今月上半期のピックアップ記事がこちらです。

以下に今月下半期の新刊から、注目作品を。




【煤まみれの騎士 1】 美浜ヨシヒコ(電撃の新文芸)

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どこかに届くまで、この剣を振り続ける──魔力なき男が世界に抗う英雄譚!

知勇ともに優れた神童・ロルフは、十五歳の時に誰もが神から授かるはずの魔力を授からなかった。
彼の恵まれた人生は一転、男爵家を廃嫡、さらには幼馴染のエミリーとの婚約までも破棄され、騎士団では"煤まみれ"と罵られる地獄の日々が始まる。
しかし、それでもロルフは悲観せず、ただひたすら剣を振り続けた。
そうして磨き上げた剣技と膨大な知識、そして不屈の精神によって、彼は襲い掛かる様々な苦難を乗り越えていく──!
騎士とは何か。正しさとは何か。守るべきものとは何か。そして彼がやがて行き着く未来とは──。
神に棄てられた男の峻烈な生き様を描く、壮大な物語がいま始まる。
あらすじからも、なかなか本格的なハードコア路線と思しき熱のこもった文章で語られているのが印象的。
壮大、と自ら銘打つのですから、それこそ壮大な大河ロマンを期待してもいいんですよね?


【悪逆大戦 地獄の王位簒奪者は罪人と踊る】 綾里けいし(MF文庫J)

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あらゆる「悪」を引き連れて、地獄の王位を奪い取る――。

地獄に堕ちた魂を救済するにはどうすればいいのだろうか?
罪もなく奈落の底まで堕とされた少女・櫻。その行方を追い、かつて地上へと逃げ出した俊は地獄へ舞い戻ることを決意する。
命がけで地獄の王の七番目の子、美しき怠惰の姫・ネロのもとへ行き助力を乞う。
しかし、地獄の最下層に送られた亡者の判決は、地獄の王以外には覆せないと聞かされ……。

「ならば、俺が王になる!」

伝説上の名だたる悪人を「駒」として従え、少年は戦う。悪人同士の熾烈な決闘――王位継承戦を勝ち抜く、ダークファンタジー。
邪神も魔王も重罪人も、どんな「悪」だろうと従えてみせる。すべてはアイツの魂を救うために――。
まーた悪そうな顔だなあ!
【異世界拷問姫】の壮烈なストーリーを描ききった綾里さんの次なる作品は、古今東西の並み居る悪を従えて、その頂点に立とうという少年の物語。Fateシリーズを筆頭に、歴史上神話上の存在を従えて相争う戦争形式、というのは多かれど、敢えて「悪」たる存在に限定して、となるとその取扱も含めて最大に難易度高そうなだけに今まであまり見たことがなかったタイプなのだけれど、それ故に実に面白そう。ソソる。
あいも変わらず濃厚極まるダークファンタジーの書き手たる作者だけれど、とことん闇を描くと同時にそんな闇を照らし出す光と愛と希望の書き手でもあるだけに、後味の悪いことにはならないと信じてもいます。

【魔王と勇者の戦いの裏で 1〜ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です〜】 涼樹悠樹(オーバーラップ文庫)

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内政、防衛戦、戦後の後始末――勇者(とも)と違う、俺の戦場。
伝説の裏側で奮闘するモブキャラの本格戦記ファンタジー、此処に開幕。

いずれ魔王と勇者の戦いが世界の命運を決める。
そんなRPGゲームの世界へ転生したことを思い出した貴族の子息ヴェルナーは、本来名前も出ずに死を迎えるモブ。
理由は魔王軍による王都襲撃だろう。
そう判断したヴェルナーは悲劇を回避するため、前世の知識と知恵を総動員して生き残る術を模索する。
ゲームの知識で己を鍛え、勇者マゼルと親友になり……迎えたゲーム開始イベント『魔物暴走(スタンピード)』。
勇者(しんゆう)のいない戦場で、誰も気付かなかった魔物の狙いを阻止し獅子奮迅の活躍を見せたヴェルナーは、ゲームの歴史をも変えることに――!?
伝説の裏側で奮闘するモブキャラの本格戦記ファンタジー、此処に開幕。
前線で戦う勇者たちが、文字通り戦えるのは後方で支える人たちがいるから。それは軍政家のお仕事であり、兵站屋のお仕事であり、留守居役のお仕事である。決して派手ではなく地味なお仕事だけれど、戦争の根幹を担う大黒柱はまさにここだ。ここさえ折れなければ、健在であれば決して負けない屋台骨。そんな裏方にスポットを当ててのお話というのだから、おもしろそうじゃないですか。