【聖剣士さまの魔剣ちゃん 2.~主のために頑張る魔剣を全力で応援しようと思います】  藤木わしろ/さくらねこ HJ文庫

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魔剣ちゃん、まさかの冒険者デビュー!?

世界一かわいくて危険な魔剣ちゃんことリーシュの主として日々幸せを噛みしめる聖剣士の青年ケイル。
そんなケイルの真摯な想いに応えるべく、人間になりたいと願うようになったリーシュは魔剣化防止のストレス解消も兼ねて冒険者デビューをすることになるが――

「僕も付いて行くけど、後ろで見守っているだけにしようかな」
「いえ、ケイル様はお留守番です」
「………………え?」
かわいいが炸裂する絶好調ファンタジーラブコメ、第2弾!
ケイルさま、本当にただ応援してるだけで何もしてないやん!
魔剣が危険視される現状と今後について説明されたために、ちゃんと事情を理解した上で人間らしくなろうと頑張るリーシュ。
一巻では純真無垢に何をしでかすかわからない、実際しでかしてしまうリーシュのフォローの為にあれこれと走り回り後処理やら事前のカバーなど必死に走り回っていたケイルでしたが、リーシュが上記のようにちゃんと弁えてくれたお陰で前みたいにフォローに走り回る必要なくなっちゃったんですよね。青い顔しながら駆けずり回る必要がなくなってしまったわけだ。
そうなるとどうなるかというと、ただひたすらリーシュかわいい、と言うだけの生き物になってしまってまあ……。
魔剣という事に拘らないようにするリーシュは、つまり四六時中使い手であるケイルにひっついている必要もなくなり、それどころか人間になるために一人で頑張ることになり、冒険者デビューして町の外に出たり、矢文ちゃんと一緒に買い物したり、と自立して動くことも多くなったわけです。
それを、四六時中ついてまわって見守るケイルと、ケイルと同じ方向性の変態であるハイエルフ犬のセリスのストーカー二人組。
こいつらが、もう常時ハイテンションでドタバタ大騒ぎしながらリーシュを付け回すわけですよ。なにこれ!?ってくらいもう作品の空気感が、ハイテンション!
影で見守るストーカーと化したケイルとセリスが薬でもキメてるんじゃないかというテンションで、リーシュの行動の一部始終を漫才実況するという、なんかもう意味不明な展開にw
お互いボケとツッコミを自由自在に入れ替えながら繰り広げられる漫才実況は、ここぞというタイミングで「リーシュかわいいぃぃぃ!」でケイルとセリスが見事にシンクロして区切りを付けて間を入れるのが無闇に高度なテンポ構築になっていて、なんか悔しいんですけどw
真っ当な人間になろうと頑張るリーシュの影で、どんどんと人間としてあかん領域にダイビングしていく聖騎士とハイエルフのコンビの対比が、なんともかんとも。
ただ、リーシュ可愛いのは真理なだけに、仕方ないと言えば仕方ない。これに加えて矢文ちゃんがもう当たり前みたいに姿を見せてリーシュと並んで、これまた可愛らしく女の子二人の可愛いコンビネーションを見せてくれるので、相乗的に可愛いが加速して変態二人がさらにハイテンションになるのも、まあ仕方ないかなあ、と。だって可愛いし。そして変態二人は気持ち悪い!

いや、わりとちゃんと物語の方も進行していて、魔獣とかドラゴン退治、みたいな血腥いことには一切ならずに、前に仲良くなったワイバーンのワイワイとの交流から古き竜とコンタクトが取れることになって、なぜ聖剣がしゃべる魔剣となるのか。人間の間で残されている歴史上からは隠れてしまった世界の真実の一旦が、徐々に垣間見えてくる展開をしっかりやっているわけですが。
なんでかもう、ケイルとセリスのハイテンション漫才実況ばかりが印象に残っちゃって。ストーカーのくせに声でかいよ、ふたりとも! そして特に意味なく七色に発光し続けていたケイルくん。
この主人公、なにやってんだ、ほんとに今回なにやってたんだ?

ともあれ、この最初から最後まで一向に衰えないままだったハイテンションのノリに、キレキレの会話の応酬は読んでてひたすら楽しかったです。いやマジでこのノリで最後まで突っ走るのは凄えわさw