殆どの牝馬にとっては初めてとなる2400メートルという距離。微妙なんですよね、この距離。みんな初めてだからこそ、本来は1600や2000メートルが適距離かな、という馬でも時期的なものもあってか何とか持ってしまうこともあり、またどうしても距離の壁に突き当たることもある。
去年はソダシがこの壁に跳ね返されてしまいました。今年はさてどうなるでしょう。

桜花賞ではまあ伏兵と言っていいでしょう7番人気の「スターズオンアース」がウォーターナビレラを捉えて一冠目を奪い取りました。初めての重賞勝ちが桜花賞でした。
この勢いでオークスも、と言いたいところですが、鞍上の川田騎手が乗り替わり。まあ元々主戦騎手ではなく、桜花賞のときが初めての騎乗となるテン乗りだったんですよね。さらに今回はルメール騎手が乗るということで、乗り替わりのダメージは最小限で済むんじゃないでしょうか。ただ、今年ルメール騎手は勝ち星こそ稼いでいるものの、JRAではG1どころか重賞を一つも勝っていないという異常事態なのですが。おまけに、枠が大外枠の18番に。過去十年3着以内に入っていない枠であります。8枠は勝ち星こそないものの、2着3着はあるのですが。
ドゥラメンテ産駒ということで、距離は十分。母方の妹、つまり叔母に5年前のこのオークスを勝ったソウルスターリングがいるので血統は大丈夫なんですが。

桜花賞2着の「ウォーターナビレラ」は逆に最内の1枠1番。最高の仕上げだった桜花賞。武豊も勝利への確信が一番あったレースだったんじゃないでしょうか。それが、悔しい2着でしたからね。
このオークスは距離も伸びることで、さてどうなんでしょう。シルバーステート産駒はウォーターナビレラが第一世代だったかな。彼女が産駒では出世頭なんですよね。シルバーステート自体ディープ産駒ですし、スタミナは大丈夫とは思うんですけれど。でも最内はねえ。先週先々週と最内を走った馬がもう一つ脚が伸びなかったという光景を見てしまっているので、ちょっと不安であります。ナビレラ自身、前に行く馬ですしねえ。
鞍上武豊と、調教師武幸四郎という兄弟コンビによるクラシック制覇。まだまだチャンスはあると思いますが。

2番は「スタニングローズ」。お婆ちゃんがローズバドですよ、ローズバド。オークス秋華賞エリザベス女王杯と同年でこれらのレースを全部2着入った名牝です。そしてかの有名な薔薇一族。叔父さんにはあのローズキングダムも居る血統です。日本競馬界でも有数の高貴なる一族ですなあ。今なおこうやってクラシックに一族送り込んでくるんですから、すげえ血族ですよ。
フラワーカップから桜花賞には出走せずに直接ここに。鞍上は短期で出稼ぎに来ているレーン騎手。
ただレーン騎手、今回の来日ではあんまり調子よろしくないので、その分割引いて考えないといけないかも。

3番は「アートハウス」。まだ重賞走ったことなくて、忘れな草賞(L)からの初G1挑戦という馬なのに、前日人気2番人気ですよ!? ちょっとこれは人気しすぎじゃね? と、思うのですけれど、新馬戦から3戦、ずっと2000メートルで走ってきたという実績と、鞍上にわざわざ川田騎手が桜花賞馬から降りてこっち乗った、というのが大きく響いているように思います。
またこの馬を選んだ理由が心憎いんですよ。アートハウスの母馬はパールコード。重賞勝利こそなかったものの、オークストライアルのフローラSで2着。また秋華賞で2着。その後も牝馬重賞で人気集めた牝馬でありました。覚えている人も多いんじゃないかな。なんで中山牝馬の次ダート行ったんだ!?! いやまあ、それはいいとして。この馬の主戦騎手がこの川田くんだったんですよね。母馬で果たせなかったクラシック制覇を、子で果たす。その心意気でこちらを選んだとのこと。正直川田騎手には思う所色々あるのですけれど、こういう所は素直にかっこいいと思いますよ。おのれ……。
また人気集めているの、忘れな草賞の強い勝ち方見て、というのも大きいのかな。なんかスクリーンヒーロー産駒にたまに出てくるやたら大物感ある馬にある雰囲気みたいなのがあるんですよねえ。



6番に2歳牝馬チャンピオン。阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬の「サークルオブライフ」が入りました。桜花賞では大外8枠という厳しい枠順もあってか、4着。でも33.3の上がり3Fは出走馬の中で最速でしたから、一番の差し脚使ってたんですよね。今回は6番というなかなかいい位置に入ったので、チャンスも大きいんじゃないでしょうか。前日人気ではこの馬が一番人気に来ていますし。
母父は最近、馬も駄目にするクッションで思いっきりクッションを枕にして横たわって寝る動画で評判を博しているアドマイヤジャパン。このオークスを制しているブエナビスタの兄弟でもあります。


8番に入ったのが桜花賞で1番人気だった「ナミュール」。ただ桜花賞、後方からの競馬となっていいところなく10着だったのが響いたのか、人気を落としているようです。前日で4番人気。まあ進路が塞がれたところもあったので、厳しい競馬だった気がします。鞍上の横山武史が今年に入ってG1ではちょっとうまく乗れていないので、そこらへんが心配かしら。気性も難しいみたいですしね。


個人的にお気に入りなのが9番の「エリカヴィータ」。いや、名前がいいじゃないですか。エリカエリカ。気が強そうなメインヒロインになれそうな名前じゃないですか。
前走はオークストライアルのフローラS。東京コースのこれを快勝。鞍上が福永ジョッキーというのも好材料ですね。この馬主さん、牝馬にはエリカの冠名を、牡馬にはジャスティンの冠名をつけているみたいで、今後エリカの名前つけた馬が重賞戦線何頭も出てくるかもしれませんね。

11番に「ベルクレスタ」。10番人気の穴馬なんですけれど、桜花賞で展開不利だった後方からぶっ飛んできたのが、サークルオブライフとピンハイ、そしてこのベルクレスタだったんですよね。差し有利のこのオークスでは見逃せない脚でした。鞍上は今年も乗ってる吉田隼人。アルテミスSではサークルオブライフの2着に入っていて、東京コースでは両方重賞ながら馬券圏内に入っているというのも、注目でしょうか。クイーンCでも進路無いところを自らこじ開けて突っ込んできてますからね。姉にかつてヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリードが居ます……母方はマイルまでっぽい感じもあるんだけど。父ドゥラメンテでなんとか。

12番「ライラック」。福永乗っての桜花賞は密かに穴狙いだったんですが、出遅れで終了しました。調子もあんまり、みたいだったですしねえ。フェアリーステークスでは、桜花賞を勝ったスターズオンアースに勝っているだけに、実力はあるはず。鞍上は乗ってる横山和生。

15番「ピンハイ」。桜花賞は5着でしたけれど、出走馬の中でも存在感はピカ一でした。見てても、何この馬? なんて馬!? ピンハイ!? と、すごく目につきましたからね。上がりはサークルオブライフに続く2位。チューリップ賞でもナミュールの2着に入っていて、突っ込んでくる迫力は素晴らしいものがあります。レースに対して真面目というか、気合入っているというか。ミッキーアイル産駒なんですね。ミッキーアイル産駒って、こういう真面目にレースに取り組む馬多いのかな。母父ジャングルポケットと、血統的にもロマンある馬ですね。そして、やたらちっさい馬でもあります。前走は406キロ。小さいこと自体はかまわないのですけれど、新馬戦からずっと体重落とし続けてるのは気になるところでありますが。

16番「プレサージュリフト」。完全に後方からの追い込み馬であります。勝つ時はすげえ脚で飛んでくるんですけどね。前走桜花賞は最後方からの競馬。ゲートもうまくないというのもあるのかな。
ただハマると東京コースではえらいレースしそうな気配もあるんですよね。東京のクイーンCでは粘るスターズオンアースを猛追の末の差し切っての勝利でしたし。

17番「ニシノラブウインク」。最近ウマ娘関連でも有名なニシノ、セイウンの馬主である西山 茂行さんの持ち馬です。今年もオークス、ダービー両方に持ち馬送り込んでるんだから、凄い人だなあ。
フラワーC2着でなんとか出走圏内に滑り込みましたが、人気は15番人気。大外枠というのも響いていると思われます。


実力人気馬が勝つことの多いオークスですけれど、3着位内に人気薄が一頭飛び込んでくるのもまたこのオークスなんですよね。
しかも、この際の人気薄馬は後々実力馬として活躍することも珍しくない。
9番人気で勝ったメイショウマンボ。
あのカレンブーケドールも2着でしたが、このとき12番人気。
日経賞やオールカマーを勝つウインマリリンも7番人気。
今回人気無い馬でも、将来第一線で活躍し続ける馬がいるかもしれません。そういった意味でも、楽しみなレースです。