【陰キャだった俺の青春リベンジ 2 天使すぎるあの娘と歩むReライフ】  慶野 由志/かる 角川スニーカー文庫

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ありがとう新浜くん、こんなに楽しい日常を私にくれて。

高校2年にタイムリープした元社畜の新浜心一郎。前世で憧れだった美少女・春華と距離を縮めながら2度目の青春を謳歌していた。
期末テストが近づいたある日、春華の幼馴染みだという御剣に「お前のような雑魚が彼女に近づくな、テストで俺と勝負しろ」と喧嘩を吹っかけられる。
前世では負け続け人生だった新浜が、勝ち組カースト上位に挑むことになって――。
「新浜君はやっぱりすごいです! 新浜君が頑張っていたのを知っていたので、とっても嬉しくなったんです……!」
2度目の人生は、頑張りも努力も一番近くて見ていてくれる君がいる……!青春リベンジラブコメ、第2弾!


まさかの自称・幼馴染である。いや、一巻で親しくなった段階で影も形も居なかったのに、いきなり幼馴染ですって出てくるに飽き足らず、やたらとマウント取ってくるホントになんやねんこいつ、という感じだったのですけれど、まさかの自称だったとは。
さすがに痛々しいにも程があるぞ、この御剣くん。なんでこんなのが普通の公立高校にいるんだよ。場違いにも程があるじゃないのさ。まあその理由がトラブル起こしまくってエリートが集まる学校に居られなくなった、というのは生々しいというかアホらしいというか。それでまったく反省してないのね。
こんなやつ居ないだろう、と思いたいんだけれど、偶に想像を絶する人間がわりと頻繁に実在したりしますからねえ。虚構の存在と言い切れないのが何とも怖いです。
でもこの御剣くんがカーストの上位というのはちょっと違うんじゃないだろうか。完全に他者から孤立してますし、取り巻きの一人もいませんしねえ。一人でずっと勘違いし続けている、というのは痛々しいにも程があるんですが、こういう人間には関わり合いにならない、というのが普通の人の賢い対処法ですからね。畢竟、放置されている事にも気づかずその人の勘違いや思い込みは正されないのである。
ある意味、放っておかずに相手してあげた新浜くんは優しいですよ。それが自分勝手に言いたいこと言って自分の都合の良いように解釈しているだけの相手に一発かましてやる、という行為だったとしても。
痛い目見せる、というそれだけでも多大なリアクションですからねえ。それが、あまりにもムカついたから、という理由だったとしても。

まあどう転んでも噛ませ犬なんですが、好感の抱きようがないろくでもないやつ相手のざまぁだっただけに、良きカタルシスでした。まあ新浜くんがざまぁした以上に、春華が強烈な一発をかましてくれたので、そちらの方がもっと痛快であったかもしれませんが。
温厚で怒りなど抱いたこともなさそうな春華が、ガチギレでしたからね。ざまぁざまぁ。

しかし新浜くんの友人である銀次は、ひたすらイイ奴でしたね。御剣なんて面倒くさい以外ないやつなのに、そいつとひと悶着確実にあるだろう舞台に、少しでも新浜の楯になってやるつもりでついてきてくれるとか、なかなか出来ないですよ。
彼とは前世でも友人であり続け、大人になっても付き合いあったみたいですけれど、こういう繋がりがあっただけでも新浜くんの前世も捨てたもんじゃないはずなんですよね。ほんと、ボタンの掛け違いだったんだろうなあ。新浜くんの交友関係が広がった影響で、銀次くんにも女性とお近づきになるチャンスが増えているみたいなので、これをきっかけに誰かとうまいこと行ってくれたら嬉しいですねえ。
……わが道をゆく風見原は地雷な気もするけれど。いや、あれはハマると一生楽しいパートナーになってくれそうだけど、すげえバイタリティが必要そうw

風見原さんみたいな面白ヤベえタイプと比べると、メインヒロインである紫条院春華はもうびっくりするくらいピュアで純真で(同じ意味です)世の穢れを知らないような清純で清楚で基本真面目で、とほんと白一色みたいな娘さんなんですよね。対して主人公の新浜くんも真面目で誠実な好青年。
普通、ここまで善良なもの同士のカップルって綺麗すぎて面白味がないというか、生真面目すぎて愛嬌がないというか癖がないというか、ラブコメとしても恋愛ものとしても逆に扱いづらいタイプのカップルだと思うんですよね。
でも、そんな二人をほんとに素敵に描いてるんだよなあ、この作品。ピュアピュアですよー、もう見ていて心洗われると言いますか、二人の穏やかさに癒されるとイイますか、ほんわかとした雰囲気に満たされるといいますか。二人を見ているだけでリラクゼーション空間が発生してますよ。なんですか? マイナスイオンでも発生してるんですか?
新浜くんも基本真面目でひたむきで、と面白味なさそうに見えてしまうのですけれど、これがどうしてどうして、なんとも可愛げが感じられるイイ男なんですよね。春華からすると大人びてる、と見えるのかもしれませんけれど、デートに着ていく服がなくて妹に泣きついている様子とか可愛い男の子じゃないですか。経験則からの用意周到さも、それを上回る胆力、大胆不敵さがあってこそですし。この男の子、いざとなるとエイヤッと前に出る根性の持ち主ですからね。そういう所が清々しくて好青年なんだよなあ。

……春華さんのお父さん。こいつほんとに稀に見る好物件ですよ。これほどの出物はそうそうありませんよ。とアピールしてあげたくなるけれど、こやつってばマジでそのへん自己アピールしつくしちゃいましたからね。
初めての春華パパとの対面が、なんでか娘の彼氏候補との面談を通り越して、完全に面接……それも社長面接になっちゃってたのは笑ってしまいましたけど、パパさんそれは悪手だw
むしろ、好きな女性のお父さんと一対一で懇談、という形式の方がそっち方面まったく経験値ゼロな新浜くん、やらかした可能性高そうなんですよね。むしろ、プレッシャーかけてくる圧迫面接形式の方が耐性と対処法が身についていた、と。
ってか、新浜くんの方も最初から面接用の自己PR、或いは商談用のプレゼンテーション的なものを準備万端用意してたあたり……いや、それはそれでテンパってる気がするぞw
彼女のお父さんに対してやるこっちゃないでしょうにw
でも、なまじ面接形式にしてしまったが故に、パパさんとしてはこれだけ完璧なプレゼンをされてしまうと、あハイそうですね、と認めざるを得ないじゃないですか。パパとしてはどれだけ拒否反応しめしても、社長という立場からするとパーフェクトと絶賛せざるを得ないというこのアンビバレンツ。ご愁傷さまである。
いやでも、どれだけパパ感情では嫌がろうとも、理性ではもうこいつしか居ねえな、ってかこれを逃したらあかん、と結論が出てしまったんじゃないだろうか、新浜くんに対して。春華みたいな娘、過保護なくらい見ていてあげないと、というのはその通りだと思うんですよね。なまじっかなやつには任せられんというのも全く同意。だからこそ、この娘をこの娘のまま守れる同世代の人間なんて、宝石みたいな希少価値なんですから。
最初からピュアピュアな娘の青春恋物語にテンション爆上がりな春華ママと使用人諸氏はみんな味方ですし、まーほぼほぼ家族公認ですか、良かったですね。
……いい加減、はやく告れよ、という状態になってしまいましたが。本人に告る前に家族に娘さんをください的なPRして、順番逆ですよw まあ、そういうところが可愛げなんですけどね、新浜くんの。
そりゃ、妹ちゃんも大ウケだわ。

すでに二人、両思いもいいところで、あとはもうお互い告白するだけ、というくらいには温まってる二人ですけれど、さてこれからまた一波乱あるのか、それとも万難を排して灼熱の夏に燃え盛るのか。次巻もあるよね?楽しみです。