4コーナー差し掛かったところで、3番手で競馬を進めていたキセキが手応え抜群!!
キセキ、これワンチャンあるぞ! キセキ! キセキ!
直線に入ったところで先頭を走っていたダンビュライトを躱して、キセキ先頭! キセキ来た! キセキ来た! 行ける! キセキ行ける! これキセキ勝てる!
実況「アリストテレスが追ってくる!」
うわぁぁぁ、アリストテレス来た来た来た、伸びてきた伸びてきた、キセキ行け行け行け行け!
アリストテレス差してきた! 脚色アリストテレスの方がいい! アリストテレス切れてる! うわぁぁ躱されるぅぅ!?
実況「キセキの抵抗! キセキの抵抗!」
いやキセキ粘る粘る二枚腰、三枚腰! 頑張れ! キセキ頑張れ!! ああっ、ダメだ! 躱された! これは無理だ!
実況「追ってくるのは8番マカヒキ!」
マカヒキ! あかん、キセキ頑張った。これはアリストテレスかぁ。マカヒキ? ん? 一頭なんか来たってマカヒキ!? え? これ追いつくぞ!? 飛んてきたぞ!? 届く届く? 誰? マカヒキ!? マカヒキ!!?? まっ、マカヒキぃ!? ちょっ、届く! え? なんでマカヒキ? 届く届く、躱すこれ届く! 届いた! え? 届いた?
実況「アリストレテスかマカヒキか! アリストレテスかマカヒキか!?」
鼻差上げ下げだ。どっち!? どっちだこれ!? え? だから誰だよ飛んできたの!? マカヒキ!? 嘘っ、マカヒキ? マカヒキだ、マカヒキだ!! これマカヒキ勝ってる、勝った勝った、ってマカヒキ!? マジで? なんで? マカヒキ!?
うわああああ、マカヒキだマカヒキだ! 嘘だろ、マカヒキ来たぁぁぁ!
ああああ、マカヒキぃぃ!!! マカヒキ!!!!! マカヒキだあああ!!!


実際、こんなでした。



いやもう、すげえレースだった。大興奮で、大感激の奇跡のレースでした。
今回、どちらかというと自分の注目はキセキの方でした。こっちもすでに7歳の大ベテラン。菊花賞以来勝ち星なく、しかし2着3着の善戦も多く老年に至った今も掲示板に載ることもしばしば。
昨年の伝説のジャパンカップでは見事な助演賞を飾り、今年に入っても香港で4着に入るなどなかなか調子の良い様子を見せていたキセキ。
久々に、本当に久々に彼の勝利が見たい。そんな中で、今日のキセキは抜群のレースを見せてくれました。まさに、勝ちに行く競馬でした。
実況「キセキ、押し出した。和田竜二、闘魂注入、鞭が飛ぶ!」
カンテレの放送の方はあとで見たのですが、川島アナの4コーナーでのこの実況が痺れました。実際、こっからキセキ手応え抜群でぐっわーーー! と行くんですよ。これは勝てる! これは行ける! と。
実況「キセキ、復活か!?」
しかし、これに立ち塞がるのはミルコ・デムーロ鞍上のアリストテレス。今回は調教の動きも良く素晴らしい出来栄えに仕上がってきた彼ですが、今年頭の「アメリカジョッキークラブカップ」を勝ち今年の古馬戦線の主役の一頭と見られていたものの、以降は不甲斐ないレースが続いていました。
しかし、今回はまさにアリストテレスの競馬。素晴らしい伸びで後続を突っ切り、キセキを猛追。一瞬で抜き去ろうかという脚色に、しかしキセキも二枚腰で粘るんです。落ちていかない、諦めない。古豪キセキ、食い下がる!!
凄まじいデットヒート。一瞬たりとも目が離せない一騎打ちでした。
だから、全く後続の様子には気がついていなかったんですね。
レースはもう残り100メートル。人間の脚ですら、10秒を切る超短距離。馬の脚なら、わずか6,7秒。
その一瞬で、彼は二頭のデットヒートに割って入ってきた。飛んできた。
残り100メートル。アリストテレスの背後を追ってきていた彼は、進路を外に切り藤岡の強烈な鞭一閃、フルスロットルにギアが入る。
気がついた時、彼はキセキとアリストテレスを抜き去って、ゴール板を先頭で駆け抜けていた。

老雄マカヒキ、フランスはG2エニル賞以来、5年1ヶ月振りの勝利。国内戦に限定すれば、彼の名を知らしめた日本優駿・日本ダービーの勝ち星以来の、勝利の美酒。
長い、長い戦いでした。もう終わった馬と言われ続けて、何年が過ぎたか。
クラシック戦線における同世代の旗手であり、その才能を遺憾無く発揮する若きエリートであり、その風貌から貴公子のようだったマカヒキ。
サトノダイヤモンド。ディーマジェスティ。リオンディーズ。レインボーラインにエアスピネル。ミッキーロケット。
クラシックで鎬を削る激戦を繰り広げたライバルたちの多くはターフを去り、中には種牡馬としてもうすでに子供をターフに送り出している馬も居ます。
そんな中で、マカヒキはずっと走り続けていました。たまに掲示板に載るものの、多くは着外。二桁着順に沈むこともしばしば。レースの内容も、キセキのように善戦するわけでもなく、見所ないまま名前すらも呼ばれることなく存在感を示せないまま終わることが続いていました。
もう引退させてあげてもいいんじゃないか。いつかはもう一度ダービー馬の栄光を、と信じていた人達もやがてそんな風に思うようになっていきました。

「奇蹟は起きます。それを望み奮起する者の元に、必ず、きっと」

ウマ娘の第二期で、走ることを一度諦めたトウカイテイオーに、メジロマックイーンが贈った言葉です。これを体現するような出来事を、現実に目の当たりにすることが出来るなんて、ねえ。これだから、競馬ってやつはさぁ(涙目
そうこれが、諦めないってことなのだ。ただ出走させ続けるためだけじゃない、勝つためにスタッフは関係者は、マカヒキは頑張り続けていたんですねえ。諦めてなんかいなかったんだ。心からの敬服を。
第83回日本優駿勝ち馬。2013年に生まれた6913頭のサラブレッドの頂点に立ったダービー馬という称号は伊達ではありませんでした。キセキ、アリストテレスとともに最高の競馬を見せてくれました。
おめでとう、ありがとう。心揺さぶられ、魂震えるレースでした。

本日、盛岡競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯に、マカヒキの同級生エアスピネルが出走します。彼もまた老いても元気にマイル戦線、ダート戦線を駆け回っていますが、マカヒキ効果か南部杯では一番人気にあがっているようで。重賞は幾つも取っているエアスピネルですけれど、G気狼堂崗泙裡鈎紂マイルチャンピオンシップの2着。フェブラリーSの2着まで。南部杯はJpn1という国際的格付けではG鞠定されてませんが、一応国内ではG軌靴ぁここで勝って16年クラシック世代のG汽Εナーの仲間入りをしてほしいものです。
この世代は何気にご長寿というか、現役の長い馬が多いのも特徴で。マカヒキ、エアスピネルだけじゃなく、先週ダートのシリウスS(G掘砲鯀っていた地方G1の3勝馬ケイティブレイブ。
ちょっと怪我して休養中ですが、オジュウチョウサンに代わって現役障害最強馬となったメイショウダッサイ。
今年の夏も、元気にキーンランドカップで3着に入った高松宮記念勝ち馬セイウンコウセイ。
地方盛岡に転籍となってしまいましたが、そっちで2連勝と復活したロードクエスト。
長く短距離戦線を賑わせ続けている阪神カップ勝利馬のシュウジ。

などなど、みんな8歳になっても元気な馬多いな、この世代!?
マカヒキもどこまで現役で走るかわかりませんけれど、復活……復活したのですから、この秋から冬にかけて、是非もう一度この輝きを見せてほしいものです。いや、もう十分よくやった、華を咲かせてくれたとも思うんですけどね。頑張った、本当に頑張ったよ。

ああ、キセキも奇跡を見せてほしいなあ。往年のスピードは失っても、まだまだ体力十分。気合も十分。やる気も十分。君にはチャンスありますよ!