アプリ版ウマ娘、ようやく育成シナリオを優勝で終わらせることができました。
順当に、スピードあげてりゃいいという一番な簡単なサクラバクシンオーであることはご了承いただきたい。
いや、つい先日までステータスあがらんよー、と悩んでたら、サポートカードのレベルをマニーとかのアイテムでカンストまであげられる事に気づいていなかった程度の人間なのでw
いや、最初にプレイはじめた時にはちゃんと確認してたんだけど、これカードのレベルあげるってまたアイテムわけわからんほど数かかるんだろうな、課金向けなんだろうな、と思い込んで端から選択肢として遠ざけちゃってたんですよね。なんか思った以上にわりと安上がりにあげることができて、自分程度のちょっとしかプレイしていないプレイヤーが貯めた程度のマニーとかで十分あげられてしまった時には思わず天を仰いでしまいました。
今まで地道に育成したときの経験値で積み上げていたものですから。

サクラバクシンオーの育成ストーリーも良かったのですけれど、これ相手がニシノフラワーになってるのが玉に瑕なんですよね。いや、サクラバクシンオーの現役時代の前半生においては先達ニシノフラワーは確かに立ちふさがる壁なのですけれど、バクシンオーのライバルといえばスプリント王者のバクシンオーVSマイルの女王ノースフライト、という全盛期同士がぶつかり合いお互いの距離で一歩も譲り合わずに競り合い続けた攻防が劇的だっただけに、フーちゃんの登場が待たれるところ。

さて表題のアグネスタキオンです。
このウマ娘については、件のサポートカードが全然レベルあげてない状態でプレイしていたときに最初に育成シナリオのファイナルまで辿り着いたウマ娘だったのですけれど、このタキオンのシナリオがまた良かったんですよ。

アグネスタキオンのことはご存知でしょうか。例のJRAのCMでも取り上げられた光速の素粒子。僅か4戦で神話になった馬。
そう、タキオンは僅か4戦しか走らず、屈腱炎という競走馬にとっては骨折と共に引退を強いられる怪我によって現役を退くことになった馬でした。
しかし、その戦績は4戦4勝。三歳クラシックがはじまったときに、もはや三冠間違い無しと謳われ実際に皐月賞を圧勝した馬でもありました。
その戦歴の中では、のちの同世代の馬として競馬界を席巻するジャングルポケット、クロフネ、マンハッタンカフェという錚々たる面々を下しています。
「ラジオたんぱ杯3歳S」、のちにJRAで最も新しいG1レースとなる「ホープフルS」の前身でもあるレースで、日本ダービーを制覇し世紀末覇王テイエムオペラオーの天下を踏み越えてジャパンカップを制覇することになるジャングルポケット。そしてNHKマイルカップという3歳マイルの頂点に立つと同時にジャパンカップダートという砂のG1で現在も破られていない伝説のレコードを出したクロフネという二頭の名馬を子供扱いしている。
続いての弥生賞では未だ本格化なっていなかったのちの菊花賞・有馬記念を制するマンハッタンカフェを圧倒し、皐月賞では再びジャングルポケット、そしてのちに宝塚記念を勝つダンツフレームに追随を許さず、完勝無敵を誇り……そしてそのままターフを去っていったのでした。

僅か4戦だけとはいえ、どのレースも他を寄せ付けない圧勝。あまりにも強くあまりにも早く、強烈に記憶に焼き付ける凄まじく強い勝ち方。そして、4歳以降になったあともG1戦線を荒らし回ったジャンポケをはじめとした同世代の馬たちに明確に勝ち負けをつけていたことが、タキオンを神話にしたのでした。

ウマ娘ではアグネスタキオンは、スピードスターでも無敗の圧倒的な王者でもなく、どこかマッドな雰囲気をたたえた不健康そうな顔色の研究者という装いをしており、実際あまり彼女はレースそのものには情熱を抱いてはいません。
その実、彼女は自分の卓越した才能に比して器としての肉体が弱すぎて、最高峰のレースには耐えれないと早々に断じていて、自分が構築する最強ウマ娘の理論を自分で体現するのではなく、その研究結果を他のウマ娘で叶えようと考えています。
ですが、トレーナーの熱い情熱に促されるように彼女はレースに挑戦し続けることを選び、ついに正史ではあり得なかった日本ダービーに参戦することが叶い、これに勝利することで自分を諦めることなく、夢を自分の力で、自分を信じてくれるトレーナーと共に叶えよう、と心定めるのでした。

実際、ここステータスの数値が全然あがってなくてスキルも全然取れていなくて7番人気くらいだったのに、勝っちゃったんですよね。未だにあれなんで勝てたのかよくわからないんですけど、皐月賞とダービーを連覇してしまったのです。いやあ、あれは驚いた。
そして挑んだ菊花賞。
そこで彼女の前に立ちふさがったのは、正史でも夏を越えて本格化し菊花賞を制覇することになるマンハッタンカフェでした。
ジャングルポケットとクロフネ、ダンツフレームは居ないんですけど、マンハッタンカフェはウマ娘化しててくれたんですよ、ありがたし。
ゲームでも私のタキオンはここで二着となってしまい、彼女の横を駆け抜けていったのはマンハッタンカフェでした。

ただ、この時点ではタキオンはそのマッドサイエンティストな面を自分の強化という面に集中していて、彼女の理論をどう自分に当てはめるかに頭が一杯で他のウマ娘は眼中になく。
一方のマンハッタンカフェも不思議ちゃんっぽい所があって、お一人様の世界に入り浸っていて理想の相手をイマジナリーフレンドのように構築して愛でているような感じで、ライバルって感じではなかったんですよね。

でも、お互いが意識していなくても、事実としてここにライバル関係は生まれていたのです。同じ世代、同じ舞台で競い合う相手として。
それは正史では存在しなかったライバル、でもタキオンが現役を続けていれば必ずあったであろう幻のライバル。

シニアへと戦場を移し、幾つものG1を戦い抜いていった先で、タキオンはついに最強の理論に到達し、しかしそこに僅かな足りなさを見出します。いくら内側を探しても見当たらない最強に至る最後のピース。それはラストレース「有馬記念」を前に、マンハッタンカフェとぶつかった際にようやく見つけることが叶ったのでした。
自分の内側に理想のウマ娘を探し続けイマジナリーにすがりついていたマンハッタンカフェが、はじめて外に見出した「理想」アグネスタキオン。
そして、自分に足りなかった最後のピースこそ「最強のライバル」だと気づいたタキオンの視線を奪って離さないマンハッタンカフェ。

競馬に置いてもウマ娘というコンテンツにしても、特にウマ娘のアニメの二期は切磋琢磨するライバル、というテーマを取り上げているだけに、この正史には存在せずしかしあり得るはずだったライバルというタキオンとマンハッタンカフェの二人を取り上げたタキオンのストーリーのクライマックスには、なんかもうこみ上げるものがありました。
特にアグネスタキオンは皐月賞を勝ったまま早々にターフから駆け抜けていってしまっただけに。

アプリのレースは残念ながら育成ストーリーのラストである有馬記念までたどり着きながら、力及ばず敗退。しかし、並み居るウマ娘たちをごぼう抜きにしてゴール板を先頭で駆け抜けていったのは、正史と同じく(正確には年代が一年違いますが)マンハッタンカフェでした。
育成失敗とは相成りましたけれど、これはこれで美しい終わり方だったなあ、と心に残るストーリーでありまして、思わずこんな風に記事にして書き上げてしまった次第。
うん、今度こそタキオンもクリアしてみせよう。そして彼女のストーリーの結末を見るのです。

それはそれとして、同じ世代のライバルとしてやはりジャングルポケットも一緒にウマ娘として見てみたいなあ……。ウマ娘化がされていない社台系の馬なのでまずもって難しいでしょうけれど。

そのジャングルポケット、つい先だっての3月2日に23歳でお亡くなりになっております。現役時代もさることながら、種牡馬としてもウマ娘にもなってるトーセンジョーダンや、菊花賞馬のオウケンブルースリ、ジャガーメイルなどを送り出した良種牡馬の一頭でした。ほんと、お疲れ様でした。

ちなみに、タキオンも種牡馬として非常に優秀で、おなじみダイワスカーレットは、アグネスタキオン産駒だったりします。運命を感じる?