【マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる 4】  入栖/神奈月 昇 角川スニーカー文庫

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新たな攻略ルートへと突入!? 次世代作の大本命、待望の第4幕!!

「おめでとう、瀧音幸助。君は選ばれた」
ダンジョンソロ四十層攻略という前人未踏の記録を打ち立てた瀧音は、ツクヨミ学園最大の権力を有する【三会】に招かれる。
最高のハッピーエンドを目指す為、学内で大きな力を手にした瀧音は仲間達への支援に奔走していく。
そんな中、瀧音はマジエク主人公である聖伊織の義妹・結花の身に異変が起きている事を察知する。
「待ってくださいっ! 瀧音さん何で知って……るんですか?」
本来それは造作も無く解決出来る筈のイベント――しかし、物語は瀧音ですら知らない新たなルートへと分岐していて!?
いま、マジエク世界と瀧音の運命が大きく動き出す!!
これ、伊織の方は誰がメインヒロインで進行してるんですかね? 一応、幸助の方はリュディがメインっぽいものの、ここに来て同じパッケージに載るメインヒロインの一人である伊織の義妹の結花が幸助の方のルートに入ってきたわけですからね。
クラスメイトのカトリナが現在の所順調に友好度深まっているみたいですし、伊織が三会に入れば生徒会長のモニカの芽も出てくる、といったところなのでしょうか。
ともあれ、40階層ソロクリアという突拍子もない記録を引っさげて学年一位を獲得した幸助は、その功績を以て「主人公」である伊織に先んじて三会入りを果たすことになる。
三会とは生徒会、風紀委員会に加えて式部会という通常の学校ではまず見たことのない組織が存在しているのだけれど、表向きは兎も角裏向きのこの式部会という組織の存在理由がまたなんというか独特で面白いんですよね。
ゲームの世界特有、と言っていいのだろうか。現実世界にはまず存在し得ない組織の在り方である。意図的にヘイトを集めてこいつらには負けたくない、という反発による向上心を生徒たちにもたらすための組織なんてもの、まあ現実にはあり得ないわなあ。と、思ってたら作中でもちゃんと幸助によってさらっと突っ込まれてたし。まあまずこんな組織、並の人間なら担えないでしょう。個人としての実力と、搦め手からでも潰されない社会的地位や権威、権力を持ち、なおかつ余程の人格者でないと容易に潰されてしまうでしょうし。
つまるところ、元式部会幹部であるベニート卿と紫苑さんは、その余程の人格者なわけだ。ベニートがエロゲのプレイヤーたちからは大人気ってなんぞ?と思ってたら、そういう仕組みだったわけね。
今まで一人で突っ走ることが多かった幸助が、いざ手助けが必要になった時に、他の親しいヒロインたちがたまたま手が塞がっていたとはいえ、真っ先にベニート卿と紫苑さんに助けを求めたあたり、既に余程の信頼を彼らに寄せていた、って事なんですよねえ。
ともあれ、組織の目的そのものが「ライバル稼業」を担っているようなものですから、主人公聖伊織と真っ向から張り合おうという幸助にとっちゃあ、ここしかないという選択だったのでしょう。同時に、友人キャラという枠組みから明確に逸脱し、伊織と対等の立場で対決してやるという決意表明とも言うべき選択だったのかもしれません。
そして、それは伊織に明確に伝わった。
伊織からすれば、入学当初から常に幸助が先を行き、自分はその背中を追いかけるばかりだった。今、式部会に入会したことで先を突っ走っていた友は一旦立ち止まってこちらを振り返り、ちゃんと付いてきてるか? と、待ちわびているかのように見えたのかもしれません。
知らない間に義妹の結花が誘拐されてピンチに陥っていたのを、いつの間にか幸助に助けられていた、というのも伊織からすれば衝撃でもあったでしょう。彼にとって強くなりたいという願望の根っこのところに、結花を守る、という目的があったでしょうし。なのに、自分は何も関与出来ないまままた結花は助けられてしまった。兄として安堵し、友人として深い感謝を、でもライバルとして見れば自分の不甲斐なさを思い知らされる。
「主人公」としてはギアが入るには充分な理由であり原因であり、発火点ではないですか。
1巻のラストの、伊織からすれば何のことかわからない幸助からのライバル宣言。その裏返しとして、今回の伊織の宣戦布告。今まで幸助の物語上において、視界の外……とまでは言わなくても、視界の外縁部をマイペースにひた走っていた主人公が、ついに正面に躍り出てきた、と言わんばかりの展開はやはり燃えますなあ。ここからしっかり、切磋琢磨するようなすぐ傍に伊織もいる展開になるのでしょうか。
その前に、義妹の結花がなんかかなり唐突ですけれど、幸助のルートにメインヒロインの一人として参入してきたみたいですけれど。
人の妹をヒロインとして掻っ攫うって、なんとも背徳感があっていいですなあ。しかも絶体絶命のピンチに颯爽と現れて、大きな背中でかばうとかいうシチュエーションまで奪っちゃってまあ。それは、ヒロイン相手には致死の一撃ですよ、お兄さん。
なんか結花の出自もこうしてみると物語の根幹に関わりかねないものがあるみたいですし、一気にストーリー上でも最重要人物の一人に持ち上がっちゃったみたいですし、大丈夫ですかリュディさん。ラーメン大好きリュディさんしている場合でいいんですか!?
しかし4巻まできましたけれど、未だにあんまり元のゲームがエロゲという感じしないですよね。結花が巻き込まれたラッキースケベ案件のランニングマシンも、まあおバカコメディではあるんですけどあくまで全年齢版って感じで、見えても下着までという大人しさ。エロゲなら、もっと剥かれて当然ですからね!?というのはエロゲに対する偏見でしょうか。
でもエロゲを想起させるようなえっちぃ展開、ほんとないですよ? リュディとも同居しているのに、それらしいハプニングすらも殆どありませんし。健全、とても健全っ!
せめてもうちょっとこっ恥ずかしいラブコメしてくれてもいいですよ!?