【婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む~美味しいものを食べさせておしゃれをさせて、世界一幸せな少女にプロデュース! ~ 2】  ふか田 さめたろう/みわべ さくら PASH! ブックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

魔法使いアレンとお尋ね者の令嬢シャーロットは今日も健全にイケナイことに邁進中!
だけどふとしたシャーロットの仕草に、言動に、アレンは心臓のドキドキが止まらない。
やはり俺は、シャーロットのことを好いているのか……?
それは本当にいけないことだ——

そんななか一行はアレンの古巣・アテナ魔法学院に向かう。シャーロットの妹・ナタリアが密かに留学中らしいのだが、なにやら問題が発生しているようで?

想いが爆発寸前なアレンと、輝く笑顔を見せるようになったシャーロットのめくるめくイケナイ毎日、第2巻!

判断がはやーーいっ!! ふとしたきっかけで、シャーロットへの温かい気持ちが保護者のものではなく、彼女への恋だと自覚したアレン。ここでグダグダとくだらないことで悩まないのがこの大魔王のいいところ。
即断即決、即行動の男である。
ここで自分には資格がないとか彼女の幸せを考えると、などとうだうだする男も多い中で、彼は自分の気持ちに一切嘘をつかない。色んな意味で正直すぎて偽らずにガンガンやりまくった挙げ句が、魔王呼ばわり。むしろ、誇らしげに魔王では物足りないから大魔王と呼ぶがいいッ、と言い放つ男である。そんな無駄で無意味な回り道などで貴重な時間を浪費しないのである。
ここまで自分に正直で居られる、というのはむしろ凄い精神力であると思うんですけどね。
シャーロットには幸せになってほしい。でも、願わくば彼女を幸せにするのは自分でありたい、そんな我欲を清々しいまでに真摯に思える彼は、実にカッコいいですよ。
それに、考えなしに行動するわけじゃなく、ちゃんと周囲に相談もして準備を整える理性も備えているあたり、隙はなし。なんで、シャーロット・ファンクラブとも言うべき街の輩なおにーさんたちにわざわざ相談に行くのか、相談相手間違えてないか? と思わないでもないけど。いや、ある意味義理を通しにいったとも言えるので、それもまた男前なんだよなあ。
おにーさん方と同じく、いつまでもはっきりしない関係のままイチャイチャし続けるんじゃないか、と思ってたんですけどねえ。その辺はっきりした主人公を描くのは、この作者さんとしては慣れたものなのでしょう。
GA文庫の【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく】の作者さんでもありますしねえ。

しかし、恋を自覚してしまうということはシャーロットの外見的性格的な究極的可愛さを保護者目線なんていうフィルターを通さず、ダイレクトに受領するということ。
毎秒更新でシャーロットの可愛さに貫かれてのたうち回るアレンの姿をご愁傷さまというべきか、ごちそうさまというべきか。仕方ないよね、シャーロットかわいいもんね。
うちの娘がかわいい、からうちの彼女が可愛いにバージョンアップしてしまった以上、常に致死量の可愛さ成分で血を吐く大魔王は、毎秒爆発しろ。
シャーロットとお付き合いをはじめて浮かれっぱなしのアレン、ひたすらデレデレしてたな、この男。

と、これだけシャーロットの身辺も安定して、メンタルの方もアレンが全面的に引き受けることで最初の頃のような虚無や諦観も消え去り、本当に幸せそうに笑うようになってくれた。
あとは、残る懸念を解消していくばかり。幸いにしてシャーロットにかけられた指名手配の方は、アレンと住むこの街ではもうシャーロットの人となりが知れ渡り、むしろ街中がファンクラブみたいになっているのでもうコソコソと変装したり隠れたりする必要もなくなってきた。
とはいえ、彼女を苦しめ貶めた実家や故郷の国の問題はまだまだ解消されず、放置されたままなんですよね。なにやら、あちらはより闇を深めているというか泥沼に陥っている様子が、アレンの情報網に引っかかってくるのだけれど。
それよりも、まずシャーロットが実家で唯一好意をもって接してくれていた妹のナタリアが今どうしているのか、というのがシャーロットの心残りだったんですね。
ナタリア、妹なんだけれどまだ7歳……って、結構年離れてたんだ。それだけ幼い娘が周りの空気に流されずに、シャーロットを慕って彼女を庇う姿勢すら見えていた、というのはそれだけ意思の強い娘でもあったのだろう。
それがシャーロットの失踪と指名手配である。どんな想いでいなくなった姉の事を思っているのかと思ったら……グレてたw
わずか7歳でひとりアレンの古巣である魔法学院に留学という形で放り出されて、寂しい想いをしているどころかそこではぐれものたちの希望の星になり、派閥を立ち上げて女親分として姉御肌全開でカリスマになってるの、年齢設定間違えてないですか?
やたらと周りの人に慕われ好かれる、というのはシャーロットの妹らしい人徳とカリスマ性なんだけれど、その方向性が親分肌姉御肌というのはお姉さまとかなり傾向違いますよねw
むしろ、大魔王アレンの系譜なんじゃないだろうか。シャーロットが出奔するまではそこまで我が強い様子はなかったそうなのだけれど……グレたのか。
ヒロインの妹登場、なんてなると恋のライバルにもなりかねないのですが、さすがに7歳というのは範囲外でしょうし、それも考慮しての7歳という年齢だったのかもしれません。
ラブコメとしては、アレンとシャーロットは不動のカップルとして揺るぎなく君臨しそうですしね。

滞りなく恋人関係にまで行き着いてしまった本作のメインのお二人ですけれど、甘酸っぱくもテンポのよいストーリー展開の勢いは、甘ったるさよりもピチピチと弾けるような活きの良さを感じさせてくれるラブコメで、このスピード感は心地よいものがありました。
次はシャーロットの実家へと乗り込んでくれるのでしょうか。アレンの言動はいちいちスカッとさせてくれるので、素直に楽しみです。