【魔界帰りの劣等能力者 9.神剣の騎士】  たすろう/かる HJ文庫

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激化する大祭で、祐人は最凶の敵と剣を交える!!

祐人の1回戦突破で盛り上がる入家の大祭。続々と勝ち上がっていく他の参加者たちの中でも際立つその実力に、四天寺家の面々だけでなく、秋華・琴音といった外部の者たちからの祐人の評価も上がっていく。
そして、祐人の婿入りを狙う朱音の思惑通りに進む大祭だったが、ジュリアン・ナイトがその実力と本性を露わにしたことで、予想もつかない混戦を極める事態に陥っていく――
最弱劣等の魔神殺しが最凶の騎士と対峙する第9弾!!


パチンコで確変入ったみたいに、四天王寺家の一族の人たちの祐人への評価、という以上に好感度がガンガンあがっていくよ!
単純に能力を評価して、というだけじゃなくて明良さんが祐人がこの大祭に参加した経緯を語られた事で鐘か銅鑼でも連打するみたいに好感度が爆上がりしてった挙げ句に一族あげて婿殿扱いになってしまったのには笑ってしまいました。
最初は朱音さんだけの牽引だったはずなのに。いくら四天王寺家の最大権力者と言っても一人、いや祐人とすでに交流のある明良さんは朱音さん派でしたけれど、それでも一人二人が入れ込んで推しているだけなら祐人としても逃げ切る余地があったんでしょうけれど、こんな一族全体でもう確定事項のように祐人のこと婿殿!扱いになっちゃってたら、これもう逃げらんないんじゃないの?
もうこのオッチャンたち、祐人以外に瑞穂の婿とか眼中になさそうなんですがw
いやこの場合、祐人本人よりも瑞穂以外のヒロインズが対抗の難易度あがったと見るべきなんでしょうな。祐人は絶対、お祭り終わったら合コン、しか考えてないだろうし。女性陣としては、朱音さんの策略に対してどう対抗しようかと額を突き合わせはじめていた矢先でしたから、まさか一族全体がここまで前のめりになるとは考えてなかっただろうからなあ。自分もせいぜい、瑞穂のことを微笑ましく見守る好意的傍観、或いは能力的にはぜひ捕まえておきたいくらいの祐人の能力の方に主眼を置いた捉え方をするだろうと思っていただけに、ここまでフィーバーするとは思わなんだw
いやどうすんでしょう、祐人くんてばこれ。

とはいえ、まずは目先の危機をば。いやあれ絶対爺さんだろう、と思ってたら爺さんだったテンちゃん。ドラゴンボールの天下一舞踏会で亀仙人が変装して参加していたジャッキー・チュンくらいの立ち位置かと思ってたら、思いの外ガチで勝つつもりで参加しててどうしようもないな、この爺さんw
本当にどうするつもりだったんだろう、途中で大祭が中断とかなく普通に進捗してたら。本気で大人げないので、祐人相手にも本気で勝ちに行ってそうだったし。これの対戦相手になってしまった黄のお兄ちゃんはご愁傷さま以外のなにものでもなく。
これ、黄家の若様じゃなくてジュリアンに対戦相手があたってたら物語的には台無しかもしれないけれど、かなり面白いことになってたんじゃなかろうか。
まあある意味順当に、王道に、かのジュリアン・ナイトの対戦相手は祐人になったわけですけれど。

この大祭の注目はやはり祐人に集まり、そしてもう一方の焦点は三千院水重というあまりにも存在感の強烈な天才に集中していました。そりゃ、どうしたってこの水重さんに眼がいってしまいますよ。だから、それ以外の参加者については、みんなとても個性的ではあったものの前座感は否めなかったんですよね。特にジュリアン・ナイトについては水重との決勝戦に行き着く前の中盤の盛り上がりポイントだろうなあ、と。
彼に関しては家柄もしっかりしていましたし、性格的にもかなりキレキレで危なそうではありましたが戦闘ジャンキーっぽいのがむしろ参加者の中では裏に思惑を感じさせないシンプルさを印象づけられたんで、祐人や水重、そして黄英雄といった綺羅星の如き若手世代のメンバーの一人なんだろうな、と思ってたんですよね。そういう意味では、かなり想像を外されたキャラクターでもありました。
しかし、四天王寺家は思ってたよりもずっとガッツリと迎撃態勢固めてたんですねえ。いや、いろんなキャラクターが大祭参加者にも揃ってるなあ、と名前だけのモブで終わりそうなキャラが想像していたよりもずっと少なくて、それだけにこの大祭という武術大会を少年漫画の王道的にかなりガッツリワクワクと楽しめていたんですよ。やっぱり一人一人キャラ立ってる人たちがトーナメント戦でぶつかり合うというのは盛り上がるじゃないですか。この往年の少年漫画的など直球のノリはやっぱり燃えてしまいますよ。
そんな中で祐人は変に実力を抑えて目立たない、なんて事なくフルスロットルで実力披露しまくっていい意味で目立ちまくっていましたからね。やっぱり主人公がスッキリ痛快に活躍してくれると、スカッとカタルシスがありますよ。実力を隠して盛り上がるまでの溜めを溜め込むのもまた展開としてはアリですけれど、それは祐人もたびたびやっているので毎回同じパターンではなく、今回は出し惜しみなしという感じで暴れまわったり、と魅せ方映えさせ方に緩急があり、盛り上がりの勘所もキッチリ抑えていて、エンタメ作品として非常にうまいなあと感心させられてしまいました。
四天王寺の精鋭部隊の人たちも、魔人みたいな強力な連中にも簡単には一蹴されずに粘り切るあたりは非常に格好良かったですし、むしろ簡単にやられずに善戦することで敵陣営の強力さを印象付けていたりもするわけで、そのあたりもうまいなあ、と。彼らのみならず、味方サイドが簡単に負けてしまわないのも見応えあっていいですなあ。
と、大盛りあがりしてきたところでしたけれど、また良いところで終わっちゃって!
まだコチラがわ、肝心の剣聖さまも出張ってきてないし、瑞穂のパパも出陣していないし、で切り札まだまだ残ってるんですよね。渦中でこの巻が終わってしまったということは、敵サイドもまだカードを出し切っていないんでしょうし、次回の攻防は本当に楽しみです。なるべく早いところ次の巻送り出してほしいですわ、待ち遠しい。

しかしこれ、ガストンさんが本当に便利キャラですねえ。彼一人居るお陰で、バックのないほぼ個人であるはずの祐人が色々と情報取ってこれますし、ガストンさん自身最強キャラとは言わないまでもどんな敵相手でも死なずに戻ってこれるサバイバリティ、生存能力の持ち主ですから安心して送り出せますし、下手したら敵の幹部級でも狩って来ちゃいそうな所すらもありますし。そして痒い所まで手の届く至れり尽くせりの気配りに手練手管。いろんな意味で高性能すぎます。彼を仲間にしておいて本当に良かったなあ。