【凶乱令嬢ニア・リストン 1 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録】  南野海風/磁石 HJ文庫

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病弱美少女に転生した英雄、最強令嬢となって無双する!!
武を極めたバーサーカー令嬢の最強転生ファンタジー!

「どうせなら、戦って死にたかった」

かつて神殺しをも成し遂げた大英雄がいた。強すぎた彼女は死の間際、自分を殺せるほど強い相手と出会うことを夢に見る――
その結果、待ち受けていたのは病弱な貴族令嬢への転生で!?
未来の世界で美しくも弱すぎる令嬢ニア・リストンとなった彼女は、第二の人生でも強者を求めて楽しく戦いに身を投じていく!

「――アッハハ! ほらほら! 早く構えないと蹂躙するわよ!」

天使のような凶乱令嬢が繰り広げる最強無双譚、ここに開幕!!



「カドカワBOOKS」から出ている【魔術師クノンは見えている】の作者・南野海風さんの新シリーズ。
新シリーズと言うてもウェブ連載はこっちの方が先なんですね。すでに連載の方は完結していますし。

あらすじの方で詳しく語られているように、病弱幼女に憑依した武人が暴力!暴力はすべてを解決する! とばかりに暴れまわるバトルアクション、かと思うじゃないですか、お話的に。
でも、意外とバトルバトルにはならないんですよね。ニア自身はとにかく戦いたい戦いたいという戦闘欲求に身を焦がしているのですが、そうそう幼女が暴れまわる事が出来るような世紀末世界でもないわけで。
またニア自身も周りの人間なんか関係ねえ、という傍若無人系のわがまま幼女ではなく、ニアとして生きる以上自分の病気を治すために奔走してくれた両親や、お兄ちゃんのニールといった家族に対しては恩義を忘れずに、彼らのためにできる限りのことはしようと戦闘欲求は一応脇に置いておいて、家族のために貢献しようと頑張るのである。
それが、なぜか子役マルチタレント、という方向に行ってしまうのが謎と言えば謎なのですけれど。
まあそれにもちゃんと理由があって、両親が手掛けているのがテレビジョン事業だったんですね。
ニアの治療法を広く世界に求めるため、という理由もあって、膨大な資金を投じて大々的に新しい技術であるテレビ放送事業を展開していたのである。
病気を地力で克服してある程度健康を取り戻したニアがはじめたのが、その両親の起こしたテレビ放送への出演。看板タレントして活躍することだったのである。何しろテレビ放送の黎明期でもあるために、どんな番組を行うかは手探り状態。そんな中で旅番組や、職業紹介などで一気に知名度をあげて、ついには舞台女優として幼くしてデビューすることに……。

バトルはいずこに!?

いや、これについてはニアも欲求不満がたまりにたまって、王都の半グレがちょっかい掛けてきた際には、自分から挑発に挑発しまくって煽りまくった挙げ句に、チンピラ集団と戦うことに。てかこれ、こっちから襲撃かけてますよね?
まだ病気に冒され満足に動けない状態で、戦闘技術を収めている自分のメイドたちについても、片手で倒せるけどね、などと嘯いているほど隔絶した戦闘力をすでに秘めているニア。
ぶっちゃけ、街のチンピラなんて何人相手にしようが雑魚は雑魚。指先一つでダウンさー、の格差なんですが、選り好みしがちな強者と違って戦いに飢えたニアは息を吹きかければ消し飛びそうな雑魚が相手だろうと、それが大量に湧いて出てバッタバッタとなぎ倒せるのなら、それはそれで大喜び。
初めて触れ合い動物園に連れて行って貰った幼女みたいに、わーいわーいとメチャクチャはしゃいでテンション上がってるニアが実にいたいけな幼女らしくて可愛かったですw 雑魚相手に大人げないとか言うなし、ニアは幼女なんだからいいんだよ! 

しかしこれ、ほんとにメインストーリーはタレント活動っぽいんですよね。これまで出てきたライバルになりそうなキャラたちって、全員バトルとか関係ない、しかし芸能人として際立った才とカリスマを迸らせている少女たちばかりで……いやだからバトルとか全然関係ないですよね!?
何気にこれ、いったいどういう展開になっていくのか想像できなくて、色んな意味でドキドキするんですけどw

個人的には、この作品ほぼ一貫してニア視点だけなので、他の人からの視点のお話も見てみたかったのですけれど、そういうのはなかったですねえ。舞台演劇でニアと共演することになり、5歳の幼女にえらく懐くようになった新人女優のシャロなんか、ニアと仲良くなりつつも別に心酔したりしている訳でもないニアの異常性をかなり理解しながら結構真面目に友達してくれてた娘なので、この娘目線からのニアとかちょっと見てみたかったですね。