いて、暇さえあれば世界を滅ぼそうとしてくる破滅の波打ち際である。
世界が滅びると定められた日をあらゆる種族が協力して乗り越えてから、二年。多大な犠牲を出して滅びを乗り越えた世界は、今なお終末の瀬戸際を歩いている。
リアンとレイは、かつて終末戦争を戦った戦士であり、特にレイは神々のもたらした設計図により作られた神滅兵器の生き残り。しかし、兵器であったが故に戦って戦って戦い抜いて壊れ潰えるはずだった存在であるが故に、子孫を残す機能を持たず自身を生存させ続ける力にすら欠けている。
でも、そんな二人は戦争前から出会い、恋をし、愛を育み、今こうして寄り添って今なお襲い来る滅びと戦いながら、途中で潰える運命の未来に抗っている。
めっちゃイチャイチャしながら、抗っている。
……バカップルである。もはや止めるものの居ない完全無欠のバカップルである。そこにこんな可愛い娘を放り込んでしまったら、どうなってしまうのか。
えらいことになってしまいました。
娘が可愛すぎるパパとママと、パパママが大好きすぎる娘の無限に加速するダダ甘生活のスタートである。隙あらばイチャイチャするパパとママであるが、そこに娘が加わることでかわいすぎる娘の言動に悶絶し猫可愛がりしまくって、そうして構うとなおさらに可愛い姿を見せてくれる娘にもはやテンションが筆舌しがたい状態になりつつ、娘を愛でるママ、あるいはパパの幸福そのものの光景に思わずキュンキュンしてしまい、流れるように再びバカップルのイチャイチャを開始して、そんな両親に娘もキャッキャと懐いてきて、さらに家族三人で好き好き大好き超アイシテルが終わらない。
いや、ほんと終わらないんですけど。無限連鎖か!!
元々子供は出来ないと、諦めていたわけじゃないのだけれど、可能性を手繰り寄せるために奔走する段階だった二人であったために、娘アマデウスの出現はレイとリアンにとっても授かりものだったんですよね。たとえ血が繋がらなくても、こんなにもパパとママが大好きな娘です。愛おしくてたまらない。
これだけなら、多幸感に浸っていればいいのですけれど、前述したようにリアンとレイの前途には大きな壁が立ちふさがっていて、二人で手を握りあいながら必死にそれを乗り越えようとしている所でもあったんですね。世界もまた、破滅の瀬戸際にあり、どこかみんなテンション高く神々の遊びに立ち向かってはいるのですけれど、そのテンションの高さの表裏一体のところにいつ世界ごと滅びてもおかしくない、という薄氷の感覚が横たわっている。
そんな中でのアマデウスとの出会いは、リアンとレイにとってさらに幸せを手にしているという実感を与えてくれるものであり、夫婦二人で未来を、という決意にさらに娘と三人で、というさらなる勇気を与えてくれるものだったんですね。
たとえ、その娘アマデウスが世界に終焉をもたらすために神が遣わした終末のドラゴンだったとしても。
幸いだったのは、アマデウスという少女を構成する魂が、本当にパパとママの事が大好きで、彼女を優しく迎え入れてくれたこの世界のことも大好きだったこと。たとえ世界を滅ぼすことになったとしても、それはこの娘の意思ではないという事でした。だから、リアンは何の憂いもなく、娘を守ることができる。娘を助けて世界を救える。
この若い家族は、どうしようもないほどの破滅を内包し、いつ訪れてもおかしくない終わりを傍らに携えている。それでも、彼らは自分達が一緒にたどり着ける未来を信じている。信じられるだけの幸せを、今三人一緒にいることで噛み締められているから。これを失わないためなら、どんな不可能だって乗り越えられると思えるから。それだけ、幸せ一杯愛情いっぱい、溢れるほどに止めどなく湧き上がってる三人だから。
これはそんな愛しき家族の物語。