【ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~ 3】 ハム男/藻 アース・スターノベル

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パーティー名は「廃ゲーマー」!?
学園都市編、スタート!!

グランヴェル家の従僕を卒業し、セシルとともに学園へと入学したアレン。
開拓村からやってきたクレナやドゴラとも再開し、新たな生活をスタートさせる。
アレンを中心にパーティーを組んだ4人は、打倒魔王を目標に、学園都市にあるダンジョンを積極的に攻略していく。
ヒーラーを求め、学園で出会った「僧侶」の才能を持つ少年、キールをパーティーに誘うアレンだが、彼には「グランヴェル家」に関連する、ある「秘密」があり……。

一方学園では、「学園武術大会」が開催され、クレナが参加することとなった。
優勝者は王国の大英雄、剣聖ドベルグとの試合が行われる予定だが……。
そして「人類の希望」と呼ばれる勇者ヘルミオスは、入学試験で出会ったアレンに興味を持つが、実力を見せる気のないアレンに対し、ある条件を提示する。

稀代の英雄たちを前に、アレン率いる「廃ゲーマー」の本気が明らかに!?

勇者ヘルミオスの過去を描いた「ヘルミオス回想編」や、もう一人のアレンの幼馴染であるペロムスが登場する「商人ペロムスの奮闘」など、書き下ろしエピソードも収録!


あれ!? もうレベルキャップなの!? 学園生活はじめてまだ一年なんですけど!?
これはさすがに早すぎだろう。原因は魔王軍が全体にレベルが上ったために魔物の経験値が十倍近くになっている、という理由があるみたいだけれど、まだ十代も前半の時期にレベルがカンストしちゃったら、成長も何もあったもんじゃないじゃないですか。ゲームバランス完全に崩壊しているなあ。あとはエキストラスキルを自在に使えるようにしたり強力な武器を装備したりステータス値には表せられないプレイヤースキルをあげたり、という方法が残っているにしても、基本数値が上がらなくなってしまった、というのはこれモチベーション保てるんだろうか。
廃ゲーマーならともかく、他の子たちはそこまでイカレていないと思うのだけれど。
そして、レベルキャップに到達しながら、それだと魔王軍に太刀打ちできない、というの仕様として完全に破綻してますよね。そりゃ、前線で戦う連中が絶望してしまうのも無理ないわー。
それもこれも、魔王軍が正しく「チート」したから、と言えるんだろうけれど、こういう「システム」面からプレイヤーがどうにも出来ない難易度を押し付けてくるって、ヘルモードというよりもただのクソゲーなんじゃないだろうか。
そんでもって、これはゲームじゃなくて現実のはずなのに、ゲームシステムみたいのに縛られてどうにもならない、というのは悲惨以外の何者でもないよなあ。
だからこそ、ヘルモードの主人公が投入されたんだろうけれど、果たして彼一人が現状人類の限界を突破したからと言ってそれでどうにかなるんだろうか。まあ、彼は召喚士として明らかに戦略兵器並のポテンシャルを持ち得ているし、さらに味方に対するバフも常軌を逸している段階に達しているので、彼が参戦しただけでもだいぶ違ってくるのはまあ確かなんだろうけれど。
それにしても、クレナを含めて他のノーマルモードの人間がレベル60でキャップに達してしまったのって、さすがに数値として低すぎるよなあ。さらに限界突破する要素が残されている、という事なんだろうか。

ともあれ、今回はレベルやダンジョンのシステム面にまつわる話ばかりで、現状の魔王軍との戦況とか戦争の経緯、ダンジョンが成立している背景とか、バックグラウンドストーリーはさっぱり出てこないんですよね。というのも主人公がそういうの全然興味ないんですよね。ゲームに関しても数値ばかりに目が言って、ストーリーとかキャラの掘り下げとか各国の歴史とか、武器道具のフレーバーテキストとか一切興味ない、と明言しているくらいですからねえ。個人的に、この主人公とはまったく趣味あわないですわー。設定厨の身としたら。
実のところ、仲間のキャラの掘り下げなんかも全然なんですよね。これまで従僕として仕えるお嬢様という主従の立場だったセシルとも、従僕を卒業した途端にただの仲間になってしまって、なんか全然存在感なくなっちゃったんですよね。ただの仲間の一人、みたいな扱いで。クレナやドゴラといった農村時代の幼馴染とパーティー合流しましたけれど、まあ仲悪くはないみたいなんだけれど、普段どういう交流しているのかもさっぱりですし。
あとから加わった僧侶のキースも、めっちゃ因縁ある出自だったのになんかすんなり仲間になっちゃいましたし。当人たちはもっといろいろと思う所あるんだろうけれど、アレンはそういうのほんと興味ないんだろうなあ。便宜も図るし私生活や家族身内にまでちゃんと気配りしているし、元の家族にも仕送りとか支援して、と決して情がないわけじゃないんでしょう。恩人でもあるグランヴェル子爵に対しても、政治的に結構やばい立場に立っているのをできる限り支えられるように動いているんだけど……余儀なんだろうなあ、こういう行動は。

まあ世界の危機敵状況を鑑みれば、アレンみたいなちょっと頭がおかしい存在こそが救世主になりえるんだろうけれど。勇者のヘルミオスさんはこの人、まともな分絶望をまともに受け止めててしんどそうだもんなあ。