【転生したらスライムだった件 19】  伏瀬/みっつばー GCノベルズ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

勇者、胎動――

ミカエルの野望を阻止するため、
各所で激闘を繰り広げるリムルたちだったが、
フェルドウェイの策略により魔王レオンを奪われてしまう。
ミカエルの次の狙いは、宿主であったルドラの魂を持つ転移者の勇者マサユキ。
迎え撃つは、その場に居合わせた聖騎士ヒナタと原初のブラン、そして灼熱竜のヴェルグリンド。
そしてミカエルも自ら動き出し、状況はさらに混迷を深めていく……。
久々のヒナタ登場。面白いことに、リムルってヒナタ相手だけ妙に助平根性丸出しにするんですよね。助平根性とまで言ってしまうのは可哀想か。でも、スライムになって中性となり前世の男としての欲望なんかかなり削られてしまって、まあキャバクラで女の人達に囲まれてウハウハしてるくらいのアレはあるんだけれど、特定の個人に対しては殆どそういった男性的な側面を見せなくなっているのに、ヒナタに関してだけは妙に男っ気出すんですよね。
わりと真面目にリムルってヒナタのこと好きなんだろうか。シオンとシュナ相手だと大切にはしているんだけれど、ヒナタ相手みたいな態度は見せないんですよね。ヒナタも最近はけっこう満更じゃない様子も見せているのだけれど、生憎と仲が進展するようなゆっくりと話をするような余裕もないのが残念です。今回も、ミカエル陣営との戦いで折角のチャンスが不意になっちゃいましたからねえ。
しかしそれでも、ヒナタとあとクロエの二人は魔国の外の人間では段違いにヒロイン度高いですなあ。
とか思ってたら、ヒナタさんがマサユキのラッキースケベの餌食に。リムル居なくてよかったんじゃないだろうか。リムル居たらこれ結構マジにご立腹しそう。

これまで魔王に覚醒して以降、おおよそ危なげなく勝ってきたリムルだけれど、このミカエル陣営との戦いではついに今のリムルでは太刀打ち出来ない相手がミカエルとフェルドウェイと二人も登場して緊迫感が募ることに。
フェルドウェイってそんなに強かったんだ。相手がどんなスキルを持っていようと即座に解析してくれるシエルさんがいつも付いていてくれたので、リムルの戦いには危なげというものが殆どなかったのだけれど、フェルドウェイ戦ではそのシエルさんがすぐに答えを出せなくて一体フェルドウェイが何をシているのか分からなかったんですよね。相手の強さの要因が未知、というのはなるほど怖い。それだけ、シエルさんが今までどれだけ頼りになっていたか、という証左でもあるのでしょうけれど。
リムルの強さというのはイコール、シエルさん、とも言えるんですよね。これは誰よりもリムルが自認している所だとも思うのだけれど。それこそ大賢者の時代からずっと一緒に一心同体でやってきたわけですからねえ。シエルさんがどうにもならないなら、リムルだってどうにもならない、と。

でも、そういう絶体絶命のピンチ、リムルの力が及ばなかった、届かなかった、ステージが違った、という立ち位置だからこそ映える展開もあるわけで。
ミカエル戦ではまさにそれが見られたんですよね。クロエに助けて貰いつつも完全にミカエルに圧倒されていたリムルが、シエルさんの解析によっていつの間にか、それこそスライムみたいに音もなくぬるっと、ミカエルが気が付かないうちに相手の立っているステージにまで這い上がっていた。ずっと格下と見積もっていたリムルが、気がつけばあっという間に自分と同等のステージに立っていたと気づいたときのミカエルの愕然とした姿は、なかなかのカタルシスでありました。
さすシエルさん、である。
そう、それこそスキル「大賢者」のときからリムルと二人三脚でやってきたんですよ。スキル単体のミカエルに負けるわけにはいかないじゃないですか。
当然ラスボスだと思っていたミカエルがこの段階で脱落するとは思っていなかったので流石に予想外ではあったのですけれど、リムルとシエルさんのコンビ相手にミカエル一体という組み合わせなら、それこそ勝って然るべきだったのかもしれません。
でもそうするとラスボスは誰になるんだろう、順当に行くとフェルドウェイなんだけれどそれはそれで順当すぎる気もするし。

リムルがミカエルと戦う一方で、フェルドウェイたちに狙われたマサユキがこちらはこちらで輝く輝く。と言っても、これ見せ場は全部ルドラが持っていきましたよね。ルドラに関しては転生による摩耗とミカエルに喰われてしまった状態しか今まで見せていなかったので、勇者ルドラの真のかっこよさを見せてやるぜ、とばかりの見せ場でしたからねえ。これマサユキくん、ヴェルグリンドはこのルドラに惚れているのだからハードル高いよなあ。ただ、自己評価は高くないと言うか客観的なんだけれど、かといって劣等感抱いたりしないあたりがマサユキのいいところなんでしょうね。相当にご都合主義のスキルの所有者にも関わらず、それに振り回されず、効果を発揮しない状態でも身体張れるんだから、十分格好良いです。

しかし、カガリとティアが生き残っていたのはびっくりした。ユウキとラプラス、頑張ったのかー。