【望まぬ不死の冒険者 2】 丘野優/ じゃいあん オーバーラップノベルス

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不死者、怪物タラスクに挑む

スケルトンから『存在進化』を果たし、グールを経て「屍鬼」へと至ったレント。
次なる目標は――銅級冒険者。
同じ冒険者であるライズ、ローラの二人組とパーティーを組んだレントは、長年の知恵と魔物の特性を武器に昇格試験へ挑む。
試験を終えたレントは、なぜか受付嬢のシェイラに呼び止められてしまい……。
真実を迫るシェイラに対して、レントはついに覚悟を決める。
その話の最中、頻発する冒険者行方不明事件の犯人として疑いを持たれていると知ったレントは、迷宮には潜らず、孤児院の依頼を受けることに。
――依頼は、薬に使われる《竜血花》の採取。
竜血花の生息地は怪物タラスクの縄張り《タラスクの沼》。
危険極まりない所にレントは一計を案じて脅威を回避しつつ、採取へ向かうが……!?
強大な魔物と戦い、多くの謎を暴き、そして強くなる。
死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第2弾――!


ファミリーネームだけ変えて、改めて冒険者登録って最初からあんまり隠す気ないでしょう、これ。
しかも名乗ったファミリーネームが、ロレーヌと同じヴィヴィエである。一緒に暮らしているまで暴露しちゃっているので、これってもうレントの事気づいている人たちからすると、もしかして身を固めましたか? 婿入りしちゃいましたか!? とか思われても仕方ないんじゃないだろうか。
少なくともロレーヌはそういう発想に至ってしまったが故に「ぶふぉあ!?」などと奇声を発するはめになったのだが。

さても、もう一度一から冒険者をすることになったレントだけれど、既に能力としては初心者の域は超えているので早々に鉄級から銅級への昇格試験を受けることに。
ってこれ、受付のシェイラさん、ほぼレントの事気づいているが故の措置でもあるのでしょう。だとすると、彼の銅級の実地試験のパートナーにライズとローラの若手コンビを宛てがったのは、この二人の若手のことを相当に買ってたが故なんでしょうね。有望株だからこそ、レントにつけておけばまず間違いなく合格するし、単に合格するだけじゃなくレントと一緒に行動することで様々な知見、経験を得ることになるだろう事は、これまでのレントの成してきた事を思えば確実でしょうから。
この男、ほんと教導者としては現段階でピカイチである。いちいち丁寧に冒険者の心得を若者たちに仕込んでいく様子は、それが天職なんじゃないの? とすら思えてくる。
これ見てたら、少なくない数の冒険者が色々とレントの指導を受けた教え子的な側面を備えてるんじゃないだろうか。
また、率先して報酬がわずかしか出ない孤児院からの依頼を受けたり、とこれも前々からやってたんだろうなあ。彼に限らずこの街では余裕のある冒険者の奉仕活動といった感じでこの手の報酬の少ない依頼もわりと塩漬けにならずにこなされている節もあるけれど、これを見ると誰が先鞭をつけたのかは丸わかりである。
いやもうこれ、ギルドや街に対しての貢献度が現段階で既に神級に到達してやいませんかね!?
単に腕っぷしだけの高レベル冒険者なんかよりも、ギルドはレントの方を重宝していたんじゃないだろうか。生前(?)から冒険者の等級が高くない割に懐は寂しくないどころか結構余裕はあったみたいな話もしているけれど、これギルド側からも結構色つけてたんじゃなかろうか。

まあ何にせよ、少なくない人がレントの正体にはもうとっくに気がついているのは明らかだったのだけれど、さすがにアンデットになってしまったとまでは想像してる人はいないんだろうな。ありえない事態でもあるわけだし。なので、大方バレているとわかってはいても、レントからするとそうそう事情を明らかにするわけにもいかないのも納得。
その上で、踏み込んできたギルドの受付のシェイラに打ち明けたのは、彼女がかなり覚悟を決めてきたという理由があったにしても、まあお人好しだなあ、と。
とはいえ、ギルド側に事情を知っている人がいて便宜をはかってくれる事は彼の身の上からするとありがたいなんてものじゃないでしょうし、いずれは信頼できる誰かに打ち明けることは必要だったのでしょうから、わりと早い段階で協力者が出来たというのはまあ良かったんじゃないかと。

さて、冒険なのか人助け行脚なのか判別のしにくいクエストを続けていくレント。タラスク戦なんて、もう銅級とか銀級のレベルを既に超えている気もするのだけれど、あれはアンデットになって毒無効になってた相性故のジャイアントキリングというべきか。それでも一般的な冒険者の範疇を超えだしたなあ。
何気に偶然血を与えて下僕になってしまった小鼠が、支配下に置いた小動物とは思えない主人ナメてるいい性格していて、結構いいキャラしてるんじゃないだろうか。好き。
あと、毎回カラー口絵で巨大モンスターと相対しているシーンを、絵画風に描いているんですけれど、これ雰囲気あっていいですよねえ。なんか好き。