【皇女殿下の召喚士 2】 長野 文三郎/はるのいぶき ヒーロー文庫

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「異界からの召喚」というギフトを手に入れたレオは、召喚した不思議なアイテムを用いて活躍し、皇女フィリシアのプリンセスガードという役職についた。恋仲のフィリシアとの婚約を皇帝に認めてもらうため、辺境のカルバンシアの地を開拓していく。ある日、故郷の友人から召喚した果物が収穫できそうだという手紙が届き、レオたちは里帰りも兼ねてラゴウ村に向かうことになる。旧友たちはレオの変化に驚きつつ、秘密のお楽しみを共有したりして、楽しいひと時を過ごす。そして、レオが召喚したマスクメロンの種はしっかり実を付けていた。その味と効能の高さを実感し、皇帝に献上しようと決めるのだが―。

皇帝陛下がアグレッシブでパワフルで精力的すぎるw そりゃ、こんなスケジュールで働きまくってたら帝国発展するし、その上でこれだけハッスルしてたら子供もわんさかできますわい。
ヒロインのフィリシア様からして皇女は皇女でも第十八皇女ですからね。これだけ下の方だと、政治的にもそれほど重要な立ち位置じゃないので、だからこそレオにも婚約者となるチャンスがあったわけですけど。
でもフィルが末妹の方、というわけでもなさそうなんだよなあ。現役でなおあれだけ励んでるとなると、多分フィルで真ん中かちょっと上の方になるんじゃないだろうか。それだけ皇族が増えるとなると、お金も掛かりそうだし権力争いもえらいことになりそうだけれど、フィルの姉のメダリアのように成人の儀で宮廷から離れる子供も少なくないようなので、変に権力を持たせる事無く皇帝陛下がうまいこと皇室を統制しているのがなんとなくわかる。
後継者の皇太子もしっかりと定めているみたいだし。この皇太子も、直接登場はしていないもののかなり優秀かつ温厚な人物みたいで、さらっとレオが皇太子のことを尊敬しているとのたまっているのは印象的だった。
レオ自身、皇帝陛下のお気に入りであり、功績も多々あって目をみはるような出世を果たしているある意味皇帝の子飼いみたいなところのある新貴族だけれど、この様子だと皇太子とも良い関係でいそうなんですよね。まあ、彼自身性格の良さと同時に立ち回りも上手くて人好きする性格なので敵を作りにくい人物なのですけれど。アリスがハーレムルートハーレムルートと拳を振り上げているように、彼を慕う女性も多いのですけれどそれに負けないくらい男友達も多いですしね。
何気にこの2巻の新登場キャラでヒロインはいなくて、異国の同じプリンセスガードのイケメン騎士と意気投合して仲良くなってるくらいですし。田舎の親友たちとは今なお得難い交流を続けていますし、その中からまさかの出世、貴族にまでなる人も出てきてますし、メダリア姉さまの恋人であるレレベル準爵ともかなり親密な友達付き合いしてますしねえ。
こういう男相手の関係も疎かにしてなくて、気持ちの通じ合った人間関係を欠かしていない主人公というのはやっぱり好感を抱いてしまいます。
ヒロイン相手の方も順調で、フィルとはついに一線を越えてしまうほど仲睦まじいですし、陛下から押し付けられた殺し愛がモットーなアニタの方も、ある意味再度落としなおして図らずも真っ当な愛情の方も獲得してしまいましたし。レオの方は別に節操がないわけじゃなく、フィルに対して一途なのですけれど、皇帝陛下の肝いりとかアリスがマメに唆して攻略ルートにレオを蹴り込むので、どんどん各ヒロインのルートが進展していっているという風情で。その中でも初めの方から片思い風味に恋情を募らせているレベッカがいじましくてねえ。レオとフィルの関係を一番近くで見ていてわかっているからこそ、無理には踏み込まないのだけれど、あれだけ好き好き光線出してたらねえ。アリスも煽るし。このオートマタ娘、本当に煽るよなあ。それでいて、わりと自分自身も遠慮せずにグイグイ押し込んでいきますし。
この未来型オートマタメイドのイイ性格したアグレッシブさが、ただでさえテンポのよいこの作品の回転力をアップさせている気がします。どんどん回転させて勢いつけてるもんなあ。
何にせよ人間関係にギスギスしたところがなく、どの方面でも思わず微笑んでしまいそうな温かい関係や篤い友情、淡い愛情が育まれててて、心地の良いお話でした。その上で軽快でリズムテンポ良くてグイグイ引っ張っていってくれますし、うん楽しかった。