【その着せ替え人形は恋をする 4】  福田 晋一 ヤングガンガンコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
自分の好きなものややりたい事を人に言うのって勇気が必要なんです!

海夢とジュジュの“合わせ"準備は着々と進み…ついに衣装完成!!
あとは撮影だけ…のはずが、新菜には二人に秘密の作戦が…!?
好きなもの、大切なものへの強い気持ちが、それぞれの心を動かしていく…!!


確かに、人に言うのは勇気いるよね。それを察してあげられる五条くんがホントにイイ男なんだわ。
ずっと外では俯いて過ごしてきた五条くん。今、彼は学校ではどんな風に過ごしてるんでしょうかね。今の彼は、心寿が心の奥に秘めていたことを見つけてあげられたように、人の顔色を伺うのとは決定的に違う形で相手の表情を、顔を真っ直ぐに見ていると思うんですよね。顔をあげて、見るべきを真っ直ぐに見ている。普段からそうなら、他の人と話そうとしなくてもちょっと印象変わってくるんじゃないだろうか。
ともあれ、五条くんから心寿ちゃんにコスプレやってみませんか? と提案する側になるのは感慨深いですよね。じっと自分の世界に閉じこもっていた彼を、海夢が引っ張って連れ出して、いつしか自分でやりたいことのために歩きだしていた五条くん。そんな彼が、今勇気を出せずにイイたい言葉を、出したい思いを飲み込んでしまっている子に、手を差し伸べられる男の子になった。自分が手伝うから、やってみませんか? と促すことの出来る男の子になった。それがなんとも、心擽られる思いなんですよね。
それに、ほんと五条くん配慮の鬼なんですよね。内気で繊細な中学生の女の子にセンシティブなショックを与えないように、常に発する言葉まで気をつけて気を配って単語を選んで、ってここまで出来る男の子がいい男じゃなくてなんだって話なんですよねえ。
まあそのわりに、中学生の女の子を自分の家に連れ込んで二人きりになってたり、と配慮を欠いているところがあるのですが、心寿ちゃんの心に気遣うのとは配慮の方向性が違うのか。
その事実を五条くんの口から聞いてしまった海夢が、年相応にぶんむくれて嫉妬している姿が大変可愛らしかったです。かなり気安く五条くんの部屋に入り浸るくせに、彼のこと意識しだしてからはちゃんとその事を特別視してたんだw

さても、ジュジュとの合わせ、合同撮影会は心寿ちゃんのサプライズコスプレもあって、大成功。ジュジュは疲れた疲れたともうしばらくは合わせはやりたくない、と言っていたけれど、あれだけ楽しそうに心からの弾けるような笑顔を見せてたらねえ、さてどこまで本心か。
海夢も、すぐに破顔してキャラ壊れちゃうんだけれど、そのキャラクターに憑依したような一瞬の切り取られたその時は、思わず息を呑むような存在感があって、ジュジュも瞠目するものでした。
雰囲気があるんだよなあ。
普段のネアカな海夢とのギャップもあるんだけれど。
そしてジュジュも五条くんの事、ちょっと意識しだしてるんですよね、これ。そりゃあ、しちゃうよなあ。カッコいい男の子、性格イケメンとか優しいとか、そういうタイプはそれほど珍しくないかもしれないけれど「素敵な」という冠がつく男の子って、なかなか貴重だと思いますよ。

この姉妹、しばらく登場しないんですってね。いいキャラだけに残念だけど、でもこの物語って海夢と五条くんの話だもんなあ。

表紙のヴェロニカたんは、残念ながら本格的には次回から。いや、これに関してはわりと短めに終わったんだっけか。