【ウマ娘 シンデレラグレイ 5】   久住 太陽/杉浦理史 ヤングジャンプコミックス

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開幕、天皇賞(秋)!! 中央“最強”のタマモクロスに挑む、芦毛の“怪物”オグリキャップ。日本中が注目する歴史的一戦を制するのは、“最強”か“怪物”か、果たして──…。


白い稲妻ぁぁ!!

芦毛が走らないと言われた時代に、雌雄を決する事になった芦毛の二頭、タマモクロスとオグリキャップ。走るレースは天皇賞・秋。東京2000メートル。
ここで本来は追い込みを中心としたレース運びをしてきたタマモが、まさかの先行策で二番手に。
今回のレースって、視点としてはオグリよりもむしろタマの方が主人公なんですよね。主人公のはずのオグリは、終始後方からラスボスか、と言わんばかりのプレッシャーを放って周囲を、そして先を行くタマモクロスを威圧し震え上がらせる。
背後から覆い潰すかのような漆黒のオーラ、そしてギラギラに輝く眼だけが光り輝く黒塗りの相貌。どこが芦毛だ、と言わんばかりの真っ黒な迫力は、まさに怪物。
しかし、残り100メートル。限界に達したタマモクロスはその果てを突き抜ける。限界を超えた向こう側にたどり着いた者だけに与えられる資格。
領域(ゾーン)と呼ばれる己自身も知らない限界の先の先。
この【白い稲妻】の描写は素晴らしいなあ。タマモクロスの代名詞である、「風か光か」を体現したかのような。


続いて、描かれるのはクラシックの最後の一冠菊花賞。
アプリでは、トレーナーに対してバブ味を感じさせるママさんウマ娘といった風情のスーパークリークですけれど、このシングレだとちょっと違うんでよね。
担当トレーナーが武豊、ならぬ奈瀬文乃という若い女性の天才と謳われるトレーナーなんですが、むしろ成績が振るわないクリークに、自信を与え目標を指し示し支え導く頼もしいトレーナーなんですよね。これ、奈瀬トレーナーは王子様で、クリークがお姫様という構図だよなあ。
そうか、彼女クリークもまたこの舞台においては、一人のシンデレラだったのか。
壊れやすいガラスの脚に、そっと靴を履かせる奈瀬トレーナーの場面はこう……甘い痺れがある良いシーンでしたねえ。
ヤエノムテキは、このレースでは惨敗。漫画だと着順ははっきり描かれてないっぽいけれど、10着に終わっちゃうんですよね。皐月賞のイメージ強いから、ヤエノって中距離馬という印象がつきまとってどうしても長距離は苦手だったんじゃないかな、と思ってしまうのだけれど、何気に次走では有馬記念と同じ2500メートルの鳴尾記念に出走して勝っているあたり、この子の意地を感じさせてくれますなあ。

さあ、次は海外馬を招いての世界的な祭典ジャパンカップ。この時代は、世界中から日本にトップクラスの一流どころが集まってくるお祭りだったんですよねえ。
先頭を切って来日したトニビアンカさん、のちのエアグルーヴのパパであるw