【望まぬ不死の冒険者 4】 丘野優/ じゃいあん オーバーラップノベルス

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不死者、天敵(ヴァンパイア・ハンター)に遭遇する。

吸血鬼の血液を飲み、下級吸血鬼へと進化した、不死者であり冒険者のレント。
オークションにかけられるはずのタラスクは、顧客の一人から、討伐した冒険者と面通しする条件をつけられ、一時的に売買停止となってしまう。
金銭の工面を迫られたレントは、弟子であるアリゼの武具素材を自身で取りに行くことに。
眷属のエーデルと共に《新月の迷宮》へ向かったレントは、森魔狼、蜥蜴人など多数の魔物を倒し、地亜竜の待つボス部屋に辿り着くが、そこへ伝説クラスの魔物が姿を現して……!?
その折、商談の場となるステノ商会を、聖女と金級の吸血鬼狩りが訪れようとしていた。
二人は新人冒険者の失踪事件に吸血鬼の影を感じ、都市マルトへやって来たのだった。
――とある冒険者が、吸血鬼ではないかとの疑いを持って。
強大な魔物と戦い、多くの謎を暴き、そして強くなる。
死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第4弾――!

なんかレントさん、口からエクトプラズムみたいなの吐いてるけれど、大丈夫ですか!?みたいな表紙です。
実際はこれ、ニヴの聖炎を浴びて身体ポカポカ疑似温泉気分に浸っているシーンなのか。ニヴの手に生み出されている白い炎を同じエフェクトですもんね。どう考えてもレントがヤバい感じの吐息を吐き出しているようにしか見えないけど。

前回、ロベリア教の聖女ミュリアスが街に来訪してきたシーンがあったので、聖女の浄化を何らかの形で食らって偉いことになりそうだなあ、とは想像していたんですが、いざ遭遇してみるとむしろミュリアスよりもヤバい著名な吸血鬼ハンターが一緒についてきてしまいました。
偶然じゃなくて、明らかにレントを狙い撃ちに、彼を吸血鬼だと判断しての接触でしたからね。不死者の天敵であろう浄化のプロである聖女さまに加えて、吸血鬼を専門に狩るハンターのコンビである。しかも、事前の準備も何もなくレントからすると不意打ちの対面である。
状況的に、完全に詰んでるんですよね。いやこれホントにどうするの!? と、混乱する読者のこっち側とは裏腹に、やばいこれどうしよう正体バレてる? バレてる? 詰んだかな? などと焦っているようで妙に余裕ぶっこいてるレントさん。この男、追い詰められても本気で焦らないというかユーモアを失わないというか、本人は本気で焦ったり慌てふためいたりヤバいと危機感を抱いているつもりなんだろうけれど、端から見るとなんか開き直っているような大らかに構えているような感じなんですよね、色んな意味で鈍いんじゃないだろうかこの人w
ともあれ、レント本人は意図せず、聖女と吸血鬼ハンターの吸血鬼判定を次々とクリアしてしまう。吸血鬼なら確実にダメージを受ける攻撃を食らっても、むしろ自身の聖気が活性化して良い心地になるくらい。
……レントさん、あんた実は吸血鬼じゃないだろうw
下級の吸血鬼種のはずなのに平気で日中出歩いているわ、肝心の吸血もほとんど必要としていないわ、と何気に吸血鬼としての特徴ほとんど引き継いでいないんじゃないか。肌の色が普通の人より白かったり、背中にコウモリの羽が生えてたりするくらいで。いやまあそれだけでも十分常人とは異なっているのですけれど。
でも吸血鬼なら絶対にダメージくらいだろう聖なる浄化の効果をもろに浴びながら全然ダメージも何にもないって、それもうアンデットと言えるのだろうか。
じゃあ何者だよ、と問われるともうさっぱりわからないのだけれど。レント自身が知るはずもないですしね。果たしてレントはいったいどこに向かって進化していっているんだろう。レント本人からすると神銀級の冒険者になるためだったら、それ以外についてはあまり気にしないよ、というスタンスなんですが、もうちょっと気にした方がイイんじゃないだろうか。

ともあれ、ニヴさんがこの街を訪れたのは、近隣で吸血鬼の動向が確認されたから、という話ですから、これはレント以外の吸血鬼が存在しているということなんですよね。近々本物の吸血鬼が見られそうですけれど。って、既にこの街には以前から在住していらっしゃるそれらしい人達もいるのですけれど。
しばらくはニヴも現地で独自に捜索を進めるみたいだけれど、完全に巻き込まれているミュリアスさんがもうお可哀そうに案件でw ニヴ・マリスって自由人で思いっきり他人を振り回すっぽいタイプだもんなあ。一方でミュリアスは苦労性タイプ。宗教人なのに自身の宗教に対して内心で斜に構えた考え持っている人なんだけれど、だからこそ現実主義者っぽいんですよね。同時に現状に逆らわずに流れに身を任せるタイプでもあるだけに、現状と現実のすり合わせに結局自分自身が苦労気苦労を背負ってしまうパターンの人っぽいんだよなあ。色んな意味でご愁傷さまである。


さて、吸血鬼案件はさておくとして、喫緊の課題はレントとロレーヌの弟子になったアリゼへの指導、そのための教材とか装備品の準備である。先生ってのはただ教えるだけじゃなくて、教わる側の支度も手伝ってあげないといけませんものね。って、本来ならそういうのは弟子とか生徒側が自分で準備するもんなんだろうけれど……いや、生徒ならともかく弟子となると師匠が面倒みるのが当然か。そんなアリゼのための装備品や必要な道具器具類を作るために必要な素材を、もうウキウキと自分で集めにいくレントさん。……そんなに弟子できたの嬉しかったのか、この男。
前回ロレーヌにアリゼを取られそうになって指くわえていたもんなあ、この男。それにしてもはしゃぎすぎだろう、というくらい嬉々として素材集めにダンジョン探し回ってるんですよね。弟子アリゼの方より師匠たちの方が楽しみで仕方ないって風情なんですがw
しかし、その前にレント自身のルーツを探ることになりそう。結局、アンデットにも関わらず聖気を有していてそれでダメージを負わない、って事が今のところ最大の不可解な点ですもんね。