【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 15】  手島史詞/COMTA HJ文庫

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愛娘が初めての大仕事に挑む!

魔王同士の決戦がようやく落ち着いたのも束の間、シアカーンによって作り出された数百もの〈ネフェリム〉たちの居場所としてザガンは新たに街を作ることに。
さらにザガンは愛娘のフォルに街を任せることを決意する!

「……わかった。私、やってみる」

初の大仕事に張り切るフォルのもとに、傷だらけで記憶を失った謎の少女もやってきて――
新たな波乱を予感させる、大人気ファンタジーラブコメ第15巻!


レイチェル、レイチェルさんが出てますよー!?

このシャスティル付きの修道女レイチェルという少女。元々はバルバロスとシャスティルが主人公のスピンオフ漫画【悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだ】の登場人物なんですよね。
教会でも屈指のシャス×バル推しのカップル厨であり、ゴメリ婆ちゃんに匹敵する逸材だとは思っていたのですが、まさかの本編登場ですよ。しかも、ゴメリとセットで。やっぱり、この娘ゴメリ級だったし!! スピンオフって公式でも本編ときっちり区分けされてそっちの内容やキャラクターはスルーされることも少なくないのですけれど、こうしてはっきりと逆輸入という形で登場してくれるのは嬉しいですねえ。
【悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだ】はまだ単行本化していないのですが、ウェブ連載しているので良ければどうぞ。見事なバルバロスとシャスティルのラブコメになっております。




くくっ、じれったい、じれったいぞよ。でも、今やバル×シャスは教会公認になろうとしているわけで、なにウダウダやってるんでしょうね、この二人はw
ザガンと比べるとバルバロスは意地っ張りすぎる。もうだいぶ前から自分の気持ちは認めているにも関わらず、外向けには認めたがらないのはねえ。
ただ、本気で二人のカップリングが魔術師と教会の融和の象徴になろうとしているだけに、今までみたいに周りでニヤニヤと見守ってくれているだけじゃ済まなくなってきたんですよね。早くちゃんとくっつけ、というプレッシャーがそこかしこから。
実のところ魔術師・協会関係者のカップルの進展具合という観点からすると、黒花とシャックスが一番進んでるんですよね。黒花はあくまで教会の暗部の人間なんで象徴にはなれないんだけど、女性陣の中ではぶっちぎりでグイグイ積極的に迫ってるんだよなあ。
アルシエラお母さんはもうちょっと黒花のこと見習いなさいっ! この女、何千年もだもだしてるんだかw 成長してない、いっさい成長してない! 見た目だけじゃなくて中身も初心な恋愛初心者じゃないですか。とにかく人間関係追い詰められると逃げ出すところとか、メンタル最弱なんじゃないだろうか。
ザガンは彼女のことをちゃんと母親と認めた上で、お袋と呼ぶまでになったのですけど、正直お袋呼ばわり、似合わないですよアルシエラ。母親としての貫禄というか貫目が全然ないんだもの。むしろ謎の古き祖先みたいなムーヴしてた頃の方が仮面かぶれていた分、底知れなさが感じられたものですけれど、本当の思いの外底が浅かった!w
ザガンがお袋と呼び出したことで、ネフィやネフテロス、フォルなどの家族からはお義母さん、お祖母ちゃんとして接せられるようになったものの、中身がもしかしたら身内の中では一番少女なせいか全然母親らしいことは出来てなかったですよね。狼狽えるばかりで。
ちょっと意気込んで義理の娘になるだろうネフィの相談に乗ってあげたりしたときも、ぶっちゃけザガンとイチャイチャして恋愛経験値そこそこ貯め込み出しているネフィよりも、アルシエラの方が圧倒的に恋愛方面に関してはポンコツであることを露呈してしまっていましたし。
二人の子持ちの母親としては、ほんと乙女すぎるんだよなあ。
そういう意味では、彼女の夫となった先代の銀眼とはお互いに愛し合いながらも、ちゃんと恋愛は出来なかったっぽいんですよねえ。
ネフィリムとして蘇った先代銀眼と再会しながら、もう一度やり直す話にならなかったのは、先代が本人ではなく別人のネフィリムであるという自認に塗り潰されていた、というだけではないのでしょう。銀眼パパは何だかんだとまだアルシエラの事を好きだったみたいですし。
アルシエラにとって、今ザガンやネフィ、その他大勢のカップルみたいな甘酸っぱい恋の感情を育む相手は別にいたんですねえ……。

……円満離婚した母親のもとに、初恋の男が現れて求婚しだした。という、母親と再会して早々になかなかハードな展開を目のあたりにすることになりましたな、ザガンさんw
いや、このアスラくんのグイグイと常に押しまくるアプローチは正直好ましいですわー。アルシエラが押せば押すほど逃げるタイプなのが輪をかけて、面白くしている。逃げれば逃げるほどさらに追いかける、というこのキングオブラブコメ的なドタバタな甘酸っぱさはやっぱり最高ですよ。
そこに、女性の方が大きな息子のいるロリ母親、というエッセンスが加わり、迫ってきている相手がその母親の初恋の青年、というこの大人な要素の配合。甘々だけじゃないビターな味わいも加わって、実に妙なりっ!
自分の父親とは違う男に、うちの母親を頼む、と堂々と言ってのけるザガンさん、男前だわー、カッコいいわー。嬉しいのにヘタレて逃げまくってるお母さん、息子さん立派になってますよ?

そしてカップルとして大きな変化というか進展を迎えているのが、ネフテロスとリチャード。リチャード、出世したのもあるけれど、少女漫画の登場人物かよ、というイケメンな女性の甘やかし方がキザすぎるけど、キザなのがむしろ似合うっ! 控え目で優しい落ち着いた男性が甘やかにグイグイと攻めてくるの、なんか性癖が刺激されるわーっ。ネフテロスがメロメロじゃないですかっ。この娘、ネフィ並かそれ以上に無垢なのに、なんか一気にリチャード色に染め上げられていってますよ!? ちょっと前まで梨の礫というか、殆ど無関心でスルーされていたのが嘘のような変化である。
いやマジでリチャードは化けましたよね。最初は存在感全然なくて、ネフテロスに柔らかなアプローチしているのも、ほんとに流されて相手にされてなくて、なんかモブ感すらあったのに。今キラキラしてますよ、ピカピカ光ってますよ! イケメンが輝いてる! 眩しいっ! 素晴らしい!

そう言えば、先代もなんか新しい出会いが……えっ!? その娘なの!? という、傷心同士の出会いなんかがあったりしてびっくりしましたし、新たに登場した魔王であるアスモデウスことリリーにも、速攻で同族のちょっとお互い意識してしまうような相手を登場させて、隙がない。カップルづくりに余念がなさすぎ!!
その一方で、リリスとセルフィの友情もしっかり描き、またフォルとリリーの間に芽生えた友情と親愛も次への伏線に連結しつつ、これまた尊く描いてるんですよね。

そして、いつの間にかマルコシアス陣営が立ち上がって、旧魔王陣営とザガンファミリー&教会との対立という形で状況が整頓されているあたり、カップルたくさんでイチャイチャキャッキャウフフ、に夢中で没頭してたわけじゃないんだなあ、と感嘆してしまいました。いやだって、カップルがたくさんでイチャイチャしてばっかりだったのにw
とはいえ、マルクとザガンの因縁は敵という関係に終始しているのではなく、かなりこんがらがって絡み合っているわけで、単純に戦争!という形にはならないのでしょう。
何より、マルコシアスが正確になにを目論んでいるか、今はまだわからんわけですしね。

ともあれ、ある程度状況が整理されてスッキリしたのは確か。でも謎はまだたくさん散りばめられているので、さて次回はどんな事件が起こるやら。何はさておき、バルバロスの魔王就任をどうするか、だよなあ。誰かの魔王座を奪わなきゃいけないわけだし。