ゼレンスキーは如く語りき。

歴史的な出来事だけに、これは生で見ないととライブ中継を見ていました。
正直に言うと、やっぱり同時通訳はもどかしかったですね。ゼレンスキー大統領が何を語っているのかを正確に知りたい、という気持ちが膨らむなかで、掻い摘んでの即興での通訳は彼の語っている内容をどこまで訳してくれているのかがわからず、もどかしかった。
とはいえウクライナ語と日本語とのダイレクトな同時通訳ですからね。そもそも、同時通訳って喋ってる人の話を聞きながらそれを訳して話さないといけないわけで、自分が話している最中も演説している人は話しているのですから、ただ通訳出来るというレベルどころじゃない技能が必要なのは理解出来ますし、意図を正確に伝えなくてはいけない国家レベルのイベントでの通訳ですから、そりゃもう大変だなあ、と思わずこっちまで力入ってしまいました。
実際、同時通訳としては非常に高いレベルのお仕事だった、と各所で絶賛評価されているようでしたし。ウクライナ大使館の方だったそうですけれど、ほんとお疲れ様でした。

ともあれ、何を喋っているのかわからないながらも、ゼレンスキー大統領の生声の方に思わず意識が集中してしまうほど、聞き入ってしまう語り口だったんですよね。
日本の政治家でこれほど聞き入らせる語りが出来る人って、どれほどいるんだろう。
内容の方はどちらかというと無難なものだったな、とも思うのですけれど、ある意味日本という国に現実的に求められる最大限を引き出せる内容でもあったと思うんですよね。これを聞いたら、難民支援にも復興支援にも、日本にできる最大限を出し惜しみ無く出したいと思っちゃいますよ。復興支援なら任せろ、という感じで。褒められると嬉しくなっちゃうこの国なのだ。そういう意味でも、ウクライナにとっても日本にとっても、一番得となる形で方向性をまとめたリアリズムを感じさせる内容でもありました。こういう配慮やリスペクトを感じさせる内容で訴えかけられるとうちら弱いんですよね。いつも、外交的に無神経な物言いされることが多いだけに。
まさに日本の国情に合わせて考え抜かれた演説に思えました。正直、日本って欧州やアメリカと比べると色んな意味で遠いだけに、もうちょい大雑把な感じになるかもと思っていただけに、この手の抜かなさはゼレンスキー及び政権スタッフの強靭さを感じさせるものでした。
今現在、世界の世論のイニシアチブを握る男だけあるよなあ。

そして、この段階で戦後を語るのか。復興という未来を語るのか。それを語ることの出来るところまで来た、と思いたい。ウクライナという国が滅びず、その未来に希望があらんことを。