【TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA 嫌われ追放エンドを目指してるのに最強無双ロードから降りられない】  佐遊樹/ぬくもり エンターブレイン

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最強orポンコツ?逆RTA(リアル・タイム・アタック)ファンタジー!!

神々の創ったゲーム世界に美少女(マリアンヌ)へと転生した主人公。
神々のお遊び『配信』で、ハチャメチャな条件付きで追放RTA(リアル・タイム・アタック)をすることになったマリアンヌ。
いっそ最速で追放エンドになることを目指し
「暴力」「暴言」「喧嘩」「無双」「禁呪」etc.
ありとあらゆることを試した結果、なぜか学園での人気者に!?
そんなとき『竜殺し』と邂逅したマリアンヌはーー
ルールブレイカー必至?逆RTA(リアル・タイム・アタック)ファンタジー!!


最新話でマリアンヌが一人で「二人はプリキュア」してて爆笑でした。違うんだよ、ホントに一人で二人はプリキュアしてるんだよ! 比喩じゃなく物理的に。アホかっ!!w

という訳で、ウェブ版は既読済み。近年一番ドはまりしている作品の書籍化ということで前のめりにゲットしました、ヒャッホーーッ!
イラストレーターは、以前から支援絵送っていたぬくもりさんが担当する事になったんですね。この人の描くマリアンヌ、本当にいきいきとして輝いてて好きだったんですが、表紙絵から素晴らしいマリアンヌで。最高です!

さてもタイトル通り、TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA……いや、タイトルからして詰め込みすぎててよくわからんのだが、とりあえず追放エンドを目指してRTAしようとしているマリアンヌの配信を神様たちが集まって視聴しつつ、チャットでレスバトルしてるのを横目に、盛大にRTAを逆走していく物語である。やっぱり意味わからんぞ!?
そもそも、マリアンヌはいうほど真剣に追放エンド追求しているわけじゃない……いや、本人は本気でやろうとしてるんだろうけれど、基本的にこの女、とりあえず暴力に訴えればいいだろう、という脳筋なので思考を駆使して追放への道を追求してるわけじゃないんですよね。とりあえず、目に前に気に入らないやつが現れたら殴る! 気に入ったやつが現れても殴る! いや流石に戦闘出来る相手以外には喧嘩売りませんけれど。基本的に女の子相手にも喧嘩は売りませんけれど。……敵には売るがな。
つまるところ、目の前に立ちふさがるやつは全部殴って押し通る! という最強を追い求める世紀末クソバカ令嬢爆誕である。
地頭めちゃくちゃイイのに、なんでこの娘はこんなにバカなんだ!? でも楽しいッ。めちゃくちゃ楽しい。マリアンヌがマリアンヌしてるのがひたすら楽しくて面白くて仕方ないのだ。
それは輝く流星のごとく天を駆け、人はその眩いばかりの生き様にあんぐりと口を開けて呆けながらも、惹かれてしまう。
その筆頭が、婚約者であるロイくんだろう。こいつ、見てくれ完全に王子様なのに別に王子様じゃないんだよなあ。貴族の令息ではあるんだが。ともあれ、彼こそは最もマリアンヌの輝きに魅入られた者だろう。ひたすらに、彼女に焦がれ追いかけ続ける姿は一心不乱で、挫折もし自分の道に迷いもし、それでも諦めきれずにともすれば一瞬で果てしない高みへと駆け上っていくマリアンヌの背を置い続ける、いつか彼女に並び立つために、というある意味彼が一番主人公してるのかもしれません。先々の彼の覚醒シーンはむちゃくちゃカッコいいんだよなあ。
そして、本来のこのゲームの主人公であるのが、タガハラ・ユイさん。……いや、これ本当にゲームなのかだいぶ怪しいところではあるんですけど。てか、乙女ゲームなのか、これ? マリアンヌの原形がいったいどんな悪役令嬢だったのか、今となっては想像もできんのだけど。今のマリアンヌが強烈すぎて。
一方で、このユイが主人公として攻略対象相手に恋愛を繰り広げる、というのもいまいち想像できないんですよね。めっちゃイイ娘なんですけど。でも、乙女ゲームの主人公とはキャラかけ離れてるだろ? 主人公にしては闇が深すぎね? 完全に暗殺聖女とかそういう類なんですけど。いや、それ以上のこれは人工的に作られた戦闘マスィーンのたぐいなんじゃないの!? めっちゃ本性……てわけじゃなくモードが切り替わるというのか、でも聖女モードが非常にヤバそうで怖いんですけど! それでいて、機械的な無機質というか自分を持たないタイプでもなくて、何気に政治もできるでしょ、ユイって。ポディションが全然主人公っぽくないんだよなあ。これが、ダークファンタジーとかそういうのなら、必殺仕事人系ステゴロ型暗殺者兼暗部統括責任者として主人公やれそうだけど、乙女ゲームの主人公って感じでは全然ないですよね!?
って、だからこれ絶対乙女ゲームじゃないでしょ。バトル要素が色濃すぎる。主要登場人物大体ガチで戦えるのばっかりじゃん!

唯一の例外はリンディに見えるんだけど、この娘はこの娘で何気に一番ユイよりも闇深そうなんだよなあ。今はただの一番典型的なツンデレ系貴族令嬢なのですが。
多分、一番初期からキャラ変わったのって、この娘リンディなんでしょうねえ。マリアンヌに突っかかってくる典型的な貴族令嬢って感じで、マリアンヌの側も最初の頃はあんまり眼中になかったって感じの描き方されてますし。でも、実質一番の親友で無二の幼馴染で、一番マリアンヌの事わかっている理解者で、と関係の深さが加速度的に更新されていくんですよね。何気にウェブ連載でも未だにはっきりとは明かされていないバックグラウンド込で考えると、この作品におけるマリアンヌにとってのメインヒロインはこのリンディじゃないのか、という疑いすら芽生えてくるかなり重要なキャラクターなのである。というか、マリアンヌのアホがわりと全体に感染していく中で、唯一理性を保ち続けるみんなのママ枠になっていくんだよな、リンディ。
なので、イメージの方向修正するためにも特別にリンディとマリアンヌ二人の関係を色濃く描いた幕間を新たに挟んだのは良い構成だったんじゃないでしょうか。
マリアンヌがどれほど、リンディの事尊敬しているか。そしてリンディがどれほどマリアンヌの事大事にしているかが伝わる、本当に二人のためだけの話でしたからねえ。一瞬でマリアンヌの為にそこで命捨てる覚悟完了してしまえるリンディさん、まじ惚れます。

そして天然イケメンのジークフリートさん。まだ二十歳の若造にも関わらず、この人が一番大人として頼もしく莫大な安心感を与えてくれる人だと思うんですよね。騎士としてキッチリした人でありつつ、マリアンヌとの出会いで元から備えていただろうある種の柔らかさを自然と表に出すようになったので、非常に魅力的な青年になってるんですよね。時折かましてくる無自覚天然ムーブは完全に愛嬌として機能してるわ、場合によってはラブコメムーブの中で強力な兵装として稼働するので、作中で一番マリアンヌがタジタジとなって赤面してるのはジークさんなんじゃないだろうか。
ロイくんっ、この人強敵すぎますよ!? 現状では太刀打ちできてないんじゃないですかっ!? ロイくんとジークさん、マリアンヌ抜きで話していた時のロイくんのバチバチっぷりには笑ってしまったけど、そういうロイくんの余裕のなさっぷりはむしろ愛おしくて好き!

まだ序盤も序盤。そうなんだよね、禁呪VS禁呪という対戦カードは普通に考えると速攻での頂上決戦の絵面のはずなんだけど、こっからのエスカレートっぷりを思えばマリアンヌの決め技に対しての「なんて!?」もまだまだ少なめなんですよね。配信チャットでの容赦ないツッコミの数々から、原作から途方もなく逸脱していくたびに阿鼻叫喚の大混乱に陥る神様チャットも、こうしてみると作品の重要要素なんですよね。いや、あの人らの大騒ぎもはっちゃけてて大好きなんですよ。
そして何よりマリアンヌのバカを貫き通す極めたバカのバカっぷり。個人的に、最終決戦で禁呪通しの激突で目眩まし状態のときに、こっそりわしわしとポールによじ登っているバカと煙はなんとやらをごく自然の地でカッコよく?やってしまうマリアンヌのシーンがここ一番最高に好きでした。
早送りみたいな高速でポールよじ登っていくマリアンヌの姿が動画よろしく明晰に想像できてしまったんですが。マリアンヌの動作や仕草やポーズって、解析度高すぎて文章媒体にも関わらず、なんかやたらと映像画像イメージが簡単に出来てしまうんですよね。イラストのぬくもりさんのマリアンヌ像のお陰でキャライメージもカッチリはまりましたし。

まだレギュラーメンバーとなる主要登場人物が幾人か登場してませんし、マリアンヌのバカと流星がさらに加速度的に進化していき、それに引っ張られるように周囲の人達のリミットも吹っ飛んでいくのはまさにここからなので、是非に続刊はお願いしたい所。
個人的には夏休みタイムアタックは絶対やって欲しいな。あのスピード感ガン盛りの盛り上がりは尋常じゃないからッ!
うううっ、読みたい! ぶわぁっぁぁあ、とテンション爆上がりして血液沸騰して背筋の震えるあの感覚を、ひっくり返って笑い転げるあの楽しさを、もう一度味わいたい。めっちゃ読みたい。各所名シーン、絶対読みたいですよぉ。