【異世界と繋がりましたが、向かう目的は戦争です 1】  ニーナローズ/ 吠L HJ文庫

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地球VS.異世界。 魔術VS.魔法! !

突如異世界と繋がるゲートが出現し、異世界側からの侵略によって壊滅的なダメージを受けた地球。
科学の粋を集めた攻撃も無効化されあわや滅びるかと思われた地球側だが、異世界の魔法を分析し、科学と融合させた「科学魔術」を生み出すことによってなんとか異世界人を押し返し、つかの間の均衡を手にした。
「科学魔術」を持つ地球側の軍人である少年・物部星名(もののべ ほしな)は、南極に出現した難攻不落の城塞の攻略を命じられ――。
地球VS.異世界、魔術VS.魔法! 超迫力異能バトルファンタジー!

この科学魔法って、どこらへんが科学なんだろう? なんか普通に異能というか固有能力で科学的なアプローチの結果生み出されたロジカルな技術って感じではないんだよなあ。超能力開発によって生み出された能力、という類のとも毛色が違っているし。

地球VS異世界、という構図はやっぱり燃えるものがあります。魔法世界と科学世界との対立構図とも言うべきですか。地球の星の外にも手を伸ばし衛星にすら手が届く科学技術が、果たして異世界の魔法文明と張り合えるのか。異種格闘戦みたいな唆る要素があるんですよね、こういう異世界VS地球というスタイルには。
まあそういう観点からも、あらすじではっきりと異世界と地球が戦争している、という文言には惹かれるものがあったんですけどね。結構この手の作品はどっちかの世界に戦闘力が偏っていて一方的に蹂躙されたあとからの話のスタートになる事が多かったですから。なかなか、戦線が拮抗しているという構図は見当たらないんですよね。
本作は珍しくそれに当たるのかと思ったのですが……いや、これもわりと異世界側に蹂躙されてるぽいなあ。普通の現代兵器はさっぱり通用していないみたいで、通常の軍隊はろくに役に立ってないみたいで地球側の人口は激減……という風に語られているけれど、実際地球側の社会がどうなっているのか具体的な描写が見当たらないので、なんかよくわからないのだけれど。
話の内容も、あくまで科学魔法を習得した強力な戦闘員が、向こうからの攻撃を迎撃したりこっちから異世界側に乗り込んでいって攻撃したり、という感じであくまで個々の戦闘員が個人で戦っている戦闘シーンばっかりなんですねえ……あんまり戦争じゃないなあ。
主人公の星名を含めたワールドクラスと呼ばれる最上級戦闘員は、殆どフリーハンドを与えられてるみたいで、個人で行動しているやつばっかりだし。
てか、星名の能力って制限付きかもしれないけれど、やろうと思ったら際限なく攻撃範囲広げられるんですから、戦略兵器どころじゃないんですけど。いやいや、これだけの訳の分からない力持っているワールドクラスが何人もいるにも関わらず、地球側敗色濃厚なの? なんで負けてるの?

それを上回るくらい異世界側の戦力や戦闘力が強いのかというと……いや、よくわかんないんですけど。
地球側に攻め込んできている異世界ですけれど……この異世界って実際どんな世界なのか全然わかんないんですよね。星名たち、実際に現地に潜入しているんですけれど、社会体制とかどんな目的があるのかとかどんな人間たちがいるのか、なんか具体的な描写が全然ないんですよ。実際訪れた土地の様子も、戦った騎士とかいう連中のことも、とにかく情報が全然ない。読んでいるこっちに全然与えてくれないんですよね。
一体、彼らはどんな敵と戦っているの? 未知の敵と不毛な戦いを延々繰り広げている、というのならそれはそれで苦闘しているイメージが湧いてくるのですけれど、なんか空気相手に戦っているみたいなスカスカ感で、んんんん? 手応えみたいなのがさっぱりないんですよね。
とか思ってたら、なんか異世界サイドの人間とも違う第3勢力の個人が出てきて、一人で引っ掻き回し始めたし。いや、ほんと何と戦ってるんだろう。異世界側の人間と一人知り合いになったわけですけれど、彼の事情も彼がどんな立ち位置に異世界側であるのかも、ある程度説明はしてくれているものの、異世界側の社会情勢とか国家群の様子とかさっぱり描かれていないので、説明されても曖昧模糊として結局どういう立ち位置なのかよくわからなかったし。

こうして見ると、とにかく星名とか主要な人物の能力の設定こそ詰めているものの、それ以外の世界観が全然描写足りないんですよね。その上で物語の構成も描写不足の上であっちいったりこっちいったり定まらないので、とにかく中途半端な印象でした。
加えて、肝心のヒロインが全然存在感無いんですよ。主人公と過去になにかあったみたいなんですけど、それについてもさっぱり触れてくれないし、あんまり戦闘にも物語にも関わってこないし。
うーん、ちょっと全体的にブラッシュアップが足りてない印象でした。