【Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 03】  之 貫紀/ttl エンターブレイン

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神VS元サラリーマン!?止まらない二人の猛進に世界が振り回される!!

2018年。ダンジョン攻略が当たり前になった世界。
元社畜の脱サラリーマン芳村は不幸?な事故で最強スキルを手に入れる。
異界言語理解の力を使って碑文に隠された情報を手に入れた芳村と三好はダンジョン下層へと検証に向かう。
そこで待ち受けていたのは黄金の椅子に鎮座する神!?
碑文の翻訳サイトを開設してさらに世界から注目を集めることになったDパワーズの前に、お嬢様がやって来た!

基本雑魚狩りしかしていなくて、エリアボスっぽいのにも中ボスっぽいのにもフロアボスっぽいのにもさっぱり当たっていないにも関わらず、いきなりレベルが三桁くらい違いそうな敵キャラと戦闘って、極端! ほんと極端! しかも、相手神様っぽいし。神様、いきなり神様!
まあ神様と言っても、ダンジョンの生成に関わったような根幹に繋がっている存在ではなくて、あくまでも神域という設定の舞台に配置された敵キャラっぽいので、ダンジョンの秘密とか真実に繋がっているような相手じゃなかった、のかしら。アフリカの神話に出てくる太陽神だったみたいですし。
少なくとも、芳村も三好もその後殆ど話題らしい話題にもあげずに興味持ってないっぽいもんなあ。
戦闘自体はいきなりボスエリアまで自動進行させられた挙げ句の実質強制戦闘で、三好がいきなり即死攻撃くらいかけたように今までで一番危険でハードな戦い、だったはずなんだけど……。
なんかもう、レベルを上げて物理で殴る……この作品の場合はステータスバーを上げて物理で殴る、になるのか。それを地で行くような展開に。いやレベルを上げて、の方はちゃんと地道に経験値ためてレベル上げて、という過程を辿っている分堅実だけど、こっちはホントにメイキングでステータスバー引き上げて、だもんなあ。身も蓋もないw
しかも、殴るの方も鉄球握ってガンガン殴っているので、もうどうしようもないくらい「殴る」の実践。一応、神話上の弱点を突いて入るのでしょうけど、ガンガン殴ってるしなあw
最強のはずの敵のあっさりの退場、以上にメインの二人からの興味関心の薄さが、本作においては戦闘シーンってのは主体じゃないんだよ。醍醐味は、Dパワーズがガンガン開拓していくダンジョンの新機能によって、世界中がひっくり返り引っ掻き回され、その現実的な対処のために皆が目を回すはめになる、という場面の方がメインなんだなあ、というのが如実に伝わってくるのでした。
日本の官側でその現実とDパワーズのやらかしとの擦り合せのために奔走しなければならなくなるのが、斎賀さん、というわけで、この人が一身に苦労背負ってる気がするぞ。有能かつ良心的で真面目で責任感がある、ということで一切面倒がのしかかってくるわけだ。ちょっとこの人にも報いというか、報酬あげてもいいんじゃなかろうか、Dパワーズさん。
あのでっかいわんこたち、アルスルズのこと、秘密にしたまま影の護衛として運用し続けていくのかと思ったら、ちゃんと申請しちゃうんだ! 法制度的にダンジョンのモンスターを召喚飼育する際の項目が未だないので、アルスルズも普通のわんちゃんと同じ扱い……って、無理がある、無理がある。無理があろうと、制度的にはそう解釈するほかない、というのがなんともはや。いや仕方ないんですけどね。現実にあってないからって勝手に無視したら、法律や制度を恣意的に変更できてしまうことになってしまうし。ちゃんと、正当な手順を持って法整備はしていかなければならないのである。問題は、どれだけ迅速かつ適切に改正していけるか、ってところで。
もうDパワーズはやることなすこと、そんなん現実に起こることから想定していないよ、というような事例をガンガン開拓していってしまった挙げ句に、ほんとにヤバいこと以外は素直にちゃんと官側に問い合わせたり申請したりするものだから、斎賀さんが全部対処しないといけなくなっちゃうんですよね。いや、実にちゃんとしていてよろしいんですけど。まさか、Dパワーズ側にやめろ、とは言えないですしねえ。
ヒブンワークスの件のように、内実を秘匿しているケースもまあ当然あるわけですけれど。
あれもまあ、公開してしまったがために念話機能が実質Dカード持っている人は誰でも使えることになっちゃって、試験のカンニングし放題、という事が公開後に発覚してしまうという。芳村三好も、これ考えてなかったもんなあ。あらゆる想定をして、なんてまーできるわけがないので、この世この世界に存在しなかった新たな機能が突然生まれてしまった場合、現行の社会体制にどんな劇的な影響を与えてしまうか、現状のままでは対処できないケースも出てくる、というのが今回の話の中で幾つも案件として出てきてしまってるの、面白いけど大変よね、うん。
ちょうど、センター試験の時期と被ってしまって試験の監督している側の人たちが頭抱える、という展開は何気に笑い事じゃないんですよね。この年の大学受験自体、どうなってしまうのか。

と、一方で国家よりも胡散臭いカルト教団っぽいのが、前回のインドの超お金持ちのお嬢様の重い怪我を治してしまったのをきっかけに、Dパワーズを嗅ぎ回りだした、というのは……新しい噛ませ犬ですか? と思ってしまうんですけど、ある意味直接的な国家機関よりも搦手というか嫌らしい形で関わってきそうなので、さて一筋縄でいくのか。早速、マスコミサイドから、という手を繰り出してきたわけですし。
まあ早速三好が色んな意味で酷い返り討ちを、無造作に首突っ込んできた輩にやらかしていた上に、芽まで仕込んでしまいましたからね。この女、やはり根っこの所が真っ黒じゃないですか!?
だいたい、ホラー演出の脅し方にしても堂が入りすぎてて、怖いんですけど。あんなん肝が冷えるどころじゃ済まないぞw
取り敢えず、インドの超上流階級のお嬢様を腐の道に招いてしまった件については、パパにバレたら国際問題どころでは収まらない気がするんだが、大丈夫かDパワーズ。