【クラスのギャルが、なぜか俺の義妹と仲良くなった。 「今日もキミの家、行っていい?」】 佐波 彗／小森 くづゆ 富士見ファンタジア文庫
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ウチに入り浸るうち、いつの間にか彼女と恋人同士にーー!?
高校生の俺、名雲慎治には悩みがあった。家庭事情でやってきた義理の妹・紡希がよそよそしいのだ。距離が縮まらない2人暮らし。そんなある日、紡希が連れてきた「ネット友達」が状況を変える。それは、クラスで人気の美少女ギャル・高良井結愛!?
3人で過ごすうちに、心を開いていく紡希。さらに俺と結愛の距離も学校で、家で急接近!? 苦手だった結愛の優しさや寂しがりな素顔、家庭的な一面を俺だけが知っていく。
「私、名雲くんの通い妻みたいだね。そうなっていい?」「それいいよ! シンにぃ、3人で暮らそう!」いや、それはダメ……じゃないけど。
いっしょに帰宅して、いっしょに泊まって。結愛は俺の恋人、と紡希にも勘違いされて、なぜか嬉しそうな結愛。ウチに入り浸るたびに、その関係は次第に本物になっていくーー!?
ギャルと義妹。2人の女子との暖かくて甘い、アットホームいちゃラブコメ!
いやもうこれ好きじゃん！ ちょっとあからさまなくらい好き好きアピールしまくりじゃない！？ もう言動が完全に付き合いたての恋人同士のそれで、これでただの友達同士ですとか言われると「はぁ！？」とか本気で吠えてしまいそう。
しかし高良井結愛はいつの段階から慎治のことを好きになっていたんだろう。昼休みのたびに告白のために呼び出される状態から逃げ出すために、屋上前の踊り場でぼっち飯している慎治のもとに入り浸るようになった段階から、あんまり結愛の態度というか距離感は変わらないんですよね。言うたら最初からグイグイと慎治の懐に飛び込んでくるような態度だったのである。
だから、彼女が恋した瞬間、というのはよくわからない。強いて言えば、やっぱり慎治の家に通うようになってから。彼の義妹への不器用ながらも真摯な家族愛を語られてボロ泣きしてしまったときからだろうか。
まだはっきりと明かされていないものの、結愛には家族間の愛情というものへの憧憬が強くあるようですし。そのあたりが、同じく母を喪ってから寂しい思いを抱えていた紡希との共感にもつながっているのだろうけれど。だから紡希からすると結愛が家族同然の関係になってくれるのは大歓迎だし、結愛も慎治個人だけに傾倒するのではなく、慎治と紡希という義理ながら固く結びついている兄妹二人揃っての名雲家に惹かれているようにも見える。慎治の父が帰ってきた時の借りてきた猫のような不自然な態度からも、その傾向は伺える。あの時彼女は名雲の父を前に緊張していたのではなく、完成した名雲家の光景を前に自分の居場所というか置所を見失って固まってしまっていたんじゃないだろうか。
だからこそ、慎治の結愛が居てくれたからこそ、紡希の母が亡くなって以来ぎこちなかった雰囲気が拭われたのだという言葉が、彼女にとっての救いになったんじゃないだろうか。そういう意味でも、慎治から渡された合鍵は家族の一員として許された、という証拠になったんじゃないでしょうかね。果たして、慎治が思っている以上に結愛にとっては大きな出来事だったんじゃないだろうか。
しかし、これだけあからさまに露骨に好きであることを隠さない言動でグイグイ来ているにも関わらず、というかそれを満更でもないどころかすごくまともに受けてしまって自分も好きになっちゃっているにも関わらず、はっきりしない慎治はもうちょっとしゃきっとしろ、とイイたくなるところである。
いやもう、これ慎治の方がチョロいヒロインと言われても仕方ないくらい、グイグイ来られた分ドキドキして意識しちゃって、好きになっちゃってるんですよね。もうちょっと抵抗しろよ、と思うくらい押されたら押された分好感度ガンガンあげちゃってるしなあ、この男。
でもそうか、むしろこいつ、慎治の方をヒロインとして捉えたら彼のチョロさは理解できるんですよね。エピソード的にも結愛の方を主人公として捉えて、慎治の方をシスコンのチョロインとして見ると分かりやすいのかもしれない。そして、得てしてチョロインって面白いほど簡単に好感度があがるくせに決定的な一線は自分からは越えてこないところありますしね。グイグイ来られる側だからこそ自分から好きとは言わないし、チョロいからこそ簡単に好感度上がってしまうからこそ、相手が本当に自分のことを好きなのか自信を持てない部分があるし、相手から決定的な一言を待っているような節がある。当人はそんなつもりはないのかもしれないけれど。
いやもう結愛のあれらは好きって大声で叫んでるようなものじゃない、と言いたくなるかもしれないけれど、ほんとに実際好きって言葉ではっきり言ってもらえないと信じきれないのがヒロインというモノなんですよねえ。
結愛としてはどうしてほしいんだろう。女の子としてはやはり慎治の方から告白してほしいんだろうか。でも慎治ってあの調子だとずっとはっきりしない可能性もあるだけに、二人してヒロインムーブかましてしまうとなんか長引きそうな気配もあるんだよなあ。
しかし高良井結愛はいつの段階から慎治のことを好きになっていたんだろう。昼休みのたびに告白のために呼び出される状態から逃げ出すために、屋上前の踊り場でぼっち飯している慎治のもとに入り浸るようになった段階から、あんまり結愛の態度というか距離感は変わらないんですよね。言うたら最初からグイグイと慎治の懐に飛び込んでくるような態度だったのである。
だから、彼女が恋した瞬間、というのはよくわからない。強いて言えば、やっぱり慎治の家に通うようになってから。彼の義妹への不器用ながらも真摯な家族愛を語られてボロ泣きしてしまったときからだろうか。
まだはっきりと明かされていないものの、結愛には家族間の愛情というものへの憧憬が強くあるようですし。そのあたりが、同じく母を喪ってから寂しい思いを抱えていた紡希との共感にもつながっているのだろうけれど。だから紡希からすると結愛が家族同然の関係になってくれるのは大歓迎だし、結愛も慎治個人だけに傾倒するのではなく、慎治と紡希という義理ながら固く結びついている兄妹二人揃っての名雲家に惹かれているようにも見える。慎治の父が帰ってきた時の借りてきた猫のような不自然な態度からも、その傾向は伺える。あの時彼女は名雲の父を前に緊張していたのではなく、完成した名雲家の光景を前に自分の居場所というか置所を見失って固まってしまっていたんじゃないだろうか。
だからこそ、慎治の結愛が居てくれたからこそ、紡希の母が亡くなって以来ぎこちなかった雰囲気が拭われたのだという言葉が、彼女にとっての救いになったんじゃないだろうか。そういう意味でも、慎治から渡された合鍵は家族の一員として許された、という証拠になったんじゃないでしょうかね。果たして、慎治が思っている以上に結愛にとっては大きな出来事だったんじゃないだろうか。
しかし、これだけあからさまに露骨に好きであることを隠さない言動でグイグイ来ているにも関わらず、というかそれを満更でもないどころかすごくまともに受けてしまって自分も好きになっちゃっているにも関わらず、はっきりしない慎治はもうちょっとしゃきっとしろ、とイイたくなるところである。
いやもう、これ慎治の方がチョロいヒロインと言われても仕方ないくらい、グイグイ来られた分ドキドキして意識しちゃって、好きになっちゃってるんですよね。もうちょっと抵抗しろよ、と思うくらい押されたら押された分好感度ガンガンあげちゃってるしなあ、この男。
でもそうか、むしろこいつ、慎治の方をヒロインとして捉えたら彼のチョロさは理解できるんですよね。エピソード的にも結愛の方を主人公として捉えて、慎治の方をシスコンのチョロインとして見ると分かりやすいのかもしれない。そして、得てしてチョロインって面白いほど簡単に好感度があがるくせに決定的な一線は自分からは越えてこないところありますしね。グイグイ来られる側だからこそ自分から好きとは言わないし、チョロいからこそ簡単に好感度上がってしまうからこそ、相手が本当に自分のことを好きなのか自信を持てない部分があるし、相手から決定的な一言を待っているような節がある。当人はそんなつもりはないのかもしれないけれど。
いやもう結愛のあれらは好きって大声で叫んでるようなものじゃない、と言いたくなるかもしれないけれど、ほんとに実際好きって言葉ではっきり言ってもらえないと信じきれないのがヒロインというモノなんですよねえ。
結愛としてはどうしてほしいんだろう。女の子としてはやはり慎治の方から告白してほしいんだろうか。でも慎治ってあの調子だとずっとはっきりしない可能性もあるだけに、二人してヒロインムーブかましてしまうとなんか長引きそうな気配もあるんだよなあ。
