【デート・ア・ライブ アナザールート】  橘 公司・大森 藤ノ・志瑞祐・東出 祐一郎・羊太郎/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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さあ――豪華作家たちによる戦争(アンソロジー)を始めましょう

『デート・ア・ライブ』シリーズ10周年を記念した豪華アンソロジーがここに顕現!

羊太郎が描く十香のダイエット。
志瑞祐が描く七罪のレース勝負。
東出祐一郎が描くVRゲームで夢の対戦。
大森藤ノが描く六喰のトゥルールートと、人気作家たちによる特別な短編の数々!
そして原作者・橘公司が描くのは精霊たちが全員男性化した世界!?

魅力満載で必読なアナザー『デート』が集結。
さらに人気イラストレーター、森沢晴行、NOCO、はいむらきよたかの描き下ろしイラストも収録!
さあ――見たことのない特別な戦争を始めましょう。




【十香ダイエット】(羊太郎)

【ロクでなし魔術講師と禁忌教典】の羊太郎さんの作品。
十香太る!の巻。いや、精霊って太るんか? という以前に、十香くらいパクパク食ってたら普通にえらいことになるやろうに、今まで全然大丈夫だったということは精霊云々を抜きにしても十香って太らない体質なんじゃないだろうか、とか思っていたんだが。それ以上に、太ってショックを受ける十香がちゃんと女の子らしい情緒があって可愛らしかったのでした。
そして、体重を気にしている女の子に対して、やたらカロリーの高い料理ばかり作って食べさせようとする士道は鬼畜ですw めちゃめちゃ料理にハマってるな、士道。あの料理が楽しいというよりも十香をはじめとした精霊たちに食べて貰うのが嬉しくて色々と工夫をこらして全力で作っちゃうところも。いらない食べないと言われて、少し悲しそうな表情をよぎらえるところも士道あざとい! むしろヒロインかよ、というくらいあざとい!


【七罪レーシング】(志瑞祐)

【聖剣学院の魔剣使い】の志瑞祐さん。MF文庫Jでずっとやってきた人なので、富士見ファンタジア文庫ははじめてじゃないだろうか。
ミニ四駆って、今も新しいシリーズが出て売ってるんですね!? それでも全盛期って相当前でしょう、これ。自分の頃で確か最初のブームが起こったんだよなあ。
ちなみに、周りはえらいハマっていましたけれど、自分はああいう組み立てるの全然出来なかったので全くやりませんでした。
ミニ四駆って、操縦とかまったく出来ないので一度走らせたらこっちからは何も出来ないんですよね。ひたすら走って追いかけるのだけど、ゼンマイ駆動のチョロQじゃないので止まらないから、ほんとにひたすら追いかけないといけないんですよねw
本編でも七罪ちゃんが、追いかけられなくてへばっていらっしゃる。にしても、七罪の天使<贋造魔女(ハニエル)>って誰かに変身するだけじゃなくて、人をミニ四駆(作中ではマシン四駆)にするとかまで出来るんだ!? 器物に変身させる、とかは本編でもやってたような記憶はありますが、こういう発想はなかったなあ。七罪のために、自分がマシン四駆に変身して走る四糸乃はやっぱり七罪主人公のときはメインヒロインしてますなあ。


【精霊ブイアール】(東出祐一郎)

普段は狂三が主人公のスピンオフ【デート・ア・バレット】を書いている東出さん。さすがに、このアンソロジーでも狂三が主人公だとアレなのか、バレットの方では出ない士道・十香・四糸乃・七罪の四人がメインのお話に。って、十香はメインの貫禄としても、七罪と四糸乃が出番多いですね!? そして、やたらと締め切りに追われて出番ない二亜さんw 
精霊になって遊ぼう、なVRゲームを実際の精霊にやらせる、というのは如何なものか、とも思うんだけれど、普段と違う天使で遊ぶのはそれぞれの特色が出て面白いかもしれない。狂三バージョンの七罪と、反転十香の四糸乃のイラストは非常に眼福でありました。四糸乃、可愛すぎだろうあれ。
そして、狂三は登場しないけれどやっぱり狂三推しなのか、七罪が狂三に扮することで狂三の戦闘スタイルがやたらピーキーで難しいのを主張しまくってるw 確かに、他の精霊たちがほぼ一つの必殺技の力押しみたいな所があるのに対して、狂三だけそれぞれ弾丸に能力が付与されているという細かい設定がついていますもんねえ。精霊の中では一番器用で何でも出来る七罪をして、思わず悲鳴をあげるほどの能力の尖りっぷり。戦闘巧者としてはやはり狂三が頭一つ抜けているというのもわかるというものです。


【六喰トゥルールート】(大森藤ノ)

普段はGA文庫で書いてて、角川系列も初めてだったんじゃないかな。な【ダンまち】の大森藤ノさんが手掛けたのは、世界を滅ぼしてしまった六喰が後悔と共にもう一度デート・ア・ライブの歴史をやり直す、という六喰二周目トゥルールート。ってか、六喰さんってば十香が現れる前から介入するんかい!
良作揃いのこのアンソロジーの中でも、本作は文句なしに出色の出来でした。いやこれ、マジもんの六喰個別ルートのトゥルーエンドじゃないですか。よくまあ、短編にまとめたなあ、と驚いてしまうほどの濃密さとちゃんと話がキレイに起承転結している上で感動の結末である。精霊の面々の中での十香・四糸乃と並ぶ三大純真無垢な少女であった六喰が、傷つき後悔と悲嘆に塗れて否応なく大人になり、全てを見守る姉のように士道たちが傷つかないよう奮闘する姿はなんとも響くんですよね。
そうして皆を守って戦って戦って、ってか初見殺しでほとんどの巻を第一章くらいで終わらせつつ、戦って戦ってボロボロになっていく六喰が、自分の行いに報われながらも寂しく散っていくのを、ずっと見続けていた士道が……。とまあ、文句なしのこれ六喰のトゥルーだろ、って話になってるんですよね。ちょっと感動してしまうくらいの一作でした。
これ、他の娘たちの個別ルートも見てみたくなりますわ。


【士織ガールズサイド】(橘公司)

自分、知らんかったか忘れちゃってたんですが、エイプリルフールで性別反転ネタってやってたんですねえ。十香=十流はあれ天然ほんわかキャラよりも反転した時の傲慢俺様キャラの方がガールズサイドでは似合うかもしれない。そして安定の変態鬼畜の折紙さん。って、名前鳶一折遠でオリオンって読むって凄い名前だな! オリオンさん、女性の時ですらもうこれ事案だろ、という変態行為の数々だったのに、男でやるともう普通で速攻逮捕案件なんじゃないですかね? 全員男化のワチャワチャした展開で、オリオン個人に特にスポットがあたってなかったのが幸いしたかもしれません。
そして一人だけ特に名前が変わってない時崎狂三くん。狂三と書いてきょうぞうと読む。くるみなんて読めるはずがない、って自分で書くんかい作者さま!w
シリーズ最初の頃、狂三のことをどうしてもクルミとは読めなくて、キョウゾウ、キョウゾウ、と呼んでたのを思い出してしまいました。デートの三巻のサブタイトルが公表されたとき、本気で「!!???」ってなったんですよ? 「狂三(きょうぞう)キラー」ってなんぞ!? え?なに?どういうキャラなの? 凄い名前過ぎて意味わからん!? てなりましたもんねえ。
見た目的には、四糸乃の男性化である四糸希が男の子なのに可愛すぎて、この子女の子のときからまったく可愛さが減じていない!?
そして、士織んが筋肉フェチだとは知らんかった。この娘、けっこう業が深い、深いぞ。
イラストもやたらと気合の入った男性の裸体がw 令音さん、男化してもちゃんとひと目で令音さんだ、とわかるデザインはこれ凄いなあ。
ラストに、あの最終兵器彼氏が登場。短編集でもこのネタチラッとありましたけれど、何気に士織とのベストカップルって、彼以上の人はいないんですよねえ。業が深いw


今回はデート・ア・ライブの十周年記念本ということで、もう十年になるのですか。集められた作家さんたちもベテラン揃いの剛の者ばかりで、クオリティの高い良作揃いの大変満足度の高いアンソロジーとなっておりました。その中でも繰り返しになりますが、六喰トゥルーはよかったですわあ。ああいうの、ほんと好きです。
あと、イラストのつなこさん、普段の本編もさることながら、色んなはっちゃけた話が幾つもあるこうした短編集とかアンソロとなると、普段に増してバリエーション多彩なイラストが見れて、満足でありました。この人の絵もほんと好きですわー。