【俺のプロデュースしたエルフアイドルが可愛すぎて異世界が救われるレベル】  仁木 克人/天川さっこ 電撃文庫

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異世界でアイドルプロデュース! 魔物をファンにして目指すは、世界平和!

勇者として異世界召喚されたアイドルオタクの青年・荒宜翔人。
彼は自分を召喚したエルフのフィーリーフに魅了され、思わずアイドルになってくれと逆に頼み込む。
アイドルとは何のことだかわからず戸惑うフィーリーフ。ただ、儀式の歌と舞を得意とし、さらには純真な心と天性の可愛さをもつ彼女は究極の逸材だった!?
「フィーリーフなら世界の魔物を全てアイドルオタクにできるよ!」
「は、はいぇ!? い、言い過ぎですよ」
天性の可愛さ×オタクのプロデュースで異世界を平和へと導く、最強アイドルファンタジー!

可愛いは正義! しかしどれほど可愛くても、原石のままでは輝けない。その可愛さに方向性を与え、その可愛さに意味を与え、その可愛さに相応しい舞台を与えたとき、それはアイドルという存在になる。
ドルオタ・荒宜翔人はそんな可愛いを磨き上げる存在、アイドルプロデューサーへの道を唐突にだが歩み始めることになった。

異世界で!

誰に強制されたでもない、そもそも彼が召喚してお願いされた事は世界を救ってください勇者様、という定番のアレであって、誰もアイドルプロデュースしろなんて言ってない。
しかし彼は出会ってしまったのだ。今まで彼が推してきたアイドルを上回る逸材に。人生を費やすに惜しむことのない最高の原石に。
ならば、推さねば。ドルオタなら推さねば。
だが彼女、エルフの少女フィーリーフはアイドルの意味すら知らぬ異世界の娘に過ぎない。未だアイドルではないのだ。
ならば、この異世界において誰よりもアイドルを理解するドルオタが、彼女をアイドルへと導かなくて、誰が彼女をアイドルにするのだろうか。年間パスポート毎年購入して足繁く球場に通いスタンドでメガホン振ってる野球ファンがいきなり野球が普及していない外国で監督をはじめるようなもの、と言っては語弊があるが、野球などと違ってアイドルにルールはない。可愛いに国境はない。
異世界に芸能界はなく、業界の縛りもルールも柵もない。
ただ玉を磨く、ドルオタに過ぎない翔人にとって総合的なアイドルプロデュースなど出来るはずもない、だがドルオタの彼の魂には、アイドルのなんたるかは刻まれている。ならば本能だ、本能のままに可愛いをもり立てればいい、ドルオタとしての経験と知識に寄ってその可愛さを引き立てればいい。
そうすれば自ずと原石に可能性がアレばあるほど、それは宝石となって輝くだろう。

本作に力強さを感じるのは、謎のアイドルパワーに目覚めてその謎パワーで敵を改心させたり闇の力を払ったり、とかじゃなく、本当に純粋にフィーリーフの可愛さひたむきさ、そして翔人がドルオタの経験によって磨き上げたアイドルとしてのパフォーマンス、歌唱の演出、それらを引き立たせる「ライブ」の盛り上がり、熱狂によって、魔王の登場によって殺伐としている異世界の人たちの心を捉え、アイドル・フィーリーフが希望の光となっていくところなんですよね。
エルフに伝わる儀式の舞と歌が、翔人のレッスンによってどんどんとアイドルのダンスと歌に変わっていくのには笑ってしまいましたけど。
そして、敵の首魁である魔竜王女メノギオルが闇の唄でモンスターや人々の心を闇で染めて世界を支配しようという、いわば闇のアイドルであった、ということでなんだかんだと最初から同じ舞台に乗ってるじゃないw
勇者召喚でドルオタが召喚された、というのは決して間違いじゃなかったのか。
とはいえ、いきなり相手のボスを初手・王手、とばかりに持ってくるのはいいとしても、これを撃退してしまうとあとあと似たような展開になってしまうんじゃ、と思った所にソロアイドルからさらにメンバーを加えてのアイドルユニットへの進化の可能性を提示した上で、相手側にも闇のドルオタが! という展開はなかなか巧妙というかなんというかw
いや、闇のドルオタってなんだよw