【Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05】  之 貫紀/ttl エンターブレイン

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ダンジョンの怪人・ファントム参上!!

記者会見にブートキャンプと、ますます注目を集めてしまった芳村と三好のDパワーズ。
遠ざかるスローライフに嘆く芳村、そんな彼を世間の目から遠ざけるため三好が提案したのは
怪人コスチュームに変装した探索者のお助けマン「ファントム」として活動をすることだった!

「始めてみたのはいいけれど……どうするんだよ、これ?!」

書き下ろしの追加エピソードも多数!!
理系チート探索者の攻略は止まらない!!
ちょっ、これ仮装にしても大惨事じゃないですか!? 見た目的にはオペラ座の怪人のファントムモチーフなんだろうけれど、絶体絶命のピンチに現れて相手の手元にビシっと何かを投げて獲物を取り落とさせながら颯爽と登場って、ほとんどタキシード仮面さま(セーラームーン)じゃないですか。
そしていざやるとなったら、わりとノリノリで台詞回しする芳村さん。いったいどんなキャラを志向してるんだろう。いやこれ一発キャラじゃなくて、今後もなんかあればこの格好して人前に出ないといけないんですぜ。キャラに凝れば凝るほど恥ずかしいのは自分である。
これを考案してやらせているのが、世界的にはワイズマンとして一世を風靡している三好ちゃんなのだから、世も末である。この娘がワイズマンと呼ばれる賢者なのは、まあ否定できないのですけれど賢いってなんだろうね、と色々と考えさせられる享楽っぷりである。毎日が楽しそうでいいですねえ。
それにしても、芳村も三好も二人共理系人間のくせに、感性任せに動きまくってますよねえ。ダンジョン探索ド素人の六条さんを本腰入れて育てる事にしたのも、なんかインスピレーションが働いたみたいな感じですし、今までも神相手に準備もなく勢いで戦ったり、突如出現した館に勢いで突撃したり……勢いで行動しすぎなんじゃないだろうか。立ち止まって熟慮熟考していたら、今みたいな事になっていなかったかもしれないですけれど、それにしても理屈じゃなく感性に従っている所が多々見受けられるのが面白いところでも在る。
これは三好ちゃんの方も似たようなもので、新たに召喚するニューアルスルズを好みだけで子犬形態にしてみたり、完全にピーキーなステータスのフリ方、ロマン系極振りにしてみたりと……これがワイズマンですよ、世間の皆様w
ただ、その勢いまがいですけれど、二人の方針がより具体的な探索者の育成、全体の底上げに向かったのは面白いことになりそう。六条さんみたいなド素人ですら、短期間で中堅以上の探索者でも難しい領域まで達する目論見が既に立っていたり、世界ランキングトップ層に対してもサイモンのチームに施しているブートキャンプで目に見えたステのアップが実現しているわけですしねえ。
今の所Dパワーズが有名なのはスキルオーブの扱いであって、各国の注目はそっち方面にまだ終始しているのだけれど、芳村と三好の二人を中心に巻き起こっているトレンドは既に次の段階に入っている感じで、直接関わりのあるサイモンや涼子さんたち、そして斎賀さんや鳴瀬さんあたり以外は周回遅れになりつつある気がする。
しかし、あのラーテルと吉田の二人はいっぺん痛い目見て欲しいなあ。二人共方向性は違うにしても、ダンジョンというものを見縊っているフシがありますし。はからずもこの両者から大迷惑を被るはめになったテンコー氏が色々と不憫である。吉田に対しては雇われている以上文句言い難い立場かもしれないけれど、あれだけ勝手されるとそろそろ契約違反で蹴っ飛ばしてもよさそうなものだけれど、テンコーさんも商売人だからなあ。でも、プロの傭兵相手に見事な動きを見せて、結構テンコーさん見直したというか、これでも名うての探索者というのは伊達じゃなかったのか。見縊ってました。

さて、この作品ではあんまり起きると予想していなかった、ダンジョンスタンピードの危機。いや、スタンピードというよりオーバーフローじゃないのこれは、むしろシステムの不備に見えるんだが。
いずれにしても、芳村も三好も今回の大事件にはがっつりと現場で働かざるを得なくなりそう。それとも再びファントムの出番なんだろうか。あれ、やればやるほど恥ずかしさが累積していくばかりの代物の気がするんだが大丈夫か?w