【魔界帰りの劣等能力者 8.入家の大祭】  たすろう/かる HJ文庫

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瑞穂を巡るバトルトーナメント開幕!!
新ヒロインも登場!?

闇夜之豹との戦いを終えた祐人は、夏休みに入り、瑞穂や神獣たちと海へ旅行に来ていた。
しかし、突如として瑞穂の母・朱音が一つの依頼を持ち込んでくる。それは瑞穂の婚約者を決めるバトルトーナメント“入家の大祭"への参加で――

「朱音さんには申し訳ないけどこの大祭は……僕がぶっ潰すよ」

瑞穂を守るため祐人は、世界屈指の実力者たちとの戦いに自らその身を投じていく!!
新たな妹ヒロイン二人に振り回されながら、最弱劣等の魔神殺しがその力を世界に見せつける第8弾!!


……あれ!? 前巻の確認をしようと思って感想記事探したら、7巻の感想がないんですけど!?
書いてない!? 内容の方はちゃんと覚えているので読んだのは間違いないのですけれど。読書メーターへの記録を忘れていたのか。これはしまったなあ。
流石に7巻を読んでから時間が経ちすぎているので、ちょっとこれはすぐには書けないなあ。
とりま、今巻の感想を優先しましょう。

一昔前のジャンプ漫画みたいな、武闘大会の開幕である。賞品、といいますか祭典の目的が瑞穂の婚約者、お婿さんを決めるためというアレな内容なのですが。
更に言うと、大会自体が瑞穂の母親の朱音さんによる釣りであり、お眼鏡にかなった祐人を一本釣りするための策略だったわけですが、その撒き餌に引っかかって集まってきた有象無象の中には結構とんでもない面々も揃ってしまっていたわけで。さすがに朱音さんも想定外だったんじゃないだろうか。
とまあバトルトーナメントなんですが、楽しいです。いやあ、素でワクワクしてしまった。武闘会形式ってベタで使い古されているからこそ、難易度あがっていると思うのですけれど魅せ方というか盛り上げ方がやっぱりうまいですわ。王道を使いこなせる人って、強いよなあと思うんですよね。
しかし、家の事情で自分の意思ではなく婿が決められてしまうという仕来りに義憤を感じで、祭りをぶっ潰す目的で参加した祐人ですが(そうやって義憤を抱かせて彼を表舞台に引きずり出して堂々と優勝させて公にも瑞穂に相応しい男性だと知らしめた上で、祐人も逃げられないように絡め取る、という朱音さんの策略だったので、もろにまんまと引っかかっているわけですが)、一人の女性の婚約者を決める戦いに挑んでしかも勝つつもりでいながら、この男、決勝当日の午後に決まった合コンに参加するのに必死である。必死どころか、もはや婚活の覚悟である。ここで将来のお嫁さんを探すつもりまであるくらい。……いや、あなたその前に瑞穂の婚約者になるための大会にめっちゃ出てるじゃないですか。婚約者って意味わかってます? いや、わかってるからこそ勇んで参加したはずなんだが。
それだけ、自分の男性としての自己評価が低い、ということでもあるんですよねえ。いや、だからこそ一悟もそんな祐人に一つのきっかけを与えるために、そして彼女の周りの女性陣にもう少しちゃんと接してあげなさいというお灸を据えるために合コンを企画したわけだが。
段々と、本気で合コンが命懸けになってきているのを察しながらも、祐人のために危険を承知で敢行しようとする一悟、マジ親友である。
いや、マジで親友なんですよねえ、一悟。なんなら、今の祐人のメンタルを一番理解しているのって彼なんじゃないだろうか。祐人に今いるヒロインたちとは別に誰か想い人がいるんじゃないか、と察した事も含めて。彼の危なっかしい考え方に気づいていて、それとなくフォローしたり周りとのヒロインとの関係だって面白がりながらも、上手くいくように何くれとなく動いてくれてますもんねえ。
その上でまず女性陣よりも祐人の味方として身体張ってくれているわけですし、めちゃくちゃイイやつなんだよなあ。生来の能力故かそもそも忘却しなかった茉莉を除けば、一悟が一番真っ先に自力で消去されていた祐人の存在を思い出したの、忘れていませんよ。
なかなかこういうバトルもので、術師でも異能者でもない本気で何の力も持っていない一般人にも関わらず、これだけ物語の中核で存在感を示し続ける友人キャラってなかなか居ないですよ、存在しないですよ。未だに祐人が一番気を許しているのって、一悟ですしねえ。時々、女性陣が割って入れないくらい、年頃の少年同士の気のおけない空間を形成して、ヒロインたちを羨ましがらせたりしてますし。BL野郎とか言われるにも若干仕方ないぞw
いやでも、本当にめちゃくちゃ友だち甲斐のあるやつで、彼が居るからこそ祐人も年相応で居られるところもあると思うので、欠かせない逸材なんだよなあ。
また、彼に限らずガストンをはじめとして男性陣がいい味出してる作品でもあるんですよね。ヒロインの人数はわりと多めだと思うんだけど(今巻でも新しい妹キャラが二人登場してますし)、彼女らに存在感が負けていない男連中がけっこう居ますからねえ。止水先生も今回は登場しませんでしたけれど、前巻の番外編でいきなり日常パートでキャラ立ちまくってましたから、再登場が待ち望まれるところです。今回のお兄様に金髪イケメン少年も含めて、トーナメント参加者も主だった面々みんなキャラ立っていたので、本格的に本性や心底が見えてくるだろう次回のトーナメント本番は大変楽しみです。そして、合コンは本気で命懸けになるんだろうかw