無敗での三冠達成後、昨年のジャパンカップでアーモンドアイに初めて敗北を喫してから一年。
この一年はコントレイルにとって苦杯をなめつづけた一年でありました。
といっても大阪杯で3着、天皇賞秋は2着と馬券圏内を外していた大負けをしたわけじゃないんですけどね。それでも三冠レース以降勝てなかったこと、下の世代であるエフフォーリアに負けてしまったこと。何より、今年に入って僅か2戦しか走れなかったこと。これらが要因となって、コントレイルが獲った三冠の格についても疑問符を浮かべる空気が漂っていたのも事実です。
これには、クラシックで競い合った同世代のライバルたちが、その後ろくに勝てていないというのも大きいのでしょうけれど。
個人的にコントレイルへの失望感を煽ってしまっていたのは勝ち負けよりも、レースにほとんど出走してこなかった事の方が大きいように思っています。そして止めに4歳での引退という最近では怪我以外では殆ど見たことのない早々の現役からの撤退。
コントレイルにとっては、ここは絶対に負けられない戦い、であったのは間違いないことだと思います。
ライバルは今年のダービー馬シャフリヤール。令和3年を席巻し続けた現3歳世代にてダービー馬として頂点に立った馬であります。最後の相手にとって不足なし。
他にも衰えたとはいえ、ワグネリアン、マカヒキという過去のダービー馬も参戦し、都合4世代のダービー馬が相まみえる、というレースになりました。
外国からも久々に3頭もの参戦がかない、フランスのサンクルー大賞(G1)を今年勝ちBCターフでも2着に入ったブルーム、日本という名前を背負った外国馬ジャパン、デムーロ弟を背にジャンロマネ賞(G1)を勝ったグランドグローリーというG1勝ち馬が揃って出走。
惜しむらくはカレンブーケドールが天皇賞秋の際に負った怪我がもとで出走を回避したことでしょう。残念ながら、思いの外怪我は深刻であったようで彼女はそのまま現役を引退。繁殖に回ることになりました。重賞未勝利ながら、オークス・秋華賞・ジャパンカップと同じ年にG1連続2着に入り、その後も重賞で2着。牝馬ながら天皇賞春で3着などG1戦線で最後の怪我した天皇賞秋を除いて掲示板を外すことのなかったカレンブーケドール。
いつかはG1を、と望まれながらついに重賞も勝つこと無くリステッド競争のスイートピーSを主な勝ち鞍として引退することになってしまいました。でもG1戦線を賑わせ続けた彼女の人気は凄かったですし、実力は決して引けを取るものではありませんでした。ほんと、なんとか一つG1を獲っていって欲しかった。最強の重賞未勝利馬でした。

さてレースの方は、出遅れながらも一気に加速して再びあの大逃げを打って見せたキセキによってレースは引っ張られることになります。
好位置につけたコントレイルは直線に入り、満を持してゴーサインでの一気の加速。前を行くシャフリヤールを競る間もなく蹴り落とし、追いすがるアルゼンチン共和国杯を連覇したルメールが乗るオーソリティを突き放し、堂々の王者の走りで2馬身きっちり差をつけての完勝。
万感の思いに涙する福永ジョッキーを背に、有終の美を飾ったのでありました。
まあ、文句なしの勝ち方でありました。だからこそ、もう一年彼の走る姿を見たかった。せめて、もう半年くらいは頑張ってほしかったなあ。