ぐわーーっ、熱い、熱いレース。激烈に熱いレースでありました。
観客6万人という大観衆が見守るなかで繰り広げられた日本ダービー。やはりこれだけの大観衆がいると、空気が震えます。地面が揺れます。世界がどよめく。雰囲気が全然違うわーー。

そんな中で勝ったのは千両役者武豊。前人未到のダービー6勝目。ドウデュースはナリタブライアン以来の朝日杯勝ってダービーも勝った馬になりました。
強い。文句なしに強かった! 





皐月賞では出遅れてしまったデシエルトが、今回はスタートを決めて予定通りに逃げを打つ。それを見る形でアスクビクターモアが2番手につけ、ピースオブエイト、ビーアストニッシド、ロードレゼルという先行勢が付ける、というほぼほぼ紛れのない予定通り予想通りの展開でした。
ただタイムが1000メートル58.9秒というなかなかのハイペースだった事が予想外か、いや予想通りか。デシエルト、やっぱりかっ飛ばす逃げ馬だったようです。しかしこれでだれた展開にならず、ビシッと引き締まったレースになりました。
ルメール、武豊は後方でじっくり脚をためる競馬を選択。この作戦が見事に決まりましたね。
直線で抜群の手応えを見せて、ドウデュースが他のどの馬よりもワンテンポ早く反応して一気に飛び出し、ヨレてきたアスクビクターモアに進路を邪魔されるという若干の不利があったものの、これを躱して後方から一気に駆け上がってくるイクイノックスをクビ差押さえて、文句なしの完勝でした。
うん、強い。

イクイノックスも常に外を周りながらのメンバー最速での上がり時計を決めての2着。この馬は皐月賞に続いて負けてさらに強し、という競馬を見せてくれますねえ。どうしても勝ちきれない、という競馬じゃなく、貫禄を感じさせてくれる2着なあたり、これビワハヤヒデを思わせてくれる姿です。
これは菊花賞が楽しみですわ。

3着は先行2番手からついに最後まで譲らずのアスクビクターモア。アスクビクターモアの想定していた理想的な展開。前に馬を置いての2番手追走、という形で競馬を進められたものの、かなりのハイペースとなってどうなる事かと思ったのですが、最後の直線外にヨレたもののその後持ち直して後ろから伸びてくるダノンベルーガをついに抜かせず、押さえつけ、粘りに粘っての3着。
デシエルトが距離の長さもあったのでしょうけれど15着に撃沈し、他の先行勢も軒並みバテ果てて壊滅したなかで、唯一前に残ってみせた競馬は期待以上に強さを見せつけてくれたんじゃないでしょうか。これは、今後も期待できそう。重賞をいくつも、G1だって狙える馬になりそうです。

4着はダノンベルーガ。こちらは逆に、アスクビクターモアを躱せなかったあたりがちょっと苦しいですね。馬群に包まれての競馬となりましたけれど、前が塞がるような厳しい状況ではありませんでしたし、確かに伸びてきてはいるのですけれど、全メンバーの中でも究極仕上げだった状態からすると今ひとつという伸び方でありました。本当に強かったら、あそこからもう一回もう二回、グイグイっと伸びるのが名馬と呼ばれる馬たちですからねえ。
マイナス10キロというギリギリまで絞り上げた仕上げは、メンタルの余裕も奪っていたのかもしれません。そんなにチャカ付いた様子までは見せてなかったんですけどね。発汗も目立っていましたけれど、先週のオークスでの牝馬たちに比べたら全然マシな状態だったと思うのですけれど、それでも大事な何かが一つ二つ欠け落ちてしまったのかもしれませんね。
果たして、今後もう一度立て直せるのか。ここまで仕上げて勝てなかったとなると、ちょっと不安が立ち込めます。

5着は青葉賞勝ったプラダリアがわりと前目に位置取りながらもジワリジワリと足を伸ばして掲示板まで駆け込みました。青葉賞のあの鋭さはないように見えるけれど最後まで途切れずに伸び続ける脚色が印象的でしたけれど、この馬どんなシチュエーションでも絶対に無様な競馬はしなさそうなんですよね。常に最後まで伸びてくる競馬をしそう。常に勝ち負けになるかはわかりませんけれど、常に掲示板はまず外さないって馬になりそう。

6着にはキラーアビリティ。
ちょっと仕掛けが遅すぎましたね。直線入ってからの反応速度で、スッと前に仕掛けていったイクイノックスと比べて、この馬は加速しだすのがかなり遅かったように見えます。武史くん、ビシビシ鞭叩いてるんですけどね。スピードに乗ってからは大外から内にいた馬を軒並みぶっ差してゴールしましたけれど、うむむ。それでも皐月賞の体たらくはある程度解消できたんじゃないでしょうか。
次のレースの様子次第だなあ。

7着にはジオグリフ。位置取りはダノンベルーガとほぼ並んでの直線突入となりましたけれど、そこから苦しかったです。これはシンプルにスタミナかなあ。2000までが限界。2400はちょっと長いのかもしれません。レース自体、なかなか息を入れさせてくれない厳しいレースになりましたし、この着順は仕方ないでしょう。今後はマイルから中距離路線に進むんでしょうか。その距離なら、ガンガン行けそう。

8着はオニャンコポン。あー、ちょっと前開かなかったですね。一番行きたいときに前にズラッと壁が並んでしまった感があります。前が空いても伸びたかはわかりませんけれど、加速のテンポが1つ2つ遅れてしまったのは間違いないでしょうね。それでも掲示板乗るか乗らないかくらいかなあ。まだもうちょい力不足ですかね。

勝ったドウデュース。大観衆の大歓声を横目に、ウイニングランというかウイニングウォークでスタンド前の外柵沿いを表情も変えずにひょいひょいと歩いている様子は、武さんの言う通り飄々としていてなんとも涼しげでありました。あの熱戦を勝った馬とは思えない、うんスマートでかっこいい馬じゃないですか。
馬主は武豊の大ファンとして名高いオーナーで、キーファーズとして初のダービーを武豊を擁して勝ったわけで。感無量でありましょう。今後は、まず間違いなく凱旋門に向かうでしょうね。
秋がまた、楽しみです。