-インフィニット・デンドログラム- 17.白猫クレイドル】  海道左近/タイキ HJ文庫

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孤島バトルロイヤル開幕!

ジュリエットたちとの狩りでドロップした四枚のチケット。それはデンドロで行われる特別なアニバーサリーイベントへの招待状であった。
期待に胸をふくらませるレイたちだったが、その内容とは孤島で行われるサバイバルバトルロイヤル……!?
大学のリアル友人も参加していることを知ったレイはチームを組んでこの催しに挑むことにするが、世界中から参加できるこのイベントには、普段出会うことの無いはずの猛者が集ってきており――。
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今回は運営側の過剰な介入もなく、誰かが死ぬとかどこかの国とか都市が滅ぶとか後味が悪くなるような展開ナシの純粋なイベントだったので、安心して見ていられました。……いや、今までこんな普通のただのイベントってあっただろうか。レイが参加するともれなく酷いことになる、というわけじゃなく事前に仕掛けられていたところにレイが飛び込んでくるだけでレイはあくまで巻き込まれなのですが、ともあれそういう裏の企みとかもなく、本当に偽り無くただのイベントバトルだったのでただただみんな楽しく遊べました、良かったね。
今回は外伝漫画の【クロウレコード】の主役キャラでもあるジュリエットとその仲間たちであるチェルシー、マックスちゃん、死音の四人がメイン級の活躍でいっぱい出てきてくれたので、色々と大満足でもありました。漫画版インフィニット・デンドログラムは本編も外伝も最高ですよ?
クロウ・レコードももっと続いてくれても良かったんですけどね。ジュリエットとチェルシーはこれまでもちょくちょく本編にも出てましたけれど、マックスや死音なんかは漫画読んでた方がどんな娘かよく分かるんじゃないだろうか。
マックスちゃんのキャラネーム「グレートジェノサイドマックス」は全キャラクターの中でも頭一つ抜けてイカした名前だと思うんだがw これが今ではフリフリの可愛い衣装着せられているの、是非イラスト付きで見ておくべきだと思うんですよね。
さて、今回は……って今回はってフレーズなんども使ってるな。まあいいや。今回はさらにレイのリア友である同じ大学生のキャラ名「アルト」と一緒に遊ぶことに。この娘、本名の高音と書いて「ソプラノ」と読む、の方がキラキラしすぎてる気がするんだが。まだアルトの方が大人しいじゃないですか。
でも、珍しくアルトは変に飛び抜けたところのない普通の一般プレイヤー枠なんですよね。レイの周りってホントこう突き抜けちゃってるプレイヤーばっかりなので、逆に普通のプレイヤーが珍しい……と、思ってたらこの娘もとんでもねーもの持ってるじゃないですかー。いや、あくまでメンタル・能力ともに一般プレイヤーなのが面白いとも言えるのですが。こういう普通の娘でも、やりようによっては一部の超級プレイヤーに匹敵するものを手に入れられる可能性がある、という事でもありますからねえ。思いっきり持て余しまくってますがw
しかし、リア友でもゲーム内では所属する国自体がアルター王国と天地という事で離れてしまっているので、物理的な距離として一緒に遊ぶこともままならないのかー。デンドロの世界は広い、という事なのでしょう。今回みたいに、参加者が転送で一所に集められて、みたいな機会でもないと連れ合う事も難しいんですからねえ。

このイベントは本当に純粋に楽しむためのもの、報酬目当てとはいえ誰の命も掛かっていないイベントだった、というのはそれだけレイの「不屈」が発動しにくいシチュエーションでもあったんですよね。レイ・スターリング推しであり殺し愛が心情の阿修羅姫・重兵衛としては出会うタイミングが悪かったとも言えますね。レイの「本領」が発揮される状況ではありませんでしたし。
無理矢理にでもレイの「本領」を出させるためにヒールムーヴ取ろうとしていましたけれど、重兵衛ちゃんってバトルジャンキーで傷つけあってこそ愛を確かめ合える殺し愛推奨のヤバい人ではあるんだけれど、一方で他人に対してリスペクトを欠かさない人にも見えるんですよね。勝敗に関わらず相手を見下したり強い弱いで人を判断したりなんて真似もしないですし、あの決闘で勝利し続けているマックスちゃんに対してのあのリスペクトっぷりを見ても、本来かなりイイ人っぽいんですよねえ。
口でいうほどのダーティープレイは出来ないんじゃないだろうか。この人の性質からして、レイと本気の殺し愛ができそうなシチュエーションって、なかなか難しそうな気がするなあ。正々堂々の勝負だとレイは普通のプレイヤーの範疇だろうし。それこそ、彼が絶対に引けない場面で敵側に立っていない限りは。割と仲間になる方が自然な感じのするキャラクターな気がするんですけれど、好きになるほど戦いたい、殺し合いたいという厄介難儀な性向なだけに難しいんだろうなあ。

ある意味完成形の方向性が見えているこれらの超級職獲得者に比べると、マックスやチェルシーはまだまだだいぶ伸び代みたいなのがあるように見えますねえ。チェルシーは特に一旦自分のスタイルを放棄しているだけに。海賊系超級職が空いてないというのは痛いのだけど、だからといって果たしてどういう方向性の超級職を獲りにいくのか。派生系とかないんですかねえ。
そんでもって、一番面白かったのがやっぱり曼珠沙華死音ちゃんである。いや、漫画でもアホの娘だったけど、こうして文章として見るととんでもねーアホの娘やなあw でも強いアホの娘である。アホであるがゆえに強いというべきか。いやあの能力反則すぎますよ、めちゃくちゃ強いんだよなあ。でも絶対、死音は自分の能力ちゃんとわかってないぞ。わかろうとすらしていなさそうなのが凄い。そしてアホの娘かわいい。
そう言えば、何気にクロウレコードの四人組は全員お嬢様なんだよなあ。
何気に今回ジュリエットが一番戦闘では大人しかった気がするぞ。ジュリエット語は、キレキレでしたが。何言ってるか完璧に理解できるレイが一緒にいると、会話もはかどりますなあ。
これでまだ中学2年生なのだから登場人物の中ではだいぶ年少組なんだよなあ。今回は高校受験という現実の問題も絡んで悩む中学生でありました。まだこのくらいの歳の娘だと、自力で現実世界に大きく動かすことは難しいですからね。親からゲーム時間減らして勉強しなさい、と言われることほど現実的な脅威はないでしょう。なんだかんだ、現実世界でもスケール大きな話が転がっているこの作品ですけれど、そんな大仰なトラブルがなくても、ただ親から禁止されるだけでデンドロの世界から居なくなる、というのもまた現実にありえる展開でもあるんですよねえ。
まあこのゲームの主要人物たちはだいたい大人であり、自力で自分の都合を融通できる種類の人間が多いのですけれど。

あと、クマは普通にお兄さんかと思った、最初。キグルミと言えばクマにーさんという認識が刷り込まれていたけれど、結構いるのよねキグルミプレイヤー。しかも、超級にも複数。
そのうちキグルミ大集合みたいな展開もいつか来る日があるのだろうかw