【Landreaall 37】  おがき ちか ZERO-SUMコミックス

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騎士団の大哨戒中、地下ダンジョンで遭難したDXたち。
危険種モンスターの夜嵐蟻を利用して上層を目指すが…
兄を救出すべくダンジョンへ入ったイオンが女王蟻に襲われているところに遭遇――!?

大人気王道ファンタジー『Landreaall』、奮戦の37巻!

これ、37巻の表紙のDXって特装版の表紙のイオンと対になってるんですよね。



36巻の巻末でイオンが女王蟻に襲われるところに遭遇したDX。だけど、イオンを知る者としてはあのイオンが易易と女王蟻に捕まっているというのは違和感ありありではありました。まず六甲もついているだろうし、DXたちみたいに消耗もしていないはずのあの走っこいイオンが、てねえ。
案の定、この巻のはじまりは時間を少し巻き戻してイオンたちが水中階層を突破して蟻たちがいるフィールドに到達するシーンからはじまるわけですが……。
ほんと、おがきさんって人ではない存在が持つその種独特の、それでいて生きとし生けるものに共通する「情」の描き方が図抜けているよなあ。
特に今回の夜嵐蟻は昆虫種のモンスター。昆虫ってのはどうしても異質感がつきまとって生物の持つ感情とか心とかを感じない種なんですよね。
実際、ここまで夜嵐蟻のコロニーと遭遇したDXたちのシーンでは、蟻たちからは無機質さを多分に感じるばかりで意思の疎通とか端から考えもしなかったのに。
イオンと遭遇した女王蟻が示したものは、異質かもしれないけれど確かに心でした。生きるものなら共感せずにはいられない、生命を繋ぐという行為であり、それを見ず知らずの異種であるイオンに託送という必死さ、懸命さ。
あのシーン、イオンを捕まえていたんじゃなかったんですね。昆虫種にあんな切なる心を感じたのは風の谷のナウシカの王蟲以来かもしれない。

そんなイオンを見て、襲われていると誤解したDXの……暴走。
うわー、いつも客観的な視点を忘れずに感情的になっても冷静な部分を喪わないDXが唯一、プッツンしちゃうのは妹のイオンが絡んだ時だけど、いやはやここまで致命的な場面で致命的なやらかしをしてしまったのは初めてじゃなかろうか。ぶっちゃけ、今までプッツン来てもリカバリーできる範囲でトドメてたしなあ。流石に、イオンの生命が掛かってるような場面に遭遇したのは初めてだったわけだし、長きにわたるダンジョン遭難で疲弊していた、というのもあるんだろうけれど。
DXが自分で「やっちまった」というくらいだもんなあ。

やっと合流か、というところで再びダンジョンの奥に飛ばされてしまったDX。一方、六甲の尽力で脱出できたイオンだけど……この二人がここまでボロボロになってるのは初めて見た。ほんとギリギリだったのが良く分かる。イオンも流石にここまでの修羅場くぐったのはなかったもんなあ。スピンドル事件の時はイオン個人はまだ余裕あったし。
しかし、イオンと六甲が崩落から逃げ込んだジェム鉱……下半身の装備が遺されてるって、これ!! なんか朧気に覚えがあるなあ、と思って他の方の感想見て回ったら……10巻の巻末漫画プチリオールでライナスがえらいことになった所だったのかー!!ww
ちょっ、イオンたち持ち帰ったのかめっちゃ気になるんですけど、下半身装備とライナスのベイビーたちw
今ならまだ無料期間中なんで、件のプチリオール読めるので、よろしければライナスくんの恥ずかしい過去をご覧いただければ、と。10巻ですよー。


そして、DXたちはここまで登ってきたにも関わらず、一転ダンジョンの底へ。って、絶望的じゃないかー。そこで待っていたのは、転移に巻き込まれた将軍蟻と……ダンジョンの最初の種(オリジンモンスター)。
最初、意識を取り戻したところでお互いボロボロながら激突していたDXと将軍蟻が、強烈な気配に咄嗟に交錯するお互いの攻撃を止めて、バッと一人と一匹で振り返るシーン、かっこよかったー。
命をつなぐためにまさに生命を賭けた女王蟻とはまた別に、戦士として戦う将軍蟻がまたこれカッコいいのよ。オリジンモンスターの出現に、DXと共闘するところも含めて意思疎通できないのに戦うモノとして相通じるものがあった所とか、いいんですよねえ。こういうの、ただの昆虫種では決して見られない反応だし。この世界観のモンスターってほんと好きだわ。
そしてオリジンモンスター。いわゆるダンジョンボス、に当るのだろうか。なんか、不定形とまでは言わないけれど、どこか輪郭が曖昧で定まっていない、それでいて竜のようにも見えて頭が三つある多頭にも見え、得体のしれなさが半端ない。
こんな強敵を前に、DXたちは長きにわたる遭難で本当に限界をもう超えそうになってるのが、戦闘シーンの端々から伺えて、ハラハラなんてもんじゃないのですが、スピード感あふれるアクションの連続にじっくり絶望感に浸っている暇もなく、怒涛の展開のまま次回へ……って、次回へぇぇ!! ここで次回へ持ち越しですかー!? いやーッ、なんて焦らしプレイッ。