前回、6月上半期の記事なのです。

さて、今月も後半に入りました。梅雨入り宣言も発表され、雨の日も多くなるでしょうけれど、雨が降ろうと晴れようとみなさま良き読書に耽溺しましょう。

では、今月下半期の新刊から、いくつか注目作品をピックアップします。


【霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない 2】 綾里けいし(ガガガ文庫)

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未来視の先に綴られた、美しき地獄ーー。
「かみさま」を失った藤咲からの逃亡生活を続ける、藤花と朔。
自らを「不良品」と称す少女を守りながら、朔は今後の行く末に頭を悩ます。

そんな二人のもとに、未来視の異能をもつ「永瀬」の遣いーー未知留が訪れる。
永瀬の擁する「ほんもの」が視た藤花と朔にまつわる幾つかの光景。

雪の降る永瀬の邸にて繰り広げられる、未来視を巡った狂気の発露。
それは『少女たるもの』になれなかった誰かの、在りし日の恋の残滓。

これは、過去に自分を求める少女と現在に自分を認める女の、
「想い」が生んだ美しき地獄の物語。
「かみさま」に成ることが出来ず、「少女」として生きる事になった娘と、彼女に生涯付き従うを誓った男の、ただふたりの物語。その続編である。


【ママ友と育てるラブコメ】 緒二葉(ガガガ文庫)

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JKとの子育ては、慌ただしいけど尊い日常

昏本響汰は、3歳の妹が大好きなシスコン高校生。両親が共働きで家事育児もこなす。暁山澄は容姿端麗、頭脳明晰な孤高の少女。その存在感で何人たりとも寄せ付けない。ある日妹の入園式に参列した響汰は、頬を紅潮させ、カメラマンばりにシャッターを切る澄の姿を発見する。「郁、なんて愛らしいの……」彼女も、超ブラコンなお姉ちゃんだったのだ! お互い妹・弟の世話をしていることを知り、徐々に仲が深まっていく。料理、幼稚園の送り迎え、休日デート。そう、まさに二人の関係は“ママ友”だったーー。子育てラブコメ堂々開幕!
人妻か!? ついに子持ちの人妻とのラブコメか!? とママ友というタイトルににわかに盛り上がったのですが、そうかーお互い高校生か。
お互いに小さな弟妹を抱え、でもその世話をするのが大好きというある意味同好の士どうしのボーイ・ミーツ・ガールになるんだろうか。高校生でほぼ子育て状態というのは若干、ヤングケアラーの問題も関わってきそうな話ですけれど。


【煤まみれの騎士 2】 美浜ヨシヒコ(電撃の新文芸)

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さあ、俺の戦いを始めよう。魔力なき男の世界への叛逆がついに始まる──!

あらぬ冤罪で第五騎士団を追放され、魔族領に隣接する辺境へと派遣されたロルフ。
しかし辺境で待っていたのもやはり、神に棄てられた者へ対する差別の日々だった。
その中で彼は、自分と同じ“煤まみれ”と蔑まれる魔族の奴隷少女、ミアと出会う。

何故この罪なき子供が悲しみを強いられているのか。魔族は本当に滅ぼすべき邪悪なのか。
ミアと過ごす毎日は、ロルフの心の中に、ある決意をもたらす。
そして赴いた魔族領で彼が見たものとは。至った覚悟とは。

「俺に約束を守らせないつもりか? そうはさせるか。そうはさせるものかよ」

人間と魔族の終わりなき抗争。謂れなく流される血。正しき人たちの零す涙。
非情な運命を許せぬロルフが手を伸ばした時、その手に握られていたものは──。

「さあ──決着をつけよう」

神に棄てられ、蔑まれ続けた“煤まみれ”の、世界への叛逆がついに動き出す──!
魔力がないことで貴族の嫡男の地位を剥奪され、騎士団に入るもののずっと認められず虐げられ続け、挙げ句これまでの功績をなかったことにされて冤罪をうけて、騎士団を追放されるという塗炭の人生を歩んできた主人公ロルフ。まさに騎士になるという一念と鋼の精神で理不尽に耐え続けてきたロルフだけれど、身分や立場ではない騎士としての在り方を守るため信念を貫き愛する女性からも遠ざかって、身一つで追い出されたわけだけど、これからようやくフラストレーションを払拭する逆襲編がはじまるということで、楽しみ。


【紅蓮戦記 1.天才魔術指揮官は逃げ出したい】 芝村 裕吏(MF文庫J)

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滅亡から始まる14歳の天才魔術指揮官による前代未聞の大脱出劇!

魔法戦争にて、14歳ながらルース王国史上最高の戦果と功績を挙げた魔術指揮官マクアディ。だが、若き「戦争の天才」の連戦連勝をもってしても王国全体の敗北は止めようがなく、祖国は滅亡寸前に追い込まれていた。自らが率いる隊と共に華々しく命を散らし「悲劇の英雄」として歴史の教科書に載る覚悟を決めたマクアディ。けれど、そんな彼の下に駆け付けた満身創痍の軍務卿から王女二人を託されたことでその運命は一変。敵軍に完全包囲された戦場に遺された仲間と共に、生存と祖国存亡を懸けた不可能と思われる大脱出に挑むことになる。最弱の国に生まれた最強の天才が歴史に刻む、途方もない奇跡の物語、開幕――!
【マージナル・オペレーション】など数々の小説、漫画原作を手掛ける芝村裕吏さんの最新作。【やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい】は同じファンタジー戦記というジャンルでメチャクチャ面白かったのだけど、どうして打ち切られちゃったかなあ。メチャクチャ面白かったんだけど!
なので、今回はほんとに期待しています。いきなり絶体絶命の窮地からの決死行という最初からのクライマックス!