G1馬5頭にそれ以外も歴戦の強豪馬たちが集って、事実上G1級と謳われることとなったスーパーG2札幌記念芝2000メートル。
これも、G2ながらも伝説のレースとして語り継がれそうですね。
集った名馬たちは。
前年の覇者・白毛の女王ソダシを筆頭に、
ドバイターフを逃げ勝った世界のパンサラッサ。
金鯱賞を尋常でない時計で逃げ切った電撃快速ジャックドール。
香港ヴァーズ2連覇のグローリーヴェイズ。
齢9つの古豪のダービー馬マカヒキ。
函館記念を勝ってダート・芝の重賞を制覇してみせた白毛馬のハヤヤッコ。
デアリングタクトの最大のライバルにして、脚部不安も解消されてオールカマー、日経賞で古馬を蹴散らした頃の好調を取り戻しつつあるウインンマリリン。
次代を担う上がり馬として活躍しながら、病気での生命の危機を迎えながらそれを乗り越えて一年以上の休養を経て復活を果たしたユニコーンライオン。
ゴールドシップ産駒として初めてG1を勝利したユーバーレーベン。
などなど。
ソダシとハヤヤッコの史上初の白毛対決に。パンサラッサとジャックドールによる稀代の快速逃げ馬対決など見どころたっぷりの札幌記念。始まる何週間も前から話題沸騰のレースでした。

レースはまずユニコーンライオンの行き足が素晴らしかったんですよね。先頭を切ると思われたパンサラッサは、スタート悪くはなかったんですけれどどうもスピードが乗るまでしばらく間があったみたいで、ユニコーンライオンに追いつくまでに多少なりとも脚を使ってしまった感がありました。
ジャックドールは事前から逃げずに2番手以降で前を伺うつもりだったみたいで、予定通り前二頭を見る形での控える競馬。ウインマリリンも前目につけて3番手に。ソダシがその後。
とこの辺はだいたい予定通りの展開だったんじゃないでしょうか。

1000メートルは59.5秒。パンサラッサが引っ張るレースとしてはかなり落ち着いた展開だったように思います。そこまで飛ばさなかったか。
馬場状態は良馬場、ただ前日が雨で当日も午前中あたりまでは稍重だったので、結構柔らかくはあったんじゃないでしょうか。それに前日からの雨中のレースで多少なりとも馬場は荒れていた状態だったんじゃないですかね。
そういう意味ではスピードこそ飛ばさなかったものの、レース自体は全体的に消耗戦になってたように見えます。後続勢はかろうじてグローリーヴェイズがまくりあげてきたくらいで、それ以外の馬は概ね見せ場もなく後方から伸びること無く潰れていましたからね。

直線に入る前にユニコーンライオンがついていけずに脱落。レースはほぼパンサラッサと十分に脚を残したジャックドールとの一騎打ちになりました。
いやこれ、展開的に直線入った早々くらいにジャックドールが突き抜けておかしくないレース展開だったはずなんですが、パンサラッサが粘る粘る。直線入った所で結構苦しそうな素振り見せたと思ったんですが、そっから抜かせないんですよねえ。
ジャックドールはほぼ必勝の競馬したと思うんですけれど、ゴール前ギリギリでようやくクビ一つ抜け出しての勝利。上位の馬、軒並み上がりが37秒台でしたから消耗戦での体力削りきっての根性勝負だったように思います。見るからに足の回転、みんな遅かったもんなあ。
番手につけて、直線で先頭争いに立ち、ゴール前でキッチリ躱してみせたジャックドールは、強い勝ち方でした。それもいつもの逃げではなく控える競馬で。スピードで押し切るのではなく、消耗仕切りながらも根性見せての勝利でしたからね。相手も強い中でのこれは価値ある勝利。秋の天皇賞が楽しみになるレースでした。
2着のパンサラッサは負けてなお強し。宝塚記念でも2000メートルまではあのタイトルホルダーによる消耗戦仕掛けられても粘ってた姿は根性あると思いましたけど、スタートで脚使ってスピードなかなか乗らない今の札幌競馬場の馬場でこれだけのレースしてみせたんだから、やっぱり強いですよ。1800までとは思わない。2000までなら余裕でいけます、特にしぶってない良い馬場ならなおさらに。普通なら、もう100メートルは前で脱落してますもん。
3着はウインマリリン。調子戻ってきてるのは間違いないですね。位置取りも前目につけて十分でした。ただ、前が止まらなさすぎた。
1番人期のソダシは5着。このレース展開だとあそこからはどう考えても前に追いつけないよなあ。仕掛けたところは多分、ジャックドールとほぼ変わらなかったと思うのですけれど、離されはしなかったものの位置取りの差は最後まで埋まりませんでした。2000で距離は長いとは思わないですけれど、この差を埋められるだけの足を使えるスタミナまでは流石に望めなかったか。
まあいずれにしても、今日のレースじゃ前二頭に追いつくのはどの馬でも相当難しいですよ。
4着には横山武史騎手のアラタがソダシを躱して滑り込み。この展開でよく脚を貯めて最後に伸びてきたものですけれど、さすがにウインマリリンまでは追いつきませんでしたか。

ちょっとこれ、結構走った馬疲れてそうなタフなレースだったんで心配ですけれど、秋までまだしばらく時間あるのでみんな一息入れることになるんですかね。
真夏のレースである札幌記念にこれだけ実力馬が集まるのも、秋のG1戦線開幕までにしばらく間があるからなんでしょうか。9月から始まる秋競馬から始動だと、余裕がないとは言わないですけれどスケジュールは詰まりますからねえ。
ともあれ、ジャックドールとパンサラッサ。二頭の快速馬……今回は快速からは遠いレースでしたけれど、速いだけじゃない強さを見せてくれるレースで、秋への期待が膨らむ良い勝負でありました。