【賢者の弟子を名乗る賢者 4】  りゅうせんひろつぐ/藤ちょこ GCノベルズ

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九賢者の1人ソウルハウルの足取りを追うミラが次に向かった先は、深緑に眠る『天魔迷宮プライマルフォレスト』。
だがミラがそう素直に目的地にたどり着くはずもなかった。実はその森で不可思議な現象が起きていた。決してその場所では現れるハズがない、強力なモンスターが出没しているというのだ。
そのため、森で生活を営む狩人たちが、拠点から出られずに死を待つばかりという状態に陥っていた。
事件はそれだけではなかった。
精霊誘拐事件の犯人である「キメラクローゼン」が姿を現わしたのだ。そして対抗組織である「五十鈴連盟」との戦闘に巻き込まれるミラ。あっちこっちにと大忙しのミラは、本来の目的であるソウルハウルにたどり着くことはできるのか!?

アルフェイルくん、ミラのパンツ見すぎ!
ともあれ、少女の姿になって心の方もかなり女の子っぽくなってきているミラですけれど、人を教え導くということに関しては根っから好きなんでしょうね。ダンブルフという老人の賢者故のロールプレイではなく。惜しみなく知識を教え、良い所を見つければそれを伸ばし、折れそうになっている人を見かければ自分が前に出るのではなく、後ろから支えて自身の力で踏ん張らせる。
アルフェイルくんに術を見せてくれるように乞われ、さらにミラの実力を見抜いて戦って貰えないかと頼まれた際も、言われた以上にアルフェイルの戦いへの餓えを見抜き、停滞しかけていた彼をより伸びるように戦ってあげたのは、あれは教導者ならではの対応ですよねえ。
強力な魔物に襲われて破れ、砦に籠城する他なくなり、それも毎夜の襲来についに陥落させられそうになり、心折れかけていたハンターたちに対しても、自分が代わりに魔物を倒してしまうのではなく、召喚獣でタンク役と回復薬を引き受けて支援を万全にし、その上で彼らハンター自身の手で自分たちをボロボロにした相手を倒させることで、自信を取り戻させようという気遣いは、なかなか出来るもんじゃありません。
ダンブルフがその強さに畏怖される以上に、彼を知るものからは尊敬を受けていたのもこういう所だったんでしょうなあ。
それはそれとして、長時間ペガサスに乗って移動してたら股擦れして痛くなって、色々と姿勢を変えて我慢しながら苦しむミラさん、なんかもうかわいいです。
新たに仲間というかペットになったピュアラビットに煩さでは一番だろう召喚獣にケット・シーと小動物が揃うとこれまた絵面が可愛い、しかなくなるんですがどうしてくれる。
段々とミラ自身も自身の「可愛い」に余念がなくなってきて、衣装についても可愛い服に対して色々と興味を持つようになってきましたし、さらには身だしなみや美容に関しても女性冒険者から応用で使える魔術なんかを教えてもらったり、とかなり重要視するようになってきてるんですよね。
ここらへん、完全に心のほうが見た目相応の女の子の方へとガンガン傾いてきているんじゃないでしょうか。もう「わし、かわいい」に違和感がなくなってきたぞ。

それはさておき、ここしばらく精霊の消失案件で名前が取りざたされるようになってきたキメラクローゼンに、ミラもついに本格的に接触することに。
さらに、精霊が奪われ消えることで起こる悪影響が、目に見える形で現れはじめるのである。と、同時にキメラクローゼンと対立する組織も現れ、とここに来てガタガタと物語が動き出した感じがあります。ほぼ災害と言っても過言ではない形で精霊の消失によって悪影響が出だしたら、ソロモンも国王として黙っていられないですしね。さらにキメラクローゼンが目論む企みもだんだんと形が見えてきましたし。まあそれもわかってきたら、放っておけない対処が必要になってくるわなあ。
とはいえ、ミラとしては引き続き行方のわからない九賢者を見つけるためのおつかいクエストはしばらく続きそう。

しかし、本作は登場人物で特に悪いやつでない人たちはみんな好人物ばかりで、気持ちいいですねえ。別にみんながみんな善人、ってわけでもないんでしょうけれど、善人でも面倒くさかったり鬱陶しかったり独りよがりだったり言動が鼻についたり、と善であることと好人物だったり快男児だったりする事とはイコールじゃない。でも、本作でミラと出会う多くの人は、変態だったり変人だったりすっとぼけてたりもしますけれど、話していても心根に淀みを感じないですし、思わず笑顔がこぼれてしまうような気持ちの良い、さっぱりした人ばかりなので、その意味でもストレスフリーなんですなあ。

さて、次回は見た目も映える大陸鉄道編。なかなか見た目もインパクト強いド迫力の列車が出てくるみたいなので、鉄道の旅の醍醐味もあって楽しみ楽しみ。