【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく】 ふか田さめたろう/ ふーみ   GA文庫

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白金小雪。美少女だが毒舌家で「猛毒の白雪姫」と呼ばれる彼女をナンパから救った笹原直哉は、彼女が強がりと嘘で武装しただけのか弱い少女に過ぎないことを知る。
颯爽と助けてくれた直哉に一目惚れした小雪と、小雪のいじらしい態度に一目惚れした直哉。素直になりきれない二人は、お互いの「好き」を確かめるために少しずつ心を通わせていく。
WEB小説発、ハッピーエンドが約束された、甘々ラブコメディ。
帯での小雪さんの発言は明らかに強がりですね。
速攻でめっちゃ好きになってるじゃん!! チョロい。これはチョロい。
ただ、察しの良いを通り越してこいつ読心能力か異世界言語翻訳能力かニュータイプなんじゃないか、というくらい本当の気持ちを察する事の出来る主人公、直哉の方も最初はキツい言動とは裏腹に本当は優しくて恥ずかしがり屋な小雪を微笑ましく見守っているのだけれど、ある時に彼女へ向けられる自分の温かい気持ちが庇護欲や友情とは一線を画した、恋心だと気づくんですね。
他人にはやたらと察しがいいのに自分の感情には鈍感だったと言えばいいのか、それとも些細な自分の反応や彼女が他の男性と話しているのを見て焦る感情を抱いていることから、あれ?自分これ彼女のことを異性として好きだぞ!?と気づいた事にやっぱり察しがいいと言うべきなのか。
ともあれ、小雪の事好きだと認識した途端からの直哉の反応がまた、可愛いんですよ。
強がりを片っ端から直哉に笑顔で叩き潰されて本心指摘されて、ボロ出しまくってあわあわとすぐにポンコツになって赤面してしまう小雪も凄く可愛いのですけれど、好きと自覚した途端冷静さも何もかも吹っ飛んで、情熱のまま勢いで好きだー!!と告白してしまう直哉もこれ、男の子として非常に「かわいい」んですよね。
他人に対して察しがいい、というのはある意味上から目線にもなりがちになってしまう特技だと思うんですよね。本人がどれだけ善人だったとしても、先回りして相手の本意を掴んでそれに基づいて言葉を投げかけたり動いたり、というのはどうしたってマウントを取る、という事に繋がってしまいますしね。だからこそ、この直哉くんは温厚で控え目でありいつもにこにことしてあまりプレッシャーを与えないように心がけた態度をしていたように思うのだけれど、好きを自覚した途端、ほんとに年相応の余裕のない男の子になってしまったんですね。
まあ余裕なくなった、と言っても決して相手に対して暴走して無理やり押し通すみたいな余裕の無さではないのだけれど、いやもう小雪のこと好きすぎるだろう、というくらいに好き好き光線を出しまくって彼女の言動に一喜一憂して浮かれている姿が本当にいい男の子だなあ、と。
察しがいいものだから、小雪のキツい発言についても本意を絶対に間違えないから、喜ぶばかりだし。テンションずっと高いままだったぞ、この子。
そして、本当に遠慮なくグイグイ行きだすのである、この野郎w
まあ、友人であった頃も遠慮なくグイグイ行ってたのだけれど、好きを自覚した時に初っ端衝動のままに怒涛の告白で迫ってしまった為に、ただでさえキャパ無い小雪は速攻でHPがゼロになってパニックになって逃げ出してしまった挙げ句にしばらく恥ずかしさのあまり引きこもってしまったので、それはそれは反省して無理矢理の告白はせずに、グイグイ行きながらも感情任せに押しすぎない、という絶妙の塩梅で加減するようになるのですが、それでもグイグイ行くもんなあ。
そして、まんざらでもない小雪さん。というか、嬉しくてたまらない小雪さん。告白とかされると精神が虚弱すぎて死ぬけれど、それでもグイグイ来られてあわあわしながらもそれが嬉しい小雪さん。
完全に傍目、ラブラブカップルである。犬も食わないカップルである。もうまだ付き合っていない、という以外完全にカップルである。お互い、ちょっと好きすぎやしませんかね、この二人。

だがしかし、本作において最高にチョロいチョロインは小雪ではなかったのである。
何故かほぼ小雪と同じシチュエーションで直哉に助けられてしまった小雪パパ。彼が娘と付き合っている(付き合ってない)彼氏だと知らないまま、直哉の好青年っぷりに一目惚れし、喋れば喋るほど好感度が鯉の滝登り。そして彼が娘の彼氏(彼氏ではない)だと知った途端に、テンションMAX。
即落ち攻略完了である。
いや、完全に娘よりも堕ちるの早かったですよ、このお義父さん。小雪のチョロさは明らかにパパ譲りである。ママさん、わりとこのパパ落とすの簡単だったんじゃないだろうか。
妹ちゃんの方も、姉のチョロさを危惧していたため、仲良くなったという直哉の本性を危惧してちょっかいかけてきましたけれど、彼女の場合はチョロいというよりも物分りが良い、というタイプでしたし、シスコン気味だけれど決して独占欲が強いわけではなくて、むしろ姉が幸せになれば嬉しいというタイプなんですよね。というよりも、間近でラブラブしているのを見物しているのが楽しいタイプというべきか、ポップコーン片手に囃しながら観戦するタイプというべきか。
ともあれ、白金家に反対勢力は皆無、どころか既にパパさんは「お義父さんと呼びなさい(対面初日)」状態で、結婚前提のお付き合いという認識である(付き合っていない)。
まだ付き合っても居ないけれど、近々結婚予定という認識で家族友人関係者が一致してしまっているんですが、この二人。そして、当人同士もそれでまんざらではなく、毎日ほぼほぼ恋人さながらのイチャイチャっぷり。常に一緒だし、デートもするし、小雪の家には通うし、お互い下の名前で呼び合って悶てるし。
まだ付き合っていないだけで。
……お付き合いするって、なんだろう? 意味がゲシュタルト崩壊起こしそう。
なにはともあれ、この初々しくて素直になれないようで二人共思いっきり感情素直なラブラブカップル、見ていてほっこりする温かさで幸せのおすそ分けを頂いたような心地でありました。
これ、続いたとしてもひたすらラブラブイチャイチャしてるのを見せつけられるんだろうなあ。でもまあ、それが良し。