この直前の阪神10レース「西宮ステークス」で3歳牝馬ジェラルディーナが危なげなく完勝。3連勝でOP馬へと昇格しました。
彼女の母は牝馬三冠馬にして海外含むG毅珪,鬚△欧震埆ジェンティルドンナ。6月のレースで馬具が外れるという事故で大敗してしまったのがこうなってみると痛かった。3勝クラスの出走抽選にはずれてしまい、秋華賞に挑戦できなかった彼女であるが去年秋華賞の前レースで同じく抽選除外となったレイパパレが勝ち、その後の快進撃したことを思えば、今後の活躍が期待できるというものだ。

そして、ジェンティルドンナの娘より先に牝馬三冠馬の血統を証明したのが今回の秋華賞馬アカイトリノムスメでありました。

アカイトリとは、彼女の母であるアパパネに由来します。アパパネとはハワイ語で「アカハワイミツスイ」という日本名のハチドリを意味する言葉でした。文字通り、アパパネの娘という意味なんですね。
アパパネは2歳牝馬の最強決定戦である阪神ジュベナイルFを勝って最優秀二歳牝馬に選出。そして3歳で桜花賞・オークス・秋華賞の三冠を奪取。のちにブエナビスタとの激闘の果てにヴィクトリアマイルも勝ち、G毅犠,鬚△欧震礁討任靴拭
アパパネの子供達は今まではみな牡馬。アパパネの長女が、三冠最後の一つをもぎ取ったというのはまた劇的じゃないですか。

今回の牝馬クラシックの主役は誰が見てもあの純白の女王ソダシでした。
阪神JFと桜花賞を完勝したものの、クロフネ産駒として危惧された距離適性がもろに出たのが芝2400のオークスで、ここでソダシは8着に惨敗してしまいます。
しかし、明けて夏の札幌記念で名だたるG汽Εナーを含む古馬たちをこの秋華賞と同じ距離の芝2000で叩き潰し、距離不安を解消してみせたことで1.9倍の圧倒的一番人気を獲得していました。

2番人気は前哨戦の紫苑Sを快勝したファインルージュ。桜花賞3着に入った馬で、オークスでは二桁着順に終わってしまったものの、紫苑ステークスの勝ち方がこれがまた非常に強い勝ち方で夏を超えて覚醒を迎えた感があり、鞍上がルメールに乗り代わったということもあって堂々の二番人気に。

3番人気は、ファインルージュを降りてまで今一番乗れてる騎手である福永騎手が選んだアンドヴァラナウト。脚元が弱くレース間隔をあけるという大事な使われ方をしていたため春のクラシックは断念したものの、成長とともに体が出来上がり、ローズステークスで勝利して無事出走権を確保。今まで3着以下になったことがないという安定性もさることながら、彼女の母はグルヴェイグ。
キレキレの差し脚で名を馳せた馬でしたが、何より彼女が有名だったのは「エアグルーヴ」の娘だったから。姉にアドマイヤグルーヴ。兄にフォゲッタブルやルーラーシップがいるという名族の娘だったんですよね。
つまり、エアグルーヴの直系の孫であり、ドゥラメンテの従妹にあたるわけだ。

そして4番人気にアカイトリノムスメ。桜花賞4着。オークスでは2着。母と同じ三冠には手が届かなかった娘だけれど、着実にその頂に近づいていたのだ。

5番人気はオークスを勝ったユーバーレーベン。なぜか「シロイアレノムスメ」とか言われているんだが、ご存知ゴールドシップに種牡馬として初めてのG気鬚發燭蕕靴森Ч毀爾任△襦
ただ、オークスの後に屈腱周囲炎という症状が出て長期休養に入っており、今回出走は決めたもののかなりの怪我明けの急仕上げ。調教は良く動いていたみたいだけれど、陣営もあまり無理はさせないつもりだったようだ。オークス馬が直行とはいえ5番人気だった、というのはファンもそのあたり承知だったのだろう。


レースはぶっ飛ぶ逃げ馬エイシンヒカリの娘エイシンヒテンが母譲りの快速で逃げ、それをソダシが二番手で追いかけるという展開。
ペースは1000メートル1分1秒ちょいと平均より微妙に遅いくらいで前の馬が不利という展開ではありませんでした。
が、ソダシは終始好位置につけていたにも関わらず、直線で伸びることなくエイシンヒテンに追いつくことも出来ず、残り200メートルで馬群へと沈んでいってしまいます。
桜花賞などで勝利経験のある阪神競馬場ですから、コースが苦手、ということは考えられないのですが、やはり2000メートルはソダシには微妙に長いのかもしれません。
阪神は最後の直線200メートルあたりから坂があり、平坦コースの札幌と比べると最後に踏ん張りのいるコースになっています。スタミナ切れにはきつい設定なんですよね。
それと、どうやらソダシ、スタート時にゲートに顔をぶつけていたらしく、レース後に歯がグラグラになって血が出ていたようで、10着に大敗した理由としては大いに納得できるものです。さすがに負けすぎでしたからね。

実況「外からはアカイトリが飛んできている!」

レースは最後の直線、200メートルで内から切り込んでくるアンドヴァラナウトと好位から切れ味タップリにあがってきたアカイトリノムスメがソダシを間に置き去りにして、先頭をひた走るエイシンヒテンを追い抜く。
そして、アンドヴァラナウトをアカイトリノムスメが競り落とし、外から猛追してきたファインルージュをねじ伏せて、半馬身先着。アパパネに似た強い勝ち方でありました。
実況「父ディープインパクト。母アパパネの名に賭けて、三冠目だけは絶対に譲れなかった12番アカイトリノムスメです!」


1着アカイトリノムスメ。
2着ファインルージュ。
3着アンドヴァラナウト。

4着には、結局ゴール板を駆け抜けるまでヘタれることなく脚を緩ませなかった逃げたエイシンヒテンが粘り込み。
彼女の父エイシンヒカリはこれがまたぶっ飛んだ逃げ馬で、個性的な馬が多い逃げ馬の中でもひときわ異彩を放つそりゃもう目立つ馬でした。
その娘もまた逃げ馬というのが楽しすぎるのですが、直線に入ってもソダシに影を踏ませず、後方からの猛追からギリギリまで抵抗、上位三頭に躱されたあとも気持ちを切らさずにスピードに乗ったままゴールしてみせた姿は、すごく将来性を感じさせてくれるものでした。
エイシンヒテン、ちょっとこれは強くなってくれそう。エイシンヒカリ産駒の代表として頑張ってほしい。まずはエイシンヒカリに初の重賞を。

ちなみに、この日の阪神9レースで勝った馬も、同じエイシンヒカリ産駒のカジュフェイス。この馬も見事な逃走劇で快勝してるんですよね。エイシンヒカリ、産駒もみんな逃げ馬適性なんでしょうか。だとしたら面白いなあ。

ソダシは今後、恐らくですがマイル路線に行くのではないでしょうか。
ライバルだったサトノレイナスは、残念ながら怪我で引退。ヨカヨカも同じく怪我で繁殖入りとなってしまいましたが、この秋華賞上位馬アカイトリノムスメ、ファインルージュ、アンドヴァラナウトは非常に強い競馬を見せてくれたことですし、今後古馬と戦うことになっても恐らく引けはとらないでしょう。今の三歳世代は古馬との対戦で勝ちまくってて、世代としてかなりずば抜けている様子。エイシンヒカリ、そしてジェラルディーナ、ユーバーレーベンも含めて今後のG祇鐇を賑わせてくれるのではないでしょうか。
ってか、これまだみんな牝馬だけで、来週菊花賞が控えてるんだよなあ。
……まあ、あらかためぼしい馬は天皇賞・秋の方へと向かってしまっているのですが。
クラシック戦線の主役として一人残ったステラヴェローチェには頑張ってほしい。神戸新聞杯では見事な勝ちっぷりを見せてくれましたからね。
あと、現役時代ファンだった宝塚記念馬マリアライトの息子であるオーソクレースも応援しちゃうなあ。