【がっこうぐらし! 〜おたより〜】 海法紀光/千葉サドル まんがタイムKRコミックス

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パンデミック収束後の世界で、手紙が紡ぐ、みんなの「その後」。
彼女たちは自分の目指すべき道を歩んでいます。
「ずっとみんな一緒」ではない、学園生活部の近況を「おたより」にのせてお届けします。



本編終了後の、その後の学園生活部の面々のお話。
手紙、郵便ってそれが機能しだすと崩壊した文明がもう一度動き出した、て感じになるんですよね。
当然、インターネットなどのインフラはまだ機能しないなかで、メールは当然電話だって通じない中で、遠くにいる人と今を伝えあえる手紙。
それは今は会えなくても、顔を見ることが出来なくても、声を聞くことが出来なくても、その人の言葉を伝えてくれる、その人の今を伝えてくれる。繋がってる、て気持ちにさせてくれるんですよね。

パンデミック収束後、学園生活部の四人は今、それぞれ違う場所でそれぞれの出来ることを頑張っている。終わっていた世界で紡いでいた日常は、学校での生活は終りを迎え、今は新しい日常をそれぞれがあるきだしている。
あれから少しだけ時間が経った。死に包まれていた世界は、今もう一度生き返ろうとしている。

ゆうりさんは、復興地区本部の復興課で時々現場に出たりしながらも、基本事務仕事で復興事業の下支え。でも遠い先々、未来を見つめてのお仕事だ。いつ終わりが来るかもしれない恐怖に背中を刺されながら、明日を、明後日を手繰り寄せるように頑張っていた日々からすると、また違った日々なのだろう。でも、そう違わないのかもしれない。ただ、希望だけは山ほどある。
……なんか、このゆうりさんだけなんかイイ人見つけてるんですけど! なんだかんだと面倒見つつ頼れる人を見つけるよねえ、ゆうりさん。


クルミは相変わらず体は不自由なままだけど、無力さにのたうち回りながらも医者になるための勉強中。くるみに関しては本気で本編中でいつ最後の犠牲者になるか、とハラハラしながら見ていただけに、生き残れて良かった。彼女はマジで助からないかも、と思ってたからなあ。
髪切ってメガネしたクルミはマジで美人で、何気に一番キレイになったんじゃないだろうか。あのクソガキ、将来ガチで彼女嫁にしそうだなw


まだゾンビと化した死体は動き回っているものの、武装が必要とは言え美紀が一人で自転車で街を回れるくらいには安全になったんだなあ。
かつては戻ることの出来なかった、彼女が圭と立てこもっていたショッピングモール。ひとりそこに立ち戻って、圭の痕跡を下がる美紀。別れ別れになってしまった圭と、もしもう一度会えていたら。彼女を助けることが出来ていたら。そんな思いに胸を焦がしながら、かつて彼女と聞いた曲を思い出せずにいる。
美紀の今までずっと晴らせなかった後悔を、区切らせてあげられたお話でした。きっと、それは圭からの最期の贈り物。やっと、やっと、お別れできたのだ。

他にも大学で出会った同好会の人達や、ゆきたちを助けてくれた椎子さんの残影をたどるお話。そして、まさかの作中作だけどループもののお話。実は学園生活部は何度も何度も同じ時間を繰り返して、このハッピーエンドの世界へとたどり着いたのだー、という妄想が、いやこれ、美紀が本気にしないでくださいね、となんかこっちに向かって言ってるんですけど、いやいやいやいやww


そして、ラストは小さな子供たちに勉強だけでなく色んな物事を教える学校の先生になったゆきのお話。まだ、相談相手として現役の先生だっためぐねえが横にずっと居たんですねえ。
でも、いつしか失敗しながらも、先生として立派に独り立ちしはじめたゆきにはめぐねえはいつまでも過保護にそばにいる必要もなくなったのでしょう。
もうきっとゆきのそばに、めぐねえは現れない。
ああ、これが本当のゆきにとってのめぐねえとの別れだったんだなあ。これが、ゆきにとっての卒業だったのか。
教え子である小さなりんちゃんに。大きくなるまでずっと先生が一緒だからね、と抱きしめながら語りかけるゆきの姿に、胸がいっぱいになって大きく息を吐く。

学校を卒業して、自分達で救った未来に一歩一歩歩きだしていった学園生活部のみんな。彼らの未来に幸あれ。
素晴らしい、後日談でした。