【王女殿下はお怒りのようです 7.星に導かれし者】  八ツ橋 皓/凪白みと オーバーラップ文庫

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絡まる運命の糸は転生王女(レティシエル)に収束する――――

プラティナ王国とイーリス帝国の戦争は続く。
帝国内の急進派であったディオルグを討ってなお、帝国の攻勢が勢いを増す中、レティシエルが命じられたのは帝国本陣への潜入調査だった。
そこでレティシエルが目にしたのは、無辜の民の魔力を奪い、兵器の動力とする非道な行いだった。
かつて王女であったレティシエルは静かに怒りを燃やす。
必ずこの戦争を止めなければならない、と。
しかし帝国の企みすらも、レティシエルに忍び寄る悪意の序曲に過ぎなかった。
行方を眩ませたはずのサリーニャ。
千年前のレティシエルを知るサラと白の結社。
絡まり合う運命の糸は、すべてレティシエルへと繋がっている――
いや、やっぱり替えのきかない技術者、それも兵器の開発研究を担える人材をまとめて戦地に送って、至近でドンパチやっている所で働かせるって、相当頭おかしいんじゃないだろうか。
ちょっと聞いたことないですよ、そんなの。後方の安全な所でやるもんでしょうに。
タイムラグなしに兵器の改良が出来る、というのはそりゃ大きいかもしれませんけれど、大量に生産改良できるわけじゃないですし、落ち着いて作業とか出来ないでしょう。
実際、敵兵の浸透を許した挙げ句に被害を出しているわけですから。これ、なにげに取り返しがつかない被害受けてないですか? 
ジークが働いていたここだけではなく、なんだか戦場全体がなにやってるのかよくわからないんですよね。レティシエルがあっちこっち飛び回って火消しして回っているのはわかるんですけれど、どういう形で兵士たちって戦っているんだろう。槍を構えて戦列を形成して、というのではないのはわかるんですけれど、じゃあ散兵して散らばった兵士たちがどういう指揮の元に動いてるのか。指揮できてるの、これ? 小隊ごとに散らばった兵士たちを統制って出来るんだろうか。こんなに兵士たちバラバラに動いているのに、司令部の方で戦局把握しているみたいなんだけど、どうやってるんだろう。無線みたいなのないですよね。なんか全然戦場の様子がイメージできなくて、よくわかりませんでした。
ライオネル王子も冷酷な切れ者っぽく振る舞っているんですけれど、この人もやたらとリスク高い謀略ばっかり仕掛けておきながら、わりにリターン少ないような。開発部を前線に引っ張り出すのも、学園の生徒たちを囮にするのも、不必要なリスクにしか見えないんですよね。レティと価値基準が違うというよりも、単にリスク評価に失敗してるだけのようにも見えるのですけれど。
今後の王国内の不穏分子というか、レティに対するカウンターみたいな形で動いていくキャラになるんでしょうけれど、あんまり有能そうには見えないなあ。
レティはというと、ライオネルの指揮下に入っているせいか、お使いみたいにあっちこっちに派遣されるばかりで、主体的に動く余地がないというか。彼女自身は動き回っているにも関わらず、話の方は全然進んでない感じだったんですよね。
ジークが他国の王子だった、という話もあれ何の進展もないまま、ジークの心のうちに留められているままですし。
学園の学友たちとは、護衛という形で久々に再会叶いましたけれど、疎開という形で安全な場所に下がったわりにはなんかずっとバタバタしていて、落ち着いて話す暇もあんまりなかったですしね。ってか、疎開した先で襲撃って、ライオネル王子の目論見だったにしてもそれ命令したライオネルの責任問題とかならないんだろうか。
とかまあ、話進まないなあ、と思っていたら今戦地でドンパチ起こっている最中にレティシエルらが敵国の都市に潜入って、バタバタしすぎなような。いや、レティシエルもなんでこんな時にこんな事させられてるんだろう、と疑問に思ってるくらいだからやっぱりおかしいですよね。同行したルーカスとジークと共に潜入捜査、の際に諜報活動ということでジークに名前で呼んでもらうようになる、というラブコメとしては重要なイベントが起こっているはずなのですが、あんまり盛り上がらないというか、もっと盛り上がりなさいよ二人共w
そしてラストには急展開。ちょっと展開が強引と言うか唐突な気もするのですが、白の結社にしろサラという謎の人物にしろ、情報が少なすぎて謎ばかりなので何をシたいのか何をやっているのか、派手に動いているわりにさっぱりわからないんですけど。急展開は急展開なんだろうけれど、何が起こっているのかわからないと置いてけぼり感が半端ないのですが。
ちょっと今回は色々とわからないことがわからないまま置いてけぼりで進んでいった感が強くて、終始「??」が浮かんでいた気がします。
それにしても、サリーニャはあれで退場なんですか? いや、幾らなんでもサリーニャ本人はそれで良いのか、と言いたくなるあんまりな退場の仕方だったのですが。本人にとっては自分の罪が暴かれることが、自分の生死や名誉よりも大事だった、という事なんでしょうか。人間、追い詰められると手段と目的が入れ替わったり、価値基準がひっくり返ったり、となってしまう事がありますけれど、サリーニャのそれは視野狭窄の極みだったんじゃないでしょうか。
いや、正直ここまで引っ張っておきながら、こんな形で終わってしまうとは思わなかったんで、ちょっと呆気にとられてしまいました。