【ゴブリンスレイヤー 16】  蝸牛くも/神奈月昇 GA文庫

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蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第16弾!

「やっぱり嬉しい? あの子たちが勝ってるの」

馬上槍試合に沸き立つ王都へやってきたゴブリンスレイヤーたち。
試合で活躍する圃人剣士、そして少年魔術師の成長を見守り、束の間の休息を楽しむ彼らだが、再会した王妹が倒れた事で事態は急変する。
王妹は何者かに"呪われて"おり、熱狂渦巻く王都の裏には――邪悪な灰の気配が広がりつつあった。
急遽王妹の代役を引き受けることになった女神官。そして――。

「ゴブリンならば、俺が行こう」

ゴブリンスレイヤーは王命を受け、その根源に立ち向かう!
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第16弾!

ポリコレの騎士推参!!
ついに四方世界にも平等を勘違いした行き過ぎたポリコレの波が。人種混沌とした世界観だから余計に一方的な押し付けの、上から目線の差別が問題だと言いながら自分こそが差別感情むき出しのそれが、混乱を呼び起こす。
多分、このポリコレ棒を振り回していた騎士はなかなかに発言力のある立場だったからこそ、王都でのお祭りにも影響が出てしまったんでしょうけれど、まだ個人での主張だったからマシだっただけで、これで派閥組んでたり圧力団体を背景にして数揃えてくると始末に負えなくなってたんだろうなあ。何しろ、まともな議論が成り立たないし。自分たちの主張を通す以外の意見は全部頭のオカシイ悪扱いですしねえ。政治・宗教各位が全部理性的に対応してたから穏便に済んでましたけれど、これかなり各神様まで侮辱してたようなもんだから、下手しなくても血を見てもおかしくなかったんだよなあ。

受付嬢や牛飼娘も着飾って、遊びに来たるは馬上槍試合で大盛りあがりに沸き立つお祭り騒ぎの王都。そこで立ち上がってしまった問題に、やっぱり挑むことに成るゴブスレ一行なのだけれど、今回の主役は何と言ってもトーナメントに出場した圃人剣士の少女と彼女の相棒である少年魔術師だったでしょう。
ポリコレ騎士の大きな声によって、種族別の試合がなくなり無差別級に出場する羽目になった圃人剣士の少女。驢馬を愛馬に人より小さな体を稲妻のように走らせて、目一杯に踏ん張って大きな勝負を成し遂げていく彼女を、クールな姿をかなぐり捨てて汗を迸らせて叱咤激励し、支えて守り、彼女の戦いを寿ぐ詩吟を朗々と奏でて観衆を沸き立たせる、この若くも初々しい男女のコンビの健気で一生懸命でお互いを切に切に思い合う姿は、英雄譚のはじまりとしても実に震える熱くも麗しい絵になるシーンの連続でありました。
無防備に小さな体にけっこうグラマラスな肢体を少年に曝け出してしまう少女に、すっげー異性として意識してたまらなくなる少年心は、いやー可愛くて仕方なかったですよ。ってか、あれはエロいよ、女の子。
あの負の感情を燻ぶらせていた少年が、実に清々しく健全で真っ当で初々しいアオハルをするようになったじゃないですか。ソレ以上に、冒険者として立派に成長している姿が初心者だった頃をよく覚えているだけに、余計に胸にくるんですよね。
女神官ちゃんの目覚ましい成長を毎度感じるこのシリーズですけれど、彼女に限らず若い子らが本当に良い成長をしてるんだよなあ。
その女神官ちゃんと言えば、今回はゴブスレさんたちパーティーと離れて、彼女にしかなし得ない冒険を担うことに。いやあ、大冒険じゃあないですか。呪いに臥せってしまった王妹の身代わりに、影武者をすることになるなんて。いやあ、容姿よく似てるとはいえ、すげえことやらされるなあw
なにげに、それだけの事を頼まれるほどの人脈を王家とコネクトしてしまった、という事でも在り……。
そんな女神官ちゃんの侍女役として、受付嬢と牛飼娘もメイド服を着込んで一緒に後ろに並ぶわけですけれど、いやはや牛飼娘ちゃん普通の田舎娘なのにむしろこの状況楽しんでるの、くそ度胸の塊だよなあ。あと、牛飼娘ちゃんの余所行きドレス、普通にエロエロなんですがw
そして、トーナメントの最中に起こったトラブルに、堂々と応じてみせる女神官ちゃん。もうふるまいがモブ冒険者じゃないですよー。トップ冒険者の一角と言われても不思議じゃないでしょう、これ。将来が本当に楽しみです。

でも、今回は女神官ちゃんがこれのお陰で現場を離れられなかったので、ゴブスレパーティーからは外れちゃったんですよね。
彼女を抜いたいつもの四人。ベテラン銀級冒険者一行……なんだけど、もう女神官ちゃん居ないと回復役後方支援役、そしていざという時の第二司令塔でもある彼女が居ないっての、今となっては凄い戦力ダウンなんだなあ、と改めて感じたり。勿論、一人抜けたからと言ってパーティーの行動に不具合を起こさないあたり、まさにベテラン揃いの一行なんですけれど、手札が圧倒的に足りない感じがあったのは確かなんですよねえ。それでもなんとかするのが彼らなのですけれど。
そして、今回の黒幕側にいた吸血鬼に対してのゴブスレさんの対応……う、うはははははは。ええーー!? いいの、それ? ありなの!? いや確かに吸血鬼ってのはアンデットで不死者でノーライフだけどさ! 生きてないけどさ!? その発想はなかった!
確かに、事前の説明されていた限りではルールからは外れていないけどさ。これ、TRPGでGMが全然想定していなかった攻略のされ方されてしまって、GMが悲鳴あげて頭抱える案件だわーw
事前にプレイヤー側からチラッとルールの確認もされて念も押されてそう。
これはかなり笑ってしまった。ほんと、ゴブスレさんは鬼畜やでぇ。