【賢者の弟子を名乗る賢者 2】  りゅうせんひろつぐ/藤ちょこ GCノベルズ

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アルカイト王国国王ソロモンの頼まれ、九賢者たちを探す旅へと出たダンブルフ改めミラ。
気楽な馬車旅を満喫するミラであったが、最初に訪れた街、鎮魂都市カラナックでは、
大量のゾンビが出没するという異状事態が起きていた。

これは目的の人物である死霊術使いの賢者、ソウルハウルが関係しているやもしれぬ。

そう考えたミラは、早速ソウルハウルがいるであろうダンジョン、古代神殿ネブラポリスへと向かうのだが……。

両親の面影を探す少年タクトと、お人好しの冒険者エメラ率いるパーティを引き連れて、
美少女召喚術士ミラの、地下迷宮攻略が始まる!!

わしかわいい 待望の第2弾!

イマイチ知名度振るわない召喚術のイメージアップのため、日々召喚術強い!召喚術カッコいい!召喚術素敵! と普及活動に邁進するミラさんだけど、自らの肉体を使って徒手空拳で暴れまわる仙術の方が明らかに目立ってますよ、ミラさん!!
召喚術が地味というわけじゃないのですけど、喚び出したらその召喚体が大活躍するのでどうしてもミラ自体は目立たないんですよね。ミラほどの術士になると一々召喚した存在に指示を送っていかにも操ってます的な振る舞いはせずに、召喚された存在は大まかな命令与えれば自分で考えて動きますし、召喚主から遠く離れて動くことも当たり前にこなしてしまう以上、やっぱりミラ自身は目立たないというスパイラル。
特にヴァルキリー・シスターズとか普通に人間以上の知性体で、見た目も映えますからなあ。彼女たちが大活躍しても、彼女たちの知名度人気があがるだけじゃないですかーw
ミラの前身であるダンブルフは「軍勢」という二つ名持ちなだけあって、ちゃんと召喚体の軍勢を率いるみたいなシーンもあったのかもしれませんけれど。
ミラさんが現状一番派手に目立ってたのって、伯爵級悪魔を仙術を駆使して近接戦闘でフルボッコしてたところだしなあw むしろあれ見てたら、仙術士の方に憧れてしまうんじゃないだろうか。

さて、ソロモン王の依頼によってかつてのゲーム仲間である九賢者を探す旅に出たミラ。わりと交通網整っているし、宿泊施設も不自由なく手配されているので、旅というよりも思いっきり「旅行」って感じなのが笑えるというか和やかなんですよね。
ともあれ、九賢者の一人が拠点にしていたダンジョンを訪れた先で、ダンジョン奥にあるアイテムを必要としている少年に依頼されて、ド素人の彼を連れ立ってダンジョンに潜ろうとしたミラ。
そんな彼女らを心配して地元の上級冒険者パーティーの面々がついてきてくれたわけですが。
この冒険者たちがまた実に気持ちの良い連中だったんですよね。そもそも、休養中のところを手隙の連中かき集めて護衛のために駆けつけてくれた、という所からイイ人で間違いないのですけれど。
ミラの実力を目の当たりにしてからも、別についてこなくてもよかったじゃないか、とならずに逆にこれじゃあ寄生じゃないか、と申し訳なさそうにしていたりとか、終始明るいムードを絶やさずに愉快の楽しく雰囲気を盛り上げてくれていたし、そのふるまいは気遣いと誠実さをベースにしていて、戦闘ではほんと特に何もする必要なく付いてきていただけなんだけど、このパーティーが一緒に来てくれてよかったなあ、と思えたんですよねえ。
いやあ、かなり個性的な面々で若干変態めいたのも混じっていたのですけれど。
ミラも相当気に入ったのか、ドロップ品やら魔術の知識やらを惜しみなく与えたり押し付けて、向こうが恐縮していても構わず、孫にお小遣いあげまくるみたいに貴重な素材とか持ち帰らせてるんですよね。
自分には特に必要ない、という以上にあれはあげたいからあげてたって感じだよなあ。そして気持ちは良く分かる。それはまさに信頼の証でもあり、溢れてくる好意の気持ちを形として与えてあげたかったという事なのでしょう。

ミラも、目覚めてみたらゲームの中。しかも三十年が経過していて自分の姿はかつての爺様からピチピチの幼女に、という不安を覚えても仕方ない環境であっただろうけど。
元々本人の精神がタフというか鈍いというかあんまり気にしないタイプだったのもあるんだろうけれど、早々に同じくゲーム内に入り込んでしまったゲーム仲間と再会できた、というのも大きな要因でしょう。でもそれだけでなく、この世界の中で出会ったこの世界で生まれ育ち暮らしている人達がまたイイ人ばかりで、巡り合い知り合うことが出来た事に感謝を覚えるような出会いが多かった事も大きいと思うんですよね。良き出会いが続いている。それは素晴らしいことで、実に楽しみを抱くことの出来ることだ。
ミラが何だかんだと今の小さな女の子の姿を堪能し、世界を楽しんで旅している様子がまた読んでいるこっちにも楽しくさせてくれるんですねえ。
かつてのゲーム仲間の知り合い以外にも、プレイヤーがけっこうこの世界に入り込んでいるんですねえ。それぞれ、今この世界で生きている。そんな相手と知り合えたことも、また幸いなのでしょう。
うん、読んでて健やかな気分になれる作品だなあ、これ。