【回復職の悪役令嬢 エピソード1 私だけが転職方法を知っている】  ぷにちゃん/緋原ヨウ MFブックス

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シナリオから解放された元悪役令嬢の自由な冒険者ライフスタート!

王太子から婚約を破棄された公爵令嬢シャーロット・ココリアラ。
彼女は職業が〈癒し手〉である乙女ゲームのヒロインと比べられ、しかも「笑いもせずつまらない〈闇の魔法師〉の女は世界の平和でも祈ってろ」と言われる始末。
「それなら敵国で〈癒し手〉に転職します! 転職はできない? いえいえ、プレイヤーだった私は転職方法を把握しています」
この世界の誰も知らないゲーム知識を活かし、あっさりと〈癒し手〉に転職したシャーロットは、さらにはダンジョン攻略に苦戦する勇者パーティに勧誘されて……!?
ゲームのシナリオから解放された、シャーロットの自由気ままな冒険者ライフがスタート!

あ、闇の魔法師辞めちゃうのかー。転職して人生やり直す話なので、そりゃ元の職業は離職して然るべきなんだろうけど、微妙に残念。闇の魔法師舐めんな、闇で癒やし手より癒やしてやる! とかいう方向ではなかったのね。
とはいえ、転職ってレベルある程度あげないと出来ない、というものでもないんだろうか。最近のRPG系統のゲームは全然やってないからなあ。そして、ゲームで転職と言われると未だにダーマ神殿が基準になってしまうドラクエ3ユーザーである。あれは最低20レベルあげないと転職できなかったですもんねえ……え? リメイク版とかどうなってるか知らないんですけど、そのあたり変わってないですよね。
本作では、特にレベル関係なくそれぞれの職業に設定されている特定の地点にいけば、転職できるらしい。必需品だという冒険の腕輪はゲーム内では冒険者は殆どみんな持ってたらしいので、かなり自由に転職できたんだろうなあ。
でもゲーム遵守の設定になっているとはいえ、この世界ではそういう「システム」に関しての知識は失われているようなので、転職方法や冒険者の腕輪の制作方法からその所持の利点、レベルアップした時のスキルポイントの割り振りなど、知識を持っているシャーロットにとっては非常に有利を稼げる環境なわけだ。
そりゃ、国外追放されてもよっしゃー、行っちゃうよー! と、むしろ追放にかこつけて飛び出していっちゃうくらい余裕なはずである。
娘が飛び出していったのに、余裕で楽しんでらっしゃいと見送っちゃう両親もなかなか凄いが。箱入りの貴族の娘であるはずなのに、余裕で一人でやってけると考えてるんですもんね。親の信頼厚すぎである。
でもこれ、癒やし手に転職するさいにその職業を司る女神さまから直接お言葉戴いて、転職お祝いしてもらってましたけれど……いや祝福されるのはとても良いことなのですが、これ逆に離職された方。闇の魔法師を司る神様の方は大変面白くないんじゃないですかね? なんか文句言ってきたりしないのかな。それとも、わりと神様間のコンプライアンスはしっかりしてるんだろうか。

ともあれ、待望の外の世界で見たことのない景色を見るために、冒険をはじめたシャーロット。癒やし手としてメキメキと頭角を表し、現状の世界ではレベルあがってもなかなか習得しないはずのスキルを、そりゃ自動付与じゃなくて自分でポイント溜まったら手動で取得、とやってるんだから他の人より何倍も習得早くて当然なのですが、当然新人らしからぬ実力の持ち主として目をかけられていくのである。
個人的には一番最初の依頼で組んだ、同じまだ初心者の幼馴染コンビであるケントとココアの二人とずっと一緒にパーティー組んでてほしかったなあ、と思ったんですけどね。
田舎の村から飛び出してきた未熟な二人ながら、とても勉強熱心で直向きでお互い支え合って生きていこうという信頼と友情とそれ以上の感情で結ばれている、とても見ていて微笑ましく応援してあげたくなる二人だっただけに……いや、割って入る隙間なし、と言えばそうなんですけれど、こういう初々しくも健気なカップルは間近で応援し続けてあげるのがまた乙じゃないですか。
でも、正式にまだパーティー組んだわけじゃなかったのに加えて、女性勇者パーティーに請われて彼女らの依頼に同行することになり、ある意味実力の釣り合ったバランスの取れた冒険が出来てたんですよね。合っているといえば、そりゃ勇者パーティーの方がしっくり来るんでしょうけどね。
しかし、この世界で生きている人達は全然自覚ないんだろうけれど、世界観としてはまんまゲーム的な要素が満載なんですよね。それが当たり前の世界では変な感じとは思わんのだろうなあ。