【悪役令嬢と悪役令息が、出逢って恋に落ちたなら 2 ~名無しの精霊と契約して追い出された令嬢は、今日も令息と競い合っているようです】 榛名丼/さらちよみ GAノベル

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「僕が守ってやる」
「こ、告白みたいですわね!?」
無能と蔑まれる悪役令嬢と天才と敬遠される悪役令息の、不器用だけど温かい恋物語、第2弾。

「わ、わたくし、心配されるほど……弱っちく、ありませんわ」
「そうだな。だからこれは、ただ僕が心配性なだけだ」
公爵令息ユーリとの出逢いによって、孤立していた学院生活が徐々に変わり始めた令嬢ブリジット。
初めはいがみ合う仲だったが、氷の刃と恐れられ一目置かれてきたユーリのいろんな表情を見るたびに、次第に惹かれていくブリジット。それは彼も一緒なようで……。
「君とやり直したいと思っているんだ」
そんな中、婚約相手だった第三王子ジョセフからの復縁の申し出で事態は一変する。
「……良かったんじゃないか。もともと好きな相手だったんだろう」
「よ――良く、ありません」
縮まったはずのユーリとの関係に少しずつひずみが生まれる中、ブリジットが契約した精霊の正体まで明らかになって――!?
悪役令嬢と悪役令息がやがて恋に落ちていく物語、第2弾。


ジョセフ王子、あんたってば、あんたってば……そんなしょうもない男だったのかーー!!
いやあ、いやあ、うーん。一巻を読んだ時点ではこれは極めつけのサイコ野郎で敵役としても非常に危険な男。相手を苦しめるためには何を仕出かすかわからない色々な意味でキレキレでヤバいヤツ、という印象だったので、これはユーリも対決しがいのある悪役令息VSサイコ王子というハードマッチになるとちょっとワクワクしていたのですが……。
ほーーーんとにくだらねえ。しょうもない、くだらない、ダサい男だったなんて。
優秀な家族兄弟に対して劣等感、コンプレックスを抱いて拗らせる輩はそりゃ珍しくないですけれど、自分のコンプレックスを労るために、自分よりも可愛そうで無能でダメな娘を自分に依存させて頼らせて自分が居ないとダメだと思わせて悦に浸ってたって……ダサいにも程がある。
それで、その相手であるブリジットの尊厳を踏み躙って踏み躙って甚振ることで劣等感を満たして、それでいて実はブリジットが本来ならば性格的にも知性も知能も優秀だとわかったら、今度は倦厭するわ余計に頭抑えようとするわ、さらにブリジットの契約精霊が判明したらそれをなかったコトにして、とにかく自分の自尊心を満たそうと、自分よりも下の存在として見下そうとみっともない手法であれこれと頑張っていたのを見せられてしまうと、本当に遠い目になってしまいます。
クズ男は珍しくないけれど、これほどダサい男は早々はいないよ。
こんなのに半生歪まされていたブリジットはちょっとかわいそう過ぎますよ。長年の王子からの精神的な負荷によって、だいぶ心弱っちゃってましたしねえ。自分にどうしても自信が持てないのも、王子の精神的暴力によるダメージが原因でしょう。だから、大いに同情の余地はあるんですよね。彼女がどうしても肝心なところで踏ん切りがつかなかったり、うじうじと引っ込み思案になってしまうのも。
でも、ここぞという時は彼女、勢い任せですけれど言うべきことはちゃんと言ってるし、態度もはっきりと示している。
むしろ、お前がウジウジしていてどうする、というのがユーリの方なんですよ。君の方こそ、言うべきことをもっとはっきりというべきなんじゃないのか? はっきりとした態度を示すべきなんじゃないのか!?
正直、あんなダサ王子ごときと張り合ってていい立ち場じゃないと思うんですよ。相手がもっとサイコで危険な男だったら気合い入れて対決しないといけなかったかもしれませんけれど、あんなのまともに対応するのも馬鹿らしいほどの最低なクズじゃないですか。悪役令息たるもの、あんな雑魚片手間に視界にも入れずに踏み潰すくらいはしてほしかった。それが、あんな王子の挑発にまんまとダメージ負ってるとか、脆い!弱い! 繊細かよ!
ブリジットに対しても言いたいことをはっきりと言えず、そのくせ何か言いたげな素振りを意味深に思わせぶりに見せてみたりしつつ、ウジウジとジメジメと俯いちゃって何をやってるのか。
それでいて、ブリジットにあれこれと告白みたいな態度みせるわけですよ。お前はオレのものだ、みたいな態度みせるわけですよ。ブリジットとしたら、なんだよー、なんだよー、って前のめりになっちゃうじゃないですか。自信持てないブリジットですら、あれ自分勘違いしちゃっていいの?とか思っちゃいますよ、そんな態度取ったら。それなのに、いざとなったら引っ込んじゃうわけですよ。
そのくせ、強烈な独占欲を見せて、嫉妬して、ブリジットに八つ当たりして……面倒くさい! この男面倒くさい! 面倒くさいぃ!!
まあ原因がユーリ自身に責任があるのかわかりません、何か理由があったのかもしれませんけれど、過去の婚約者問題での事にあるみたいですし、その事でユーリが強い罪悪感を抱いていることが彼に踏ん切りをつけさせない根本なのかもしれませんけれど、だったら思わせぶりな態度取りなさんなよ。ブリジットに期待させなさんなよ。嫉妬してる姿なんか見せなさんなよ。中途半端なんである。
もーー、しゃっきりせんかい! と言いたくなってしまいました。
なんか、本作の男のキャラクターは総じて、こう……ダメな感じがひしひしとしますね。突然登場したユーリの兄も、あれは普通に失礼すぎて……あかんでしょう。ダメなチャラ男じゃない。何かしらの思惑あっての態度にしても、あれだけ失礼だと理由如何に関わらずこいつアウトだわぁ、という印象になってしまいます。
ほんともー、ユーリくん頑張りなさいよ。一巻からするとだいぶ株暴落しちゃっただけに、巻き返ししてもらわないと、ほんとにねえ。

あと、この2巻で異様に存在感を増しましていたのが、キーラ嬢。……いや、なんでいきなり伝説の上位精霊にあんなに食欲を抱くキャラになってしまったの? 面白いから良かったんだけど、とにかく何が何でもピーちゃんを食べたい感を放出し続けるキーラの執拗なまでのアレはなんだったんだろうw ぴーちゃんの登場によってブリジットの立場が劇的に変化しつつある中で、ある時ふっとぴーちゃんが毟られた羽根だけ残して失踪してしまって、いやマジでこれどうなるの? という唖然となる展開が起こるんじゃないか、と冗談ではなくひしひしと危機感を感じさせるガチさでしたからね、キーラさん。ある意味そんな展開が起こったら、そりゃもう他に類を見ない怪作となですよね、そんなの。以降の展開が予想できなさすぎて、ちょっと怖いもの見たさも感じていたのですが……w