あっ、直前で一番人気シュネルマイスターからイルーシヴパンサーに変わってたのか。

事前の評判はやはりシュネルマイスターでした。最強の4歳世代のNHKマイルC勝利馬。去年の安田記念こそダノンキングリー、グランアレグリアの3着でしたが、次の毎日王冠でダノンキングリーに勝利して復仇を果たし、マイルチャンピオンシップではグランアレグリアの2着。ドバイでは8着と負けてしまったものの、短距離無双のグランアレグリアが引退した以上、現役最強マイラーの名を関する筆頭候補はやはりこのシュネルマイスターと見られていました。

ところが、調教が公開されたあたりからかなりみんな首を傾げだしたんですよね。
超太め残り、調教もバタバタで評価する人も少なく、これ海外遠征戻ってから調子戻っていないんじゃないかという評価が飛び交ったわけです。
実際、これだけ片っ端からみんながみんな、これあかんのちゃうんか!? と言ってるのはあんまり見たことないくらいで、ほんとによっぽど調子も良くなく仕上がりも悪かったんじゃないでしょうか。

おかげで時間が経つに連れて人気倍率は下がっていき、最終的に1番人気をイルーシヴパンサーに譲ったのもその辺の評価が影響したのでしょう。

かわりに一番人気になったイルーシヴパンサーは、4連勝で東京新聞杯を勝っている新星でした。ただその東京新聞杯が2月6日の開催で、春のマイル戦線は一線もしていなかったのです。そのレースでファインルージュを破っている事から決して裏道街道ってわけじゃなかったんですけれど、それでも一線級とまだちゃんと走っていない、レース期間が開いているということから新勢力で注目はされてましたけれど、当初はここまで人気ではなかったと思うんですよね。
ところがシュネルの不調と、それに比べてパンサーがかなり充実した調教内容だったみたいで、その出来、仕上がりの比較から相対的にイルーシヴパンサーの評価が上がっていった、という感じです。

もう一つの有力勢力として、ヴィクトリアマイルからのローテ組がありましたが。これ、データ的に見ると非常に複勝率高い前哨戦だったんですけれど……詳しく見ると、このローテで来たアーモンドアイとグランアレグリアが圧倒的一番人気ながら2着に負けている、というレースでもあるんですよね。中2週という過酷なローテでもあるんですよね。あのリスグラシューですら、掲示板外に負けてしまっています。
ってかヴィクトリアM組の連対率高いの、アエロリットが二年連続2着に入ったからだろ、あれ。
ヴィクトリアM組は好走しやすいと見るべきか、圧倒的実力馬ですら2着に負けてしまうローテと見るべきか。見方によって難しい判断だったんですよね。まあアーモンドアイに関しては破ったのグランアレグリアという対戦相手の妙もあるのですが。

今回はファインルージュ、ソングライン、レシステンシアと名うての3頭がヴィクトリアMローテで安田記念に挑戦でありました。
秋華賞、東京新聞杯、ヴィクトリアMと3連続2着中のファインルージュが3番人気。先週ダービーを勝利した武豊鞍上というのも理由としては影響したでしょう。
4番人気にはソングライン。前走ヴィクトリアMでは5着に破れてしまいましたが、その前は海外サウジで快勝して名を挙げた馬でした。前走5着だったのでもっと人気下がると思ったんですけれど、思いの外評価高いままだったんですよね。この馬のポテンシャルを見込んでいた人が多かったという事なのでしょう。

5番人気には唯一の3歳馬。朝日杯2着。NHKマイルC4着と、現クラシック世代の中でマイル戦線を突っ走っているセリフォスがあがりました。ただ3歳馬はこの安田記念では苦戦中。にも関わらず5番人気というのはだいぶ評価されてたってことじゃないでしょうか。NHKマイルCは一番人気でもありましたしね。

6番人気には4連勝でマイラーズカップを制した上がり馬のソウルラッシュ。ただ、マイラーズC組は全般的に人気は低かった気がします。最近あんまりレート高くないのかなあ、マイラーズC。浜中ジョッキーのお手馬で、応援していたのですが。

他にはダートはフェブラリーステークスを勝ったカフェファラオがなんでかこの芝のG1の方に参戦。このカフェファラオ。前にも函館記念に参戦したり、と芝に色気を出しているのですけれど、なんでだ? オーナーの意向? 調教師の挑戦? 

また高松宮記念組もけっこう参戦していますけれど、これも総じて距離長いんじゃないの? という評価なのか人気は低かったですね。ただその中で唯一サリオスが、むしろ高松宮記念は距離短かったんじゃないの? という感じだったのでむしろマイルより長い方が適距離で陣営も本腰を入れていた気がします。


結果は……ソングライン優勝!!



前走で色々キツい競馬になってしまったの、池添騎手よっぽど悔しい想いしてたみたいですね。かなり心中期するものがあったみたいで、めっちゃ気合入ってました。めちゃくちゃ嬉しそうだったなあ。
管理する林調教師、これがG1初タイトルなのか。おめでとうございます。

今日は東京競馬場、結局雨振らず良馬場となりましたけれど、どうも前目決着が多かったみたいで。
後ろからだと届きにくいかな、と思っていたのですけれど、なんのなんの。最終的に後方に居た馬がツッコんできました。

ただ直線の真ん中あたりまでは2番手につけていたダノンザキッドがいい感じに先頭立ったんですよね。ところが、そっから全然伸びない。1000メートル58.8くらいだったからペースとしては速いくらいだったはずなんですけど、結果としてよーいどんになったんですかね、これ。
後ろに居た馬、軒並み32秒台で差してきてるんで、これはダノンザキッド突き抜けられませんわ。
ただあれだけベストのポディション取りしてあの展開で突き抜けられないとなると、今後も苦しいかなあ。仕上がりもかなりベストな感じだったみたいですし。細江さんイチオシでしたよw
結局ダノンザキッドはファインルージュにもかわされて6着。
ファインルージュは先行組が軒並み置き去りにされた中で一頭だけじわじわと最後まで伸びての5着ですから、相当馬場悪いところ走らされたにも関わらず、でもありますしね。決して悪い競馬ではなかったかと。

勝ったソングラインは直線で大外に持ち出して、気持ちよく外側を走れましたね。最大のパフォーマンスを発揮できるレース展開を、池添騎手が導けたということでしょう。

2着には内側から馬群を割って飛び込んできたシュネルマイスター。あれだけ調子悪いは太いわ、挙げ句直線では馬群に塞がれるわしながら、最後ルートが開いたのを見計らってグイグイ伸びての2着であります。いや、これは強いわ。本調子とは程遠かったにも関わらず、これだけの競馬見せられたら強いとしか言いようがないですわ。もし調子が本来のものだったら、あと何馬身かグイグイと伸びそうな勢いでしたもんね。

3着にはサリオス。久々にサリオス複勝圏内ですよ。いや前前走香港マイルで3着入ってますが。
22キロ減、と凄まじく体重落としてきてこれはどうなの!? という所だったのですが、528キロは限界まで絞った日本ダービーと同じ馬体重。それ以降は538キロあたりをウロウロしていて、去年くれから540キロ台。前走高松宮記念では550キロまで大きくなっていた馬体。さすがに大きすぎたという事なんでしょうか。少なくとももう一回530キロ台で抑えとくべきなのかもしれないなあ。距離もこれ、スプリントはやはり論外。マイルから中距離路線に戻ってほしいですね。あと、サリオスにはやはりレーン騎手が合う模様。


4着にはセリフォス。ソグンラインの更に後ろ、更に外からの強襲で4着まで駆け上がりました。3歳でなおかつあの位置取りからの差し脚での4着は立派。今年はまず重賞タイトル一つ取って足場にしてほしいものです。

1番人気だったイルーシヴパンサーは、うん流石に位置取りが最後方では後ろ過ぎましたね。8着でした。ただ上がり時計は7着で同じような位置に居たエアロロノアと同じ32.6の1位の鬼脚を見せてるんですよね。この2頭は展開次第ということになってしまうのかな。展開さえハマればあっさり勝ってしまう実力はありそうなので、難しいですねえ。

前走高松宮記念記念を勝ったナランフレグ。ずっとスプリント戦を走ってきてこれが芝マイル初めてというレースだったのですが、この馬も最高峰から一気の追い込みで良い脚を見せてくれました。おもったよりも距離大丈夫だったかな。今回のは展開ですねえ。ただ、やっぱり1200〜1400がベストではあるんでしょう。

レシステンシアは11着。距離はまあともかくとしても、レース間隔短かったのはしんどかったですね。高松宮記念・ヴィクトリアM・安田記念という過酷なローテーションでしたしね。

ソウルラッシュは自分の競馬出来なかったかなあ。前が壁になって無理に斜行してしまったり、と実力出しきれないレースになってしまわれたと思います。13着は負けすぎですけど、1着から0.6秒差と考えるとタイム的にもそこまで悪いものではないかもしれません。ともあれ、次走ですね。

芝挑戦のカフェファラオは残念ながら17着。直線前目のいい位置につけたんですけどね、やっぱり芝では集中力を欠いたみたいで、ダート路線でいいんじゃないかな。


結局、またも1番人気が勝てずに今年に入ってG1は1番人気が全滅中という珍しいことになってます。
ソングラインはNHKマイルCの2着。そしてサウジでの海外重賞勝利がフロックでない事を証明できてホッとしたところでしょう。とは言え、まだまだシュネルマイスター健在なので、最強マイラー対決は秋へと続く……。