【田中家、転生する。3】 猪口/kaworu ドラゴンノベルス

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平凡一家、世界へ羽ばたく!? 和食ゲットのため、一家で外交はじめます!

エマの参加した夜会で、まさか通じた皇国語(がいこくご)。
今度は外交問題に巻き込まれるのだが、一家の関心は皇国産の日本食。
お味噌にお米、鰹節!
念願の食材を手にすべく、メルサは単身皇国へ。
一方、歯止め役の消えた王都では、学園で事件が起きたり、漁師やスラムを救ったり、果てはエマが聖女になったり――イベント多すぎ!?
波瀾の王都編、続きます!
え!? 皇国語ってそもそも認識すらできないの!?
単に言語体系が違いすぎて、習得が難しいだけなのかと思ったら王国民を含めた殆どの地域の人間が、皇国語を聞き取ることも文字を読むこともできないのだという。頭が理解を拒み、認識記憶することすら難しいのだという。これ、言語を覚える覚えないの問題じゃないのか。
あとあと、皇国語(日本語)を聞いた際のヨシュアなんかの反応を見ていると、確かに言語が理解できないというよりも、認識が阻害されているみたいな感じなんですよね。ジャミングされているような、突然ピー音が入って邪魔されるような。
なるほど、異世界でないと存在しない事情だなあ。
そりゃ、エマが皇国語使えたことに王様以下みんなが仰天するわけだ。
でも、そこまで意思疎通が難しい相手と皇国も王国も、なんでそんな必死になって交流しようとしているかがまた不思議だったのですが、両方とも亡国がかかった死活問題が関わっているということで、そりゃエマの確保に必死になるわ。国の存亡が関わっているのだから。
むしろ、エマ個人を気遣って無理をさせないように配慮してくれる王様が有情すぎるくらいで。
同時にスチュワート家が今や王国の浮沈の要となっていて、彼らの機嫌を損ねることが皇国との交流を上回る勢いで死活問題になっちゃってる、という冷静な判断もあるんだろうけれど。
スチュワート家を敵に回してはならない、というのは今や王家であっても肝を据えて掛からなければならない案件なわけだ。でも、そういうの抜きにして、本心からエマのこと心配しているからこそ、この王様いい人なイケオジなんだけど。

しかし、こうしてみると平和に見えてこの世界、人類の生存圏がヤバすぎますね。ちょっとしたきっかけでホントに国の一つくらい簡単に滅びてしまうくらい、崖っぷちに立たされているのか。
王国もこれ、座していれば早晩滅びる、というのがわかってしまったのはちょっとゾッとしないですよ。現在進行系でもうアカン状態の皇国に比べるとまだマシなんでしょうけれど。
いや王国ってば、この状態で辺境地域よくまああんな状態で放ったらかしにしてるよなあ。魔物の侵入を防いでいる辺境貴族がこのまま財政問題でバタバタ倒れていったら、完全にアウトじゃないですか。スチュワート家が自前で財政立て直したから良かったものの、王国側からはこのあたりの辺境への優遇策は何一つ改善していないわけで、実際幾つもの家が財政破綻して消えちゃってるのを見ると、ちょっとどうしようもないところがあるなあ。
スラム問題もその片鱗の一つだろうし。王様、政治的に決して無能ではなく見識も有り自己評価も冷静でフットワークは軽く手腕にも長けているだろうけれど、それでも手が届いていない場所が多いというのはそれだけ問題が山積してるんだろうなあ。王権もそこまで強いわけではないようだし。

ともあれ、皇国との外交問題にガッツリと噛むことになったスチュワート家。そりゃ、一家全員喋れますからねえ、皇国語。しかし、一家見渡してみてもマトモな交渉ができる人が……お母様しかいないw
さすが、一家の大黒柱というべきか。辛うじて常識人枠、というべきか。まあ、メルサお母さんも所詮はスチュワート家なのですが。
メルサお母さんとレオナルドパパとのイチャイチャに、子供達がチベットスナギツネ顔になってるのはイラスト付きで笑ってしまいましたw
子供らからしたら、前世では一度還暦までいってた両親ですからねえ。イチャイチャされたらたまらんよなあ。でも、お父さんもお母さんも一度生まれ変わって心身ともに若返っている影響なんでしょうねえ。というよりも、前世思い出すより前に再び巡り合って結婚して、なんて運命的な人生歩んでいるわけですから、未だ熱も冷めてないんだろうなあ。

でも、メルサお母さんが皇国に直接赴いてしまうと、残されるのはレオナルドパパと子供達のみ。やらかすよなあ、これやらかすよなあ。
いや、一概にエマが悪いんじゃないと思いますよ。この子らに後を任さざるを得なかった状況が悪かったとしか言いようがなく。
どんどんと起こってしまうあれこれに、必死に取り繕い場を収めようとすればするほど、なぜか聖女として持ち上げられるエマ。それを阻止できない兄と弟に、火に油を注いでしまうお父さん。
はい、ご愁傷さまです。まあ同情の余地はあるよ、うん。
褒賞の件は、むしろスラムゲットは上手くやったほうですし。あれは王家としてもなんとしてでもスチュワート家の功績に報いなければならなかったところですから、受け取らないという結論はなかったわけですしね。

しかし、エドワード王子はちょっとエマに幻想を抱きすぎているというか、変に美化してしまっているというか。エマの実情とはかけ離れたイメージをエマに抱いて恋してしまっているけれど、大丈夫なんだろうか、これ。つまるところ、エマの事をなんにも理解していない、とも言えるわけですしねえ。
まだ、エマの素を知っているにも関わらず狂信的にハマっているヨシュアの方が錯誤が少ないという意味ではまだマシなのかもしれない。エマのお相手ってエドワード王子なのかと思ってたけれど、これだけ現実と理想がかけ離れてしまっていると、ちょっと心配になってきたな。