【クロの戦記 6 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】  サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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新たな領地で港&塩田作り!!

戦争が終わり、クロノは論功行賞で手に入れた領地・カドの開拓に着手する。乏しい現代知識を用い塩田や港の整備を計画するが、人手が足りずにいた。
その解決策として、副官であるミノの故郷の人たちを呼ぼうと、別の貴族領まで出向くことになるが……。
一方、エラキス侯爵邸ではクロノとの夜伽の順番を巡って、女の戦いが勃発していた――!!

「異議ありだ!! どうして、お前が四回も夜伽をするんだ!?」

エロティック王道戦記、内政と夜の性活に大忙しな第6弾!!

多くの親しい者たちの死を背負い、それ以上の多くの期待を背負う覚悟を決めたクロノ。しかし、そこに雄大な展望があるわけじゃなく、目の前にある喫緊の課題をクリアしていく事に汲々とするわけだけれど。
元々、理想とか野望とか持ち得るタイプじゃないんですよね。流され流されてどうしても許容できない事にだけ徹底して反抗し、あらゆる手段をこうじて生き残る事に終始する。だから、新たに得た領地であるカドの整備開拓も、将来に向けて構想を抱いてというんじゃなくて、領地の人たちの暮らしを少しでも良くするため、部下であり身内である亜人たちが安心して暮らしていける土地にするため、という眼の前のことから一歩一歩固めていく、というそういう姿勢の賜物なのだろう。
でもだからこそ強靭なのである。目の前のことにかかりきりになるから、夢中になれる。頑張れる。タフになれる。
理想を高く持っているわけじゃないから、ちょっと突かれたくらいじゃグラつかないんですよね。ミノさんたちの一族を引き取る際にだって、あれだけの屈辱に耐えてみせた。
自分でも語っているけれど、自分からプライドを捨てる事と一方的に誇りを踏みにじられ恥をかかされる事は全然違う事なんでしょうね。それでもなお、頭をさげてみせた。地べたに擦りつけてみせた。屈辱を受け入れるのが必要ならば、この男はいくらでも我慢できる。自分が恥をかくことを、彼は厭わない。その事実が、その姿がどれほどその背に守られた人たちにとってかけがえのないものに見えるのか、クロノは計算してやっているわけじゃないから始末に終えないんだよなあ。
そういう背中の男だから、絶望を味わった者ほど希望を寄せる。何もかも託せてしまう。クロノが普段だらしなく、へらへらとしたドスケベ男だとみんなわかっていても、クロノの為に生命を惜しまなくなる。先の戦いでクロノを守るために率先して死んでいった連中の想いの根源はここにあり、それは今も他の皆の心に宿っている。

ティリア皇女は、野生化してクロノに襲いかかって搾り取っているばかりのようで、なんだかんだと上に立つ者の姿勢や在り方というものをちゃんとクロノの姿から見て取っているんですよね。
上に立つ者として果たして自分は忠義に対して相応に報いていたのか。
ヤることしか考えてないように見えるんだけど。次の日仕事に支障が出るほど貪り食ってるんだけど。
ちゃんと成長してるんだな、という姿をティリア皇女が見せてくれたのは嬉しいところでありました。それはそれとして、暴君である所は変わっていないのですが。まあ、暴君とは言っても可愛げのようなもので、理不尽を振りまくようなものではなく、双子エルフを手下にして顎で使っているのがせいぜいなのですが。
と、ここでついにあの双子エルフとティリアが出会ってしまうんですよね。そして誕生するポンコツトリオ。双子二人だけでも姦しいのに、そこに傲岸不遜のティリアが加わることで何ともはた迷惑で騒がしい三人組が生まれてしまったわけで。どちらかというと、ティリアに気に入られてしまった双子エルフの受難の日々のはじまり、というべきなのかもしれませんけれど、この頭の悪いポンコツトリオの行脚は何かと楽しく面白いのでホント好き。

しかし、戦争は戦争でいつも死にかけてるクロノだけど、内政パートになっても仕事抱え込みすぎて死にかけてらっしゃるなあ。それでいて、夜のベッドでのお仕事も欠かさないあたりは若さのようにも見えるし、女性陣が貪りすぎというべきか。今日は疲れたもうムリー、ってなってても問答無用で襲われているわけだし。
そんな状態でも、主導権を徐々に奪い返してティリアに対してもいつの間にかマウントポジション取っているあたり、じわりじわりとタイトルに負けないベッドの上での強さを獲得してきたというか、変態度に歯止めがかからなくなってきたというか。いずれにしても、最強と言っても最初からチート無双ではなく、叩き上げのドスケベ根性と言った風情なんですよねえ、クロノ様w

さて、色んな意味で過労死ラインに乗っているようなクロノですが、新たな戦の気配がまたぞろ彼の元へと持ち込まれてくる。再び、戦争の季節である。