【ドラキュラやきん! 3】  和ヶ原 聡司/ 有坂 あこ 電撃文庫

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虎木と未晴がまさかの婚約!? コンビニ夜勤吸血鬼たちが京都で大暴れ!!

日常に戻り、コンビニ夜勤に勤しむ吸血鬼・虎木のもとに未晴から依頼が。それは、許嫁との縁談を破棄するため、虎木に恋人のフリをして京都の比企本家まで来てほしいというもので!?
納得のいかないアイリスと詩澪を尻目に、これ見よがしにイチャつこうとする未晴と、流されるがままな虎木。そんな虎木の態度に悶々とするアイリスは決意する――そうだ、京都行こう。
だが道中、性急に未晴の縁談が進んだワケが明らかになるにつれ事態は一気にきな臭い方向へ――!!
『はたらく魔王さま!』和ヶ原聡司が贈る、ドラキュラ日常ファンタジー。ポンコツシスターやきもちを焼く?な第3弾!

アイリス、行っちゃダメって言われたのに行っちゃうんかー! そうだ、京都行こうじゃないよ、じゃないですよw
軽々に命令違反とかしちゃう娘じゃないのに逸ってしまったのは、それだけアイリスがメンタル的にどん詰まってしまったからだろうか。この娘、自分の本音をぶち撒けて相談できる相手って居ないんですよね。未晴は基本的で恋敵ですし詩澪も気持ちを吐露できるような相手じゃない。同僚や上司はプライベートを打ち明けられるような関係じゃないですし、強いていうなら由良なのでしょうけれど思いっきり当事者だもんなあ。店長の娘の灯里とは連絡取り合っているみたいだけれど、ファントム絡みの件は相談できないし……そう考えるとアイリスってかなり孤立していて由良にベッタリなのもわからないではないんですよね。
自分の中で虎木由良への結論のないまま、もやもやとした正体のわからない気持ちを持て余したまま、自問自答を繰り返してたらそりゃ煮詰まるってもんである。
京都へ行こう、もあれ気の迷いみたいなもので、アイリス自身七雲に出会わなければ京都駅についた時点でとんぼ返りに帰っていた可能性も高いですしねえ。
とはいえ、京都に来たことでハッキリした事が幾つもあるので、アイリスとしては結果的には良かったのかもしれないけれど、でも命令違反は確実なのでこれ始末書では済まないんじゃないだろうか。クビで済めばいいんだけど。下手したら協定違反で日本のファントムとの戦争勃発、の可能性すらあったわけですし。
しかし、アイリスが最初から由良には吸血鬼にも関わらず忌避感なかったのはそういう理由があったのか。でも、男性恐怖症なアイリスが由良に対してだけ最初から症状が出なかったのは、吸血鬼だからという理由だけではないと思うのだけれど。これ、ファザコン若干入ってませんか?

七雲くんはこれはこれで結構好きなキャラなんだけど、女性にはモテなさそうだなあ。能力的には優れているし人格的にも善良で目端がきく方だと思うのだけれど、メンタルがナヨってるw
これ、未晴と幼小中高全部いっしょで常に四六時中一緒にいるようなタイプの幼馴染関係だったら、ワンチャン、この男は自分が見ていてやらないと、的な感情が発生していた可能性もあるけれど、幼馴染といってもそこまで密接な関係がなかった今の状態だと、ちょっと無理めですよねえ。
よっぽどこれからカッコいい所見せ続けないと意識は変わらない気がする。なにより、未晴はずっと由良にぞっこんなのですから。
結構悪くない男だと思うんだけどなあ。

日本のファントムを牛耳る比企家と六科家。近代化した社会の中で生き延びるファントムたちを、人間社会の上位に食い込むことで地位を安定させ、ファントムたちを庇護下に置いている彼らだけれど、人間社会の中に溶け込み隠れ住むという事自体に不満を溜め込んでいる層も居たんですね。
ほぼ人間同然の由良だとて、吸血鬼として日光を遮断しなくてはならない関係上、普通の生活に非常に苦労している事を思えば、人型以外のファントムなどマトモに生きることも難しいのでしょう。絶滅している種も多いみたいですし。
一個人である由良はぶっちゃけ、そんなファントム全体の事に関しては責任はないし無関係なのだけれど、因縁ある室井アイカがそうした勢力と深く関わっている以上、無視は出来ないか。
今回、可能性だけとはいえ由良が人間に戻れる方法が見つかったわけだけれど、それが叶うとして果たして一抜けして終わり、になるんですかね。アイカを通じて何らかの決着がやはり必要となってくるのか。
何にせよ、アイリスは自分の気持ちに気づく事が出来たし、由良の方も今までみたいに自分にまとわりついてくる女、というだけの認識だけではなく、この娘の事をもっと知っていかないと、とアイリスの事を思えるようになったのは一歩前進になるのかな。