【クプルムの花嫁 1】  namo ハルタコミックス

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寡黙な職人×金髪ギャルのイチャラブ婚約生活、始まります!

高校を卒業したてのギャル・しいなは
突然こんな言葉を鎚起銅器職人の彼氏・修(しゅう)に投げかけられた。

「結婚しないか――?」

血痕? いやいや、結婚です。
超うれしいけど、彼の家は職人一家!?!?
仕事とか歴史とかよくわからないけど、
大好きな彼のためにうまくやります! やってみせます!
愛のパワーとギャルの力で全部のりきるもんね~♪

新潟県・燕三条地域を舞台に繰り広げられる、
職人とギャルの、ちぐはぐだけどラブラブ婚約生活をお楽しみに!




ああいいなあ、これはめちゃくちゃイイなあ。

幼馴染で恋人という最初から深い関係ではじまる二人。鎚起銅器職人という、銅を金槌で叩き続けて一枚の銅板を薬缶やコップなど、一つの形へと形成していく伝統工芸の職人を継ぐ修と、現代大学一年生でギャルをやってるしいなのカップル。
まだ二十歳にもならない二人だけれど、修からの求婚で……まだ結婚は早いけれど婚約という形で将来を約束することになる。
それは、夫婦になるということ。近い将来、家族になるということ。幼馴染から恋人へ、というだけでも多いな躍進だけれど、そこからさらに夫婦である。それだけでも一大事なんだけれど、それだけでは済まないのは修の家が、職人の家だ、ということなんですよね。
一般家庭ではなく、職人の家に嫁ぐことになる。職人の嫁になる、それをしいなは強く意識することになる。
事故で両親を喪っている修の家には、怖い爺ちゃん婆ちゃんがいて、しいなは小さい頃からいつも怒られていて苦手意識もたっぷりだ。
多分、この爺ちゃん婆ちゃんが苦手で修の家に入り浸るという事はしていなかったんでしょうね。暇さえあれば金槌を叩いていた修の背中をずっと見てきたしいなだけれど、実は鎚起のことはなんにも知らないし彼のお仕事に関する知識は皆無に近い。
そう思えば、彼のことが好き、というだけではなかなか高いハードルだったりするんですよね。でも、自分なんかに勤まるんだろうか、なんて悩みながらも、彼女は職人のお嫁さんになるために頑張りだすのである。
このあたり、恋人であるというだけではない、幼馴染として小さい頃からずっと修のことを見続けたが故の理解と強さが、しいなの意思のブレなさというか足腰の強さに繋がってるんですよね。
ギャルらしくどこか浮ついた物腰の彼女だけれど、お婆ちゃんにお小言くらう事も多いけれど、この娘がずっと小さい頃から修のことを支え続けてきたんですよね。
無愛想で感情を表に出さない不器用な人間の修だけれど、色々進路の事など悩むことも多かったでしょう。職人として遥か上に居て手本であり師ともなるはずだった父を事故で突然なくし、その事実をどう捉えていいかわからなかった時に、固まってしまった彼の魂を柔らかく温めたのもしいなの心の温度だったんですよね。
没頭するほど、うちに入り込むほど冷たくなっていく修の背中を銅に例え、そんな銅を形を変えるために熱する炎を、しいなに例えた二人の関係には胸を打たれました。
この娘は、修の心が冷え固まっていくときを見逃さないんですよね。もうとっくにお似合いの夫婦を通り越して、比翼の鳥じゃないですか。
なので、結婚とか婚約は全然早くは見えないんだよなあ。クプルムとはラテン語で銅を意味するんだそうだ。そんなクプルムの花嫁はもう彼女しかあり得ないんだろう。
もちろん、嫁として修と一緒に生きていくために、色々と勉強すること修行も必要なんだろうけれど。そこは厳しく同じ立場だった婆ちゃんが仕込んでくれるんだろう。意外と番頭として適性あるみたいな話もありましたし。
しかし、コミュ力低そうに見えて爺ちゃんも修も、女性を見る目は確かだし狙いを定めたら一気呵成というのは、血筋を感じるなあ。ってか、高校生の段階でちゃんと恋人として捕まえているあたり、この男侮れんw