【聖剣士さまの魔剣ちゃん 3 ~魔剣ちゃんは常にかわいいので、今回はハイエルフに注目していきます~】 藤木わしろ/さくらねこ HJ文庫

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魔剣ちゃん大好き仲間を求め、いざ行楽都市へ!?

折れた魔剣ちゃん=セレスタの復活を目指すケイルたち。
そこで心強い味方を増やすべく、かつては魔剣の所持者であった謎多き幽霊(?)美女ハワワさんに会うため、ケイルたちは行楽都市ヴェルミアへの遠征を決める。
海に温泉にとレジャーを楽しむ傍ら、金欠から魔獣絡みの依頼を受けるケイルだが――

「それじゃリーシュはどうしたいんだい」
『とりあえずわたしの気が済むまでボコボコにして欲しいです』

コミカライズも絶好調な魔剣ファンタジーラブコメ、第3弾!
ハト! ハトがズルいよ!! ハト頭のムキムキ男出現のビジュアルイメージのあまりのキモさに爆笑してしまったんですけど! 殆ど一発ネタだけでも面白いのに、そこからヨロイ騎士化ハトにフルアーマー・ハトの畳み掛けるようなコンボはギャグのテンポが良すぎて、ちょっともうお腹痛いw
いやー、ほんとこのコメディのノリといい間といい、自分にはどストライクでめっちゃ好きですわー。
何気に根幹となっているストーリーラインは緩いどころかむしろ一直線にシリアスなんですよね、これ。そもそも魔剣という存在自体が少女たちを生贄にして生まれているようなもので、それを聖剣という殻の中に押し込めて使っていたようなものですしね。
そして、魔剣というものが世の中で忌み嫌われているのも、その戦略兵器並の強力さよりも印象操作の方が原因としては強いようですし、世に生まれてしまった魔剣とその使い手は影で処理されてしまっている、というかなり残酷な歴史が遙かな過去から続いているという。悪意と悲劇が連綿と今に至るまで続いているような、なかなか極悪な状況だったりするんですよね。
件のハワワさんとその魔剣であるセレスタが殺され、封印され、ハイエルフ(犬)が永きに渡って流離うことになったのもそれが理由ですし。
もちろん、その悪意は今も健在でリーシュとケイルにもいつ襲いかかってきてもおかしくないのが現状。なので、ふと気を抜くと途端に話はシリアス方面へと傾いていってしまう。

それを自らテコ入れして、シリアスには行かせない、と頑張る主人公たち……w
いやこの、魔剣ちゃんの顔を曇らせないために、とにかく何があろうと緩く行くぞ! という気合入りまくったコメディ路線堅持には、そこまでやられるとちょっとした感動まで芽生えてくるね!
口だけではなく、ちゃんと身体も張ってるし。

シリアスな空気を出すと装着者に骨が透けて見えるほどのビリビリ電撃を食らわせてくれる腕輪! とかいう、どうしたらそんなものを発想するんだ、という魔道具まで自分たちで作って自分たちで装着するケイルたち。引っ張り出してきたケイルだけじゃなく、渦中の当事者であるハイエルフ(犬)まで流れで一緒になって装着するの、さすがは歴戦の(犬)だよなあ、セリスw
おかげでどんなシリアスな展開になっても、ケイルとセリスがビリビリしてるもんだから、どうやってもシリアスにならない! 超無理やりコメディ路線を堅持するその気合っぷりは、もうお見事としか。
元魔剣所持者であるハワワさんと、件の折れた魔剣セレスタを見る限り、歴代の魔剣使いは全員が魔剣ちゃんダダ甘路線の変態みたいだし、魔剣ってわりと全員ナチュラルドSなのか。
魔剣サイドの登場人物たちが濃ゆすぎて、黒幕サイドがシリアス感を目一杯だしながら真面目に悪者ムーブしようとすればするほど、シリアス殺されるという悲劇。
敵側、コメディに乗るようなキャラじゃなくほんとに真面目に悪者なので、もうコメディ展開に蹂躙されてメタメタにされるの可哀想なくらいなんだけど、元々がゲス野郎なので悪党ムーブをギャグで潰されるという屈辱がざまぁ感出てて素晴らしいですもっとやれw

ともあれ、濃ゆいキャラばかりとはいえ、女の子はみんな可愛く、仲良く、ギャグでコメディではあっても永きに渡り離れ離れになっていた大切なモノ同士が再会するという感動展開はいささかも減じないのでありました。ひたすら尊い、てぇてぇ、てぇてぇ。
こういう温かい空気を守るために体張ってシリアス潰すケイルくんは、多少ヤバい人だろうとちゃんと主人公してると思いますよ。ヤバいやつだけど。